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新潟県 胎内市

自然が活きる、人が輝く、交流のまち“胎内”

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ホーム > 市の紹介 > 市長室だより > 施政方針・市政報告 > 平成30年第1回胎内市議会定例会

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更新日:2021年4月1日

平成30年第1回胎内市議会定例会

平成30年度の施政方針(全文)

便宜上、見出しを付けています。

1 はじめに
2 市民と行政の協働によるまちづくり
3 子どもの成長、豊かな心と生きる力を育むまちづくり
4 健やかで生きがいを持って暮らせるまちづくり
5 人をひきつける活力のあるまちづくり
6 まちの成長を支えるしなやかな基盤づくり
7 地域の魅力の向上や定住の促進に関する取組

 

1  はじめに

 日本全体では、各種政策の効果もあり、一定の雇用環境の改善や地方経済の回復が見られていると言われておりますが、まだまだ全ての人がその恩恵を享受できているとは言い難い状況だと思っております。

 そうした中、政府においては、少子高齢化という大きな壁に立ち向かうため「働き方改革」や「人づくり革命」、そして、「生産性革命」などを掲げ、老若男女、障害等のある方もない方も、その可能性を存分に開花できる新しい時代を共に切り拓いていくとしており、地方においてもこれらのことを踏まえつつ、課題を一つ一つ解決し前に進んでいくことが必要であると考えております。
 本市においても、胎内市が10年先、50年先、100年先も持続的に存続し、繁栄していくために、目の前にある地域の諸課題や社会情勢に適切に対応しつつ未来を見つめ、活力あるまちづくりを行いながら、それを次世代にしっかりと引き継いでいかなければなりません。そのため、市民協働によるまちづくりを根底に据え、選択と集中という視点、未来への投資という思いを大切にした中で市政運営に取り組んでまいります。
 

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2  市民と行政の協働によるまちづくり

  市長就任以来申し上げてきたところでございますが、人口減少・少子高齢化が加速している中、普通交付税の段階的縮減などによる歳入の減少の一方で、社会保障費等の支出は増大し、市民ニーズもますます多様化してきている背景の中で、まちづくりは行政だけで推進できるものではなく、市民の皆様のお知恵やお力をお借りした中で進めていかなければならないものになってきていると感じてきているところでございます。
 そうした状況を踏まえ、市民協働に向けた取組に関しては、スピード感を高めながら力を入れていきたいと思っております。まずはその前段で、市民と行政が様々な施策について意見交換を行うことができる場として、座談会やタウンミーティングなどを開催してまいります。そして、市民協働を全庁的に進められるよう、全職員を対象とした協働のための研修なども行いながら、協働に向けた体制を整えてまいります。
 あわせて、市民の皆様から参画・参加していただくためには、市政情報の共有が大切になってまいりますので、ホームページやSNSを活用した積極的な情報発信はもちろんのこと、図書館に設けた市政情報コーナーなどにおいても、その充実を図ってまいりたいと考えております。
 また、第2次総合計画の実効性を高めるためにも、昨年策定いたしました「第3次行政改革大綱及びその実施計画」に基づき、秘書室の総務課への統合により組織のスリム化を図る一方、子育て支援の充実のために子育て応援係を新設するなど必要とされる組織改編等を行うほか、選択と集中という視点で行政評価を行い、予算編成と連動させることによって、限られた予算の中でも効率的で効果的に施策を執行できるような仕組みをつくっていきたいと考えております。
 また、財政運営につきましては、企業版ふるさと納税制度やクラウドファンディングを始めとした民間資金の活用等による自主財源の確保に努めてまいります。
 

3  子どもの成長、豊かな心と生きる力を育むまちづくり

(1)子育て支援・少子化対策に関する取組について
 国では「ニッポン一億総活躍プラン」に基づき、妊娠期から子育て期にわたり切れ目なく支援を行うよう「子育て世代包括支援センター」を各市町村に設置するよう求めております。
 当市といたしましても、現在子育て中の方やこれから子育てをされる方への支援の更なる充実は必要であると考えておりますことから、本年4月から妊娠、出産、子育てに関する相談に応じる専門のコーディネーターを配置した「子育て世代包括支援センター」を設置して、子どもを授かり子育てをされる方々がゆとりと希望を持って胎内市で暮らし、安心して子どもを産み育てることができる体制づくりに努めてまいります。
 なお、当該事業の対象となる方につきましては、平成30年度は妊娠されている方や未就学児を養育されている保護者とその子どもとし、平成31年度以降順次拡充していき、最終的には18歳までの子どもとその保護者を対象とすることを目標に進めてまいりたいと考えております。
 また、病児保育事業を中条中央病院と連携して継続実施するほか、近年需要が高まっております3歳未満児保育への対応につきましては、本年4月に社会福祉法人真心福祉会により保育園が開園されることで、更なる受入体制の充足が図られるものと期待しているところでございます。
 そのほか、妊産婦及び子育て世帯の経済的負担の軽減を図るため、妊娠期の支援の一つとして昨年の10月診療分から助成を開始いたしました妊産婦医療費助成、不妊治療に対する助成や18歳までを対象とした子どもの医療費助成を引き続き継続実施してまいります。
 また、子育て支援に対する新たな取組の一つとして、新発田市・聖籠町との定住自立圏の取組の中で、新発田市と連携し、子育てを行う方が、協賛する店舗での割引や特典のサービスを受けることができる「子育て応援カード事業」を本年9月から開始できるよう、現在中条町商工会と黒川商工会に協力をいただきながら、準備を進めているところでございます。
 これらの取組を通じ、安心して出産・子育てができる環境を整えてまいりたいと考えているところでございます。

 

 

(2)子どもの教育に関する取組について
 市といたしましては、「教育は人をつくり、地域をつくる崇高な営み」という胎内市の教育の基本理念に基づき、種々の施策を確実に行っていくことが、子どもの健やかな成長に結びつくものと考えております。
 まず、コミュニティ・スクールの運営・導入についてでありますが、価値観やライフスタイルが多様化する中で、地域社会の結び付きは、その一方で希薄になり、セーフティネット機能も低下してきております。このような状況の中、次代を担う子どもたちの輝かしい未来のために、学校と地域が良きパートナーとして連携・協働して学校運営に取り組むコミュニティ・スクールは大変有益であろうと思っております。
 黒川小学校におきましては、2年間の調査・研究期間が終了しましたことから、本年4月から本格的にコミュニティ・スクールの運営をスタートさせてまいります。
 そのほかの全小中学校におきましては、コミュニティ・スクールの導入に向けた調査・研究に取り組んでいるところでございます。順調に調査・研究が進んだ場合、平成31年度には、今年度から調査・研究を始めた築地小学校、築地中学校及び黒川中学校が、平成32年度には、残りの5校が本格的にコミュニティ・スクールとして学校運営ができるよう努め、それぞれの地域に合った、「地域とともに歩む学校づくり」を推進してまいりたいと考えております。
 また、更には教育の質の向上ということで、教師の指導力の向上を始め、新学習指導要領への適切な対応、そして、複雑・多様化する児童生徒を取り巻く今日的課題の解決に向け、教師に対する指導・支援を職務とする指導主事を新たに1名配置したいと思っております。
 加えて、市内小中学校で、特別な支援を要する児童生徒が増えてきておりますことに鑑み、学習補助員や介助員の配置を通して、個々の児童生徒に応じたきめ細かな対応ができるよう、引き続き努めてまいります。


(3)郷土の歴史・文化に関する取組について
 まず、城の山古墳につきましては、平成30年度中の国史跡指定の実現を目指し、引き続き国・県と協議を重ねてまいりたいと考えております。そして、国指定史跡の指定を受けた後においては、見学のための施設等の整備など、観光資源としての活用も見据えた史跡整備計画の策定に取り掛かりたいと思っております。
 また、無形民俗文化財の継承に関する取組として、現在指定されている各地の伝統芸能が次世代に継承されていくように、引き続き発表の場を設け、市民がそれに親しんでいただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。


(4)生涯学習に関する取組について
 市では、これまでも多様なイベントや市民講座を開催してきておりますが、今後も魅力的な事業等を開催することで生涯学習に親しむ市民の裾野を広げ、講座等の担い手となる市民の育成や支援にも取り組んでまいります。こうした活動を通じ、生きがいや多世代とのつながりを持ち、豊かな人生を送る市民が増えるよう、生涯学習の輪を広げてまいりたいと考えております。
 具体的な取組の前段で、現在、市民の多様なニーズを把握すべく、学習や講座に関するニーズ調査を行っておりますが、その結果を平成30年度の生涯学習事業計画に反映させ、市民の皆様の満足度はもちろん、各施設の利用率向上にもつながるよう努めてまいりたいと考えております。
 また、生涯学習施設の整備につきましては、庁内検討プロジェクトチームを設置し検討を始めているところでございます。今後は図書館や公民館などの施設利用者や有識者の意見を伺うほか、市民ニーズを十分に把握した中で、望ましい方向性を探ってまいりたいと考えております。
 そのほか、開館から3年目を迎えます胎内市美術館につきましては、本市及び近隣市町村にゆかりのある方々の作品を中心に、年4回の企画展を引き続き開催していくとともに、市民の皆様に何度でも気軽に作品を楽しんでいただけるよう、施設利用の年間パスポートを導入し、芸術に触れることができる機会を増やしていきたいと考えておりますことから、年間パスポートの導入につきまして本定例会に条例の改正を提案しているところでもございます。


(5)生涯スポーツに関する取組について
 スポーツをすることは、個人の楽しさや喜びという欲求を満たすだけでなく、心身の健全な発達、体力の増進、生活習慣病の予防、そして、その結果として健康寿命の延伸といった様々な効果が期待できるものでありますことから、市といたしましては、より多くの市民の皆様がスポーツに親しむきっかけや機会を創出しながら取り組んでまいりたいと思っております。
 具体的には、平成30年度から始まる「胎内市スポーツ推進計画」に沿って、これまでの取組に加え、普段の生活から気軽に運動を取り入れられる「ウォーキングキャンペーン」やスポーツの楽しさ、感動のワンシーンなどを共有する「スポーツ写真コンテスト」などを新たに実施したいと考えております。
 なお、事業の実施や各種の取組におきましては、市民、スポーツ関係団体、民間事業者等が一体となって推進できるように努め、市民がスポーツを「する」、「みる」、「ささえる」機会をつくり、スポーツそのものが身近にあるまちづくりを進めてまいりたいと思います。

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4  健やかで生きがいを持って暮らせるまちづくり

(1)健康づくりに関する取組について
 市といたしましては、少子高齢化や疾病構造の変化が進む中で、生活習慣の改善や社会環境の整備を通じて、全ての年代の市民が共に支え合いながら希望や生きがいを持ち、生涯にわたり、健やかに暮らせるまちを目指しております。
 その実践計画であります第2次健康増進計画「健康たいない21」、歯科保健計画及び食育推進計画等に沿いながら、引き続き疾病対策などの「病気を減らす」ための対策を講じるとともに、お一人お一人の生きがいや人との触れ合いを通じて「元気を増やす」取組を併せて進めてまいります。
 疾病予防におきましては、特定健康診査やがん検診の受診率向上に向けて、それらを同日に受診できるよう日程を組んでいくことや、健診の受付時間を早めるなど、より受診しやすい環境づくりを行うと同時に、引き続き未受診者への勧奨に取り組み、慢性腎臓病、糖尿病やがんなどの生活習慣病の予防対策を更に進めてまいります。
 そして、元気づくり対策につきましては、ほっとHOT・中条や、にこ楽・胎内を拠点として、市民協働の視点を大切にして、市民の交流や触れ合いを一層広げ、地域とのつながりを深め、身近な相談者となるなどの役割を担う元気ふれあい広め隊、食生活改善推進委員及び介護予防リーダー等、元気づくり対策の中心を担えるような人材を育成しながら、各種健康づくり事業に取り組んでまいります。

 

 

(2)医療体制づくりに関する取組について
 市民が医療サービスを将来にわたり安定的に受けられる体制づくりは、本市が進める住み慣れた地域で最期まで暮らすことができるまちづくりには必要不可欠であるとの認識のもと、市民のお一人お一人にかかりつけ医を持ってもらえるよう進めることと併せ、限られた医療・介護資源を有効に活用できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 このような中、在宅医療の充実と医療・介護の連携を深めるための取組の一環として、平成30年度から新たに新発田市、聖籠町、阿賀野市とともに、介護保険法に位置付けられております在宅医療・介護連携推進事業を開始したいと考えております。
 この事業の具体的な内容といたしましては、本年4月から新発田北蒲原医師会に、仮称「新発田地域在宅医療・介護連携推進センター」の設置を委託し、医療と介護の両面に長けているコーディネーター2人を配置して、医療と介護の両面で支援を必要とする方に関わる病院の医師、かかりつけ医及び訪問看護や各介護事業所との連携を進める上での調整役を担ってもらうほか、看取り支援の在宅医療の啓発活動と様々な課題の抽出や解決に向けた検討等を深めていこうとするものでございます。
 これまでは、各市町村が単独で行っていた取組を同一医療圏で共同実施することで、在宅医療の充実を図るとともに、適切な医療、介護サービスが切れ目なく円滑に提供されることが可能となります。

 
(3)国民健康保険事業について
 国民健康保険に係る財政運営は、急速な少子高齢化の進展や医療技術の高度化等により、極めて厳しい状況にございます。
 このような状況を踏まえ、ご承知のとおり、平成30年度からは、都道府県が財政運営の責任主体となり、市町村と共に国民健康保険の運営を担うという、制度の抜本的な改革が実施されます。
 まずは、この新制度が円滑に運営されるよう、県や国保連合会と連携して、健全な財政運営を目指して取り組んでまいりたいと思います。
 今般の制度改革に当たり、幸い国からの財政的な支援がなされる予定でありますことから、これに伴い、被保険者の保険料負担の軽減を図ることが可能になると試算されております。そのことを踏まえ、本市においても、国民健康保険財政や被保険者の状況等を勘案し、国民健康保険税の税率を引き下げたく、本定例会に関連条例の改正案を提案しているところでございます。
 また、国民健康保険財政を健全に運営するためのもう一つの視点として、疾病予防・健康づくり対策の取組が一層重要になるものと考えておりますことから、特定健康診査を始めとした各種検診を受診いただくことはもとより、日頃から、健康づくり活動に率先して取り組むなど、ご自身の健康意識を高く持っていただくことが、疾病予防として、何より効果的であろうと考えております。そのことから、新たな取組としまして、特定健康診査や人間ドックを受診され、かつ、一定期間、医療機関に受診することなく健康に過ごせた被保険者の方に、ささやかなプレゼントを用意し、それを健康増進のためのインセンティブとして推進したいと考えております。このことが、被保険者それぞれの健康増進活動の励みとなり、ひいては安定的な地域医療の確保や国民健康保険の健全な運営への一助となって貢献されることを期待しているところでございます。

 

(4)地域福祉施策について
 今年度を初年度とする第2期地域福祉計画の推進に向けて、各地区区長会及び民生児童委員協議会の協力を得ながら、胎内市社会福祉協議会と共に市内各地域で2巡目となる地域福祉懇談会を開催し、市民との対話を通じた中で、地域の取組に対するフォローアップ、現状や新たな課題の共有を行ってまいります。今後も、より多くの皆様と対話し、ご意見などをいただき、協力し合いながら、地域における支え合い活動の推進等に取り組んでまいりたいと思っております。

 

(5)高齢福祉施策について
 平成30年度につきましては、3年を1期として策定する胎内市介護保険事業計画の7期目の開始年度となります。
 日本の将来の高齢者人口は、団塊の世代が75歳以上になる2025年には、3,677万人に達し、高齢化率は30パーセントになると推計されております。胎内市におきましては、同年に高齢者人口が1万人を超え、高齢化率は38パーセントを大きく超えることが予想されています。
 このような社会背景のもと、本市におきましても、一人暮らし高齢者や認知症高齢者の増加が予想されておりますが、重度な要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、医療、介護、予防、住まい及び生活支援が包括的に確保される体制、いわゆる地域包括ケアシステムの構築を7期目の計画の基本方針に据え、市民、行政及び関係機関等が連携協働して、取り組んでまいりたいと考えております。
 この地域包括ケアシステムの一翼を担う地域支援事業につきましては、介護予防・日常生活支援総合事業が今年度からスタートしており、介護予防と自立した生活の継続を図るための支援を提供することを基本理念に、運動指導や口腔機能の向上、栄養改善を図るための介護予防教室の開催等に加えて、市内及び近隣の訪問介護事業所及び通所介護事業所においての専門職によるサービス提供のほか、市民が主体的に支援の担い手となり活躍している団体や地域における新たな活動組織を立ち上げ、介護予防と生活支援に資するサービスが円滑に利用できるようサービス資源の充実を図っているところでございます。今後も、引き続き市民参加型の支援体制の整備、充実に取り組むとともに、利用者の意向に沿い、心身の状態に適した医療や保健福祉サービスが身近な場所で切れ目なく受けられるように取組を拡充し、支援を受ける側も提供する側も互いに健康で活力ある日常生活を継続できるよう、関係機関や地域の皆様と共に推進してまいりたいと考えております。

 

(6)障がい福祉施策について
 現在、障がい者福祉に関するアンケート調査や地域自立支援協議会でいただいたご意見等を集約しながら、平成30年度を初年度とする「第3次障がい者計画」、「第5期障がい福祉計画」及び「第1期障がい児福祉計画」を策定しているところでございます。
 障がいのある方やその家族の心配ごとといたしまして、高齢になったときのことや緊急時の対応、その他多くの心配事が挙げられておりますことから、それらに対応するための必要な機能を備えた地域生活支援拠点の整備を始め、必要な支援や体制を整え、障がいのある方もない方も互いに支え合いながら地域で共に生活できるまちの実現に向けて、取り組んでまいりたいと思っております。
 

 

 

 5  人をひきつける活力のあるまちづくり

(1)農業振興に関する取組について
 
政府は、米政策改革として、農業者自らの経営判断により需要に応じた生産・販売を実現するため、平成30年産から生産数量目標の配分や米の直接支払交付金を廃止した上で、戦略作物に対する支援を引き続き実施していくこととしております。
 市では、主要作物である米の生産につきまして、胎内市農業再生協議会やJA胎内市などの関係団体と力を合わせ、需要に応じた多様な米生産に向け検討を重ねてきたところであり、その結果といたしまして、胎内市農業再生協議会において、生産現場の混乱を防ぐとともに、米価の安定化を図るため、これまでの生産数量目標に代わる目安数量を示したところであります。
 市といたしましては、今後も農業者が将来的な展望のもと意欲的に営農活動に取り組めるよう、市場での需要動向を捉えた米生産と麦、大豆、米粉用米や飼料用米などの需要のある戦略作物の生産拡大を推進するとともに、野菜等による複合経営など、地域の特色を活かした収益性の向上に向けた取組をJA胎内市などの関係団体と連携を密にしながら推進してまいります。
 次に、園芸の振興についてでありますが、ニンジン・大根・やわ肌ねぎなどを中心に、各品目の生産拡大及び収益性の向上による安定収入の確保に向けまして、JA胎内市と連携して支援するほか、葉たばこやチューリップの生産につきましても、関係団体と連携を図りながら推進してまいります。
 次に、特産品に関する取組についてでありますが、農業者、JA胎内市などの関係団体はもとより、本年4月に開校する新潟食料農業大学との連携も加えた中で十分に協議をし、意欲のある地域や農業者等が行う新たな加工品や特産品の開発、生産品の販売拡大に向けた情報発信力の強化など、6次産業化の取組に対する支援を行ってまいります。
 また、胎内高原ワインにつきましては、日本ワインコンクールにおける受賞を始め、数々の雑誌等に取り上げられ、非常に高い評価をいただいており、販売先につきましては、県内はもとより国内津々浦々に広がり、その販売数も順調に伸びてきているところでございます。ただ現状といたしまして、需要に対し生産量が足りていないことから、ワインの製造量を増やしていきたいと考えておりまして、原料を生産する新潟フルーツパーク株式会社との協議を進め、生産を増やすための経費に係る資金調達につきましてはクラウドファンディングなどの民間資金の活用を検討しながら進めてまいりたいと考えております。

 

 

(2)担い手育成・農業基盤整備について
 
高齢化の進展に伴い農業従事者が減少していく中で、持続的に農業が発展していくためには担い手の確保が重要でありますことから、引き続き新規就農者の確保に努めるとともに、農業経営の組織化に対する支援と農地中間管理機構の活用による農地の集積・集約を進めてまいります。
 また、力強く持続可能な農業構造の実現に向け、農業機械の導入や施設の整備に対する支援、基盤整備事業等につきましても、引き続き農業関係機関と連携しながら行ってまいります。

 

 

(3)企業誘致の推進について
 
今年度に新潟中条中核工業団地におきまして、初めて工業用水を利用する濾紙製造業の企業の進出が決定し、本年4月から本格的に工場の建設工事が開始される予定となっております。
 また、既存立地企業の中で増設を検討している企業や新たに進出を検討している複数の企業と折衝を進めておりまして、多数の雇用の確保と地域経済の活性化につながっていくものと期待しているところでございます。

 

 

(4)中小企業振興支援について
 
意欲ある事業者が地域をけん引する企業に成長できるよう、これまでの販路開拓の支援に加えまして、人材育成や人材確保、創業の支援やマーケティング補助など新たな支援策を創設し、総合的に支援してまいりたいと考えております。その中から、成功事例が生まれ、その結果を他の事業者に波及させることで地域全体の活力が高まることを期待し、これらの取組を通じて商店街の振興にもつなげていきたいと思っております。


(5)雇用対策について
 
地方創生の取組の一つとして平成28年から実施しております企業見学ツアーへの協力企業を増やすこと、そして、多くの県内外のUJIターン希望者に参加いただくことを始め、市民の皆様にも市内企業の魅力や技術力などにつきまして、継続的に情報発信してまいりたいと考えております。
 また、今年度から新発田市・聖籠町との定住自立圏の取組として、就学・地元定着支援事業や県内大学等とも連携したインターンシップ事業に取り組んでおりますことから、これらも有効活用した中で、市内就労につなげてまいりたいと考えております。

 

 

(6)観光・交流に関する取組について
 
本市は、多種多様で魅力的な観光スポットがあり、それらの地域資源を活かした観光振興は、まちづくりの重要な柱となっております。それらの観光スポットの更なる充実を図るべく、自然、歴史文化など点在する観光スポットをつなぎ、市全体として魅力ある観光地づくりを推進し誘客を図るため、着地型観光における体験型プランの開発はもとより、市民及び観光ボランティアの方々と共に、おもてなしの心で迎え、奥胎内エリアや胎内リゾートなどの自然、乙宝寺等の歴史・文化・物語などについて、胎内市を訪れる方々に伝えていきたいと考えております。
 また、現在も取り組んでおります、新発田市・聖籠町との定住自立圏推進協議会の広域観光PR事業につきましては、広域観光ルートを設定し、首都圏・関西圏等の大都市のほか、新潟空港定期路線のある中国、台湾及び韓国からの誘客を促進するため、旅行エージェントに向けてのモニターツアーなどを行っているところであり、今後も引き続き広域での誘客の促進につながるような取組を行ってまいりたいと考えております。 

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 6  まちの成長を支えるしなやかな基盤づくり

(1)自然環境の保全に関する取組について
 
松くい虫被害対策についてでありますが、海岸松林の松くい虫被害は、沈静化に向かっております。
 市といたしましては、引き続き、松くい虫被害の完全終息化に向け、薬剤散布と、伐倒駆除を計画的に実施してまいります。あわせて、既に松枯れが治まっている海岸保安林区域につきましては、県、企業及びボランティア団体等との連携を図りながら、計画的に補植や下草刈等の保育事業を進めてまいります。

 

 

(2)生活環境の維持に関する取組について
 
地域における人口減少や核家族化の進展もあいまって、近年、空き家等が年々増加傾向にあり、その中には、適正な管理がなされていないために、公衆衛生の悪化、景観の阻害など、多岐にわたる問題を生じさせ、ひいては地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしているものもあります。
 市におきましては、これまでも、地域の皆様から様々な相談をお受けし、倒壊の恐れがある危険空き家につきましては、行政代執行制度を活用するなど、必要な措置を講じてまいりました。しかしながら、今後、空き家等がもたらす諸問題は、ますます増加していくことが予想されますので、今年度中に、総合的かつ計画的な対応策を示した「空き家等対策計画」を策定すべく、有識者等で構成する空家対策協議会で協議を重ねてきているところでございます。
 個人の財産である空き家等を所有者自らの責任において適正に管理していただくことを基本としながら、関係機関や地域住民とが連携して諸課題の解決に向けて取り組むことができる仕組みを構築するとともに、引き続き適切に行政指導や処分措置を講じるなど、空き家等対策を着実に実行してまいります。

 

(3)居住環境に関する取組について
 
中条駅西口周辺整備事業についてでありますが、これまでに西口アクセス道路整備を先行して完了させ、駅舎・自由通路及び駅前広場の建設を進めてきております。
 駅舎及び自由通路につきましては、現段階で外壁工事までを終え、内部の工事に取りかかっており、本年7月中の使用開始を目指して工事を進めているところであります。
 なお、同時に進めております西口駅前広場の整備につきましては、駅舎の供用開始に合わせ暫定的に供用開始することを予定しておりまして、平成30年度中には、本事業の全工事を完了する予定といたしております。
 本事業の実施により新たな市の玄関口となる駅周辺では、民間事業者と連携したまちづくりがスタートするなど相乗効果が現れ始めており、公共交通の利用促進と周辺市街地、まちなかの活性化を目指し、地域との協働によるまちづくりを引き続き関係各位との連携を図りながら進めてまいりたいと思っております。
 そのほか、市道整備につきましては、通学路の安全確保対策として、西中央通り線の防護柵設置工事を実施するほか、24か所の工事を予定しており、市民の安全及び生活の向上に資する路線の整備に努めてまいります。
 また、水道事業及び簡易水道事業につきましても、横道地内ほか8地内の配水管整備工事を予定しておりますが、並槻浄水場無停電電源装置及び鼓岡浄水場ポンプ設備の改良工事等を実施しながら、水道施設の維持管理を行い、より安全・安心な水道の安定供給に努めてまいりたいと考えております。


(4)防災に関する取組について
 
新潟県消防大会が本年7月に当市産業文化会館及びぷれすぽ胎内で開催される予定となっておりまして、県内の消防関係者約2,000人の参加が見込まれております。この大会におきまして、県内消防団の団結力の強化、団員の操法技術の向上や士気の高揚が図られるとともに、市民の皆様の防火・防災に対する意識の高まりも期待されておりますので、所期の目的が達成できるよう、開催地として入念な準備を進めてまいりたいと考えております。
 併せまして、防災士と自主防災組織等との連携を強化し、それぞれの地域の実情に適した地域防災体制を構築すること、更には、「共助」の力を向上させるために、自治会、自主防災組織、事業所、福祉団体等の連携も強化し、災害時に互いに助け合うネットワークを構築することによりまして、市全体の防災力の底上げを図ってまいりたいと考えております。
 また、昨年、新潟県が日本海側で巨大地震が起こった場合の県内の新たな津波浸水想定を公表したことなどを受けまして、防災ガイドブックの見直しを行い、改訂版を全戸に配付する予定でございます。そのほかにも、近年、大規模な自然災害が頻発していることや北朝鮮からミサイルが発射されている状況に鑑み、全国瞬時警報システム、いわゆる「Jアラート」を新型受信機に更新することで、より迅速な災害情報の伝達を行えるようにするなど防災・減災に向けた取組を推進していかなければならないと思っております。

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 7  地域の魅力の向上や定住の促進に関する取組

(1)地域おこしに関する取組について
 
平成28年度から地域おこし協力隊制度を活用し、同年度は鍬江と坂井の両集落に、1名ずつ隊員を招致したところでございます。
 これらの集落・地区で、事前に行った集落点検でのアンケート調査やワークショップにおいて寄せられた思いや意見等を踏まえ、「地域の誇りの醸成」と「地域資源を活用した新たな価値の創出」を主眼として様々な取組を行い、総合的な地域力の維持強化の面で一定の成果を上げてまいりました。
 今年度は鼓岡・熱田坂・宮久集落で構成される鹿ノ俣地区に1名を招致したところであり、平成30年度におきましては地域の要望に基づき、新規就農者として坂井集落にもう1名、大長谷集落に新たに1名を招致すべく準備を進めているところであります。
 これらの取組により市内の各地域が活気づくことが、そしてひいては市全体の活性化につながるものと考えておりますことから、これまでの取組をモデルケースとして捉え、今後更に発展をするよう期待を寄せるものでございます。

 

 

(2)洋上風力発電導入の推進について
 
先の第4回定例会の一般質問でお答えしているとおり、現在、庁内にプロジェクトチームを設置し、導入決断の前提となります諸条件につきまして、調査、検討しているところであります。
 平成30年度におきましても、国・県はもとより、風力発電推進を掲げる諸団体等とも連携を深めながら、引き続き発電事業者進出に資する適地としての諸条件整備に取り組んでまいりたいと思っております。
 そして、議員の皆様へ進捗状況などを報告し、ご意見なども賜りながら進めるとともに、一般海域の利用に関するルールや系統連系に係る課題解決の推移を注視しながら、市民の皆様にも何らかの説明等をなし得るための事業の構想や概要等を今後整えてまいりたいと思います。

 

(3)お試し移住体験制度及び奨学金返還の支援について
 
これは試行的ながら人口減少対策の一環として実施するものでございます。
 当該制度は、本市に移住を検討している方に対して、一時的に居住する機会を提供して、本市の風土や日常生活の体験等をしてもらうことで、本市への移住を促進すること、そして、市の活性化を図ることを目的に行うものでございます。現在、移住体験住宅の改修やその施設の管理運営に関して地域の方と話合いを進めているところであり、本年4月から移住体験の希望者を募ることにしております。
 そして、奨学金返還の支援につきましては、大学等において奨学金の貸与を受けていた方が、卒業後本市に居住し、市内の事業所等で3年以上就業した場合において、その後の5年間、奨学金返還に対して支援を行ってまいりたいと考えるものでございます。将来的に若者の地元定着と市内への就職を促進させ、次代を担う人材を確保していくことにつなげてまいりたいと考えるところでございます。なお、この取組につきましては、企業版ふるさと納税を活用して行いたいと考えておりまして、先月国に地域再生計画の認定申請を行っておりますし、本定例会に基金設置条例の制定についても提案しているところでございますので、全ての準備を整えた上で、平成30年度から支援の対象となる候補者を募っていく予定といたしております。
 これらの取組を通じて、本市へ移住する方や定住される方が増え、少しでも人口減少が緩和されることを期待しているところでございます。

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お問い合わせ

総合政策課企画政策係

新潟県胎内市新和町2番10号

電話番号:0254-43-6111

kikaku@city.tainai.lg.jp