自然が活きる、人が輝く、交流のまち“胎内”
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更新日:2021年4月1日
便宜上、見出しを付けています。
1 はじめに
2 市民と行政の協働によるまちづくり
3 子どもの成長、豊かな心と生きる力を育むまちづくり
4 健やかで生きがいを持って暮らせるまちづくり
5 人をひきつける活力のあるまちづくり
6 まちの成長を支えるしなやかな基盤づくり
7 地域の魅力の向上や定住の促進に関する取組
申すまでもなく、少子高齢化と人口減少は、全国全てと言っても過言ではない地域に共通する課題となっております。
そのような背景の中、本市が末永く持続可能であることを根底に置きつつ、市民の暮らしに安心感があり、併せて、地域の活性化が図られていくことを願いながら、活力あるまちづくりを行い、それを次世代にしっかりと引き継いでいきたいと考える次第でございます。
(1)市民協働
市民協働によるまちづくりは、人口減少社会に起因して地域資源が減少傾向にある中で生じる様々な問題や課題を克服し、持続可能な地域社会を実現していくために必要不可欠でございます。
そのために、本格的に市民協働の契機となる話合いの場として、自治会・集落や各種団体を対象とした座談会を今年度から本格的に開催してまいりました。
話合いのテーマ・内容といたしましては、地域福祉、生活環境、防犯対策、公共交通、観光、農業の後継者問題など、多岐にわたっておりまして、当然ながら一回の話合いですぐに解決策を見出すことがかないませんが、今後も、市民の皆様と行政が様々な施策について意見交換を重ね、諸課題の解決や魅力ある地域づくりを行うべく、引き続き座談会を開催してまいります。
また、これまでの座談会において、自治会・集落の方から「災害時における支え合いマップの作成」等の先進的な取組を紹介していただくなど、行政として参考になることはもちろん、他の自治会・集落にも紹介したい事例もございましたので、それらを共有できるような機会をつくり、市民協働を深化させてまいりたいと考えております。
(2)行財政運営
行政改革につきましては、平成29年に策定した行政改革大綱に基づく実施計画に沿って取組を進めてまいりますが、その進捗は計画通りとなっているか、方向性に修正すべき点はないかなどを、市民委員で構成する「行政改革推進委員会」で調査審議していただくことを予定しております。
また、財政運営につきましては、厳しい財政事情に対応すべく、今後においても必要な見直しを行うとともに、財源確保の観点から利用予定のない資産の売却や将来の財源確保につながるような取組も併せて進めてまいりたいと考えております。
(1)子育て支援・少子化対策
今年度から設置した子育て世代包括支援センター「すくすく」では、妊娠期から子育て期までの様々な問題に対し、継続して対応できる体制を整え、関係機関と連携しながら取組を行っております。
平成31年度は新たな取組として、出産された方が、退院後の体調や生活に不安が強い場合などに、引き続き数日間、産科医療機関に宿泊してケアを受けられる「産後ケア事業」を開始いたします。
また、国では、3歳児から5歳児までの全ての子ども及び住民税非課税世帯の0歳児から2歳児までの子どもを対象として、本年10月から幼児教育・保育の無償化を開始することを計画していますが、この無償化の対象となる事業につきましては、保育園や認定こども園での保育・幼児教育のほか、一時預かり、ファミリー・サポート・センター、病児・病後児保育についても対象とする計画でありますことから、受入れに支障をきたすことがないよう人材確保等の体制をしっかり整えてまいりたいと思います。
そして、保護者から求められる子育て支援策が多様化してきている中、市では、小学生までの子育て世帯を対象として、今年度実施しましたニーズ調査の結果を踏まえ、子育て支援に関する基本的な方向性や支援施策の提供体制などを示した「第2次胎内市子ども・子育て支援事業計画」を平成31年度末までに策定し、その計画に沿って様々な子育て支援事業を展開してまいります。
このほか、3歳未満児に対し保育を希望する割合が多いことや幼児教育及び保育に対する国からの財政支援が限られてきていることを踏まえ、「保育施設等適正配置問題審議会」で、市全体の公立認定こども園及び保育園の施設配置等について検討し、今後の再編計画の策定に向けた準備を行ってまいります。
(2)子どもの教育
初めに、「地域とともに歩む学校」を目指して導入を進めておりますコミュニティ・スクールについてでありますが、昨年4月から本格的に運営をスタートした黒川小学校に続き、平成31年度は、築地小学校、築地中学校及び黒川中学校でも、コミュニティ・スクールが立ち上がる予定であり、2020年度からは市内全ての小中学校でのコミュニティ・スクールが実践できるよう引き続き調査・研究に取り組んでまいります。
また、全国的に少子化による影響を受け、学校規模の適正化が大きなテーマとなっておりますが、本市においても児童生徒の減少により、更なる学校の小規模化と学年・学級の少人数化の進行が懸念されているところでございます。そのような現状を踏まえ、きめ細かな指導により児童生徒一人一人の可能性を伸ばすとともに、一定の集団の中で、変化の激しい世の中をたくましく生き抜く資質や能力を育成する学校づくりの方向性を示すことが、行政の責務でもありますことから、これからの小中学校の在り方についての検討を更に深めていかなければならないものと考えております。具体的には、同じ敷地内に小学校と中学校を併設させる小中一貫型教育の検討を深めたり、市内全小中学生の積極的な交流を図ったりなどしながら、全市的な社会性育成の取組の推進にも一層努めてまいりたいと考えております。
そのほか、中条小学校の老朽化対策といたしましては、長寿命化改良を想定しております北校舎について耐力度調査を実施し、南校舎の改築とともに整備計画を策定してまいりたいと考えております。
加えて、市内小中学校で特別な支援を要する児童生徒が増えてきておりますことから、個々に応じたきめ細やかな対応ができるよう、引き続き学習補助員や介助員の適切な配置に努めるとともに、B&G財団の助成を受け取組を進めている、様々な課題を抱える子どもたちを支援する拠点「第三の居場所」を本年4月から開設し、学習支援など総合的なサポート活動を行ってまいります。
(3)郷土の歴史・文化
まず、今月、国史跡に指定される見込みの城の山古墳についてでありますが、今後の史跡整備事業着手に必要とされる整備・活用計画を、史跡整備検討委員会を始め、地権者や地元の皆様から意見を頂戴した中で、策定いたします。
また、国史跡の指定を記念したシンポジウムの開催なども考えているところでございますが、その際には、昨年度から今年度にかけて製作いたしました城の山古墳の出土品の復元品である大刀・剣・弓矢・銅鏡等も公開展示して、多くの市民の皆様に郷土の歴史に触れるとともに、古代のロマンを感じていただきたいと思っているところでございます。
なお、これら復元品につきましては、学校の出前授業等においても積極的に活用し、胎内市の未来を担う子どもたちに郷土の歴史について学ぶ機会を設けていきたいと考えております。
また、文化芸術の分野におきましては、本年9月に「第34回国民文化祭・にいがた2019」及び「第19回全国障害者芸術・文化祭にいがた大会」と題した国内最大の文化の祭典が新潟県で初めて開催されることとなっておりますが、この祭典期間中に市では、イベントの一環として「胎内アートフェスティバル」と題して、胎内市美術館で桃崎浜文化財収蔵庫の北前船に関する作品を中心に県内の船絵馬の展示を行うとともに、本市で晩年を過ごした最後の瞽女・小林ハルさんに関連した企画展を行い、本市を始め、県内の文化芸術を全国に向けPRしたいと考えております。
(4)文化教養施設整備の検討
昨年度から市職員によるプロジェクトを既に立ち上げ議論を重ねてきたところでございまして、今後は、その意見を踏まえながら次のステップへと進めるため、市民からも意見を求めるための新たな検討委員会等を立ち上げ、施設の構想や概要についての検討を深めてまいります。
実際に市民の皆様が求めるものが図書館なのか、公民館なのか、あるいは、その2つを併せた機能をもつ施設なのか。あるいは、もっと別の機能を有したそのほかの施設なのかなど、財政的なこともございますので、いつ実現できるかについて確定的ではございませんけれども、将来に向け、総合的、多角的に、本当に必要とされる施設について検討を深め、そのビジョンを作りあげていきたいと考えております。
(5)生涯学習
生涯学習事業計画に基づき、今後も地域の実情やニーズに応じたイベントや市民講座を更に充実させていくことで生涯学習に親しむ市民の裾野を広げられるよう取り組んでまいりたいと思っておりまして、活動団体の交流促進、情報提供等を支援することで、活動に取り組みやすい環境づくりと自主的な活動の支援も併せて行ってまいります。こうした活動を通じ、生きがいや多世代とのつながりを持ち、豊かな人生を送る市民が増えるよう、生涯学習の輪を広げてまいりたいと思います。
(6)生涯スポーツ
昨年度に実施したアンケート調査によりますと、スポーツをするまとまった時間が確保できない市民が多い傾向にありますことから、例えば徒歩による通勤や仕事の休憩時間に行う筋力トレーニングなど普段の生活の中に運動を取り入れることを推奨しつつ、これまで以上にぷれすぽ胎内のランニングレーンやトレーニングルームの利用促進に資する方策を検討してまいりたいと思います。
なお、ぷれすぽ胎内や総合グラウンドの諸施設を含む14のスポーツ施設では、平成31年度から「NPO法人スポーツクラブたいない」が指定管理者として運営管理することになりますが、市民がスポーツを楽しく取り組めるような事業を展開することを期待しているところでございます。
また、来年開催予定の東京オリンピック・パラリンピック競技大会や市内のジュニアアスリート等の活躍により、市民のスポーツへの関心が高まりつつある中、たいない高原マラソンなどのイベント等を通じてスポーツ参画人口の一層の拡大を目指し、スポーツが身近にあるまちづくりを進めてまいります。
(1)健康づくり
市では、全ての年代の市民が共に支え合いながら希望や生きがいを持ち、生涯にわたり、健やかに暮らせるまちを目指しており、「疾病予防」と「元気づくり」の2軸で総合的な健康づくりを進めることとしております。
疾病予防につきましては、積極的に特定健診やがん検診、成人歯科健診の受診率向上に努め、糖尿病や慢性腎臓病、がん、歯周病などの生活習慣病予防対策を強化してまいります。
また、元気づくり対策につきましては、市民協働の視点を大切にし、市民の交流や触れ合いを一層広げ、地域の健康づくりを推進する人材を育成しながら、各種健康づくり事業に取り組んでまいります。
(2)国民健康保険事業
今年度から始めました、「健康インセンティブ事業」につきましては、特定健康診査やがん検診などを受診し、かつ、1年間医療機関を受診しなかった方を対象に、日頃の健康づくりの励みとしていただけるよう記念品を贈ることとし、今年度は88名の方に贈呈をいたしたところでございます。記念品を受け取られた方からは、喜びとともに、「今後も健康の維持増進に取り組みたい。」とのお声を頂戴しております。なお、平成31年度以降も引き続きこの事業を実施し、市民の健康増進に対する取組を後押ししたいと考えております。
また、生活習慣病予防に関する取組といたしましては、人間ドックの対象年齢となる35歳の被保険者の皆様に対し、受診の「きっかけ」となるメッセージを発信したいと考えております。これにより、早い時期から特定健康診査の必要性や人間ドック等の費用助成に関する制度をご理解いただき、将来にわたって継続的に受診していただけるよう取り組んでまいります。
更には、新潟県国民健康保険団体連合会において医療費分析に係るシステムが構築されたことにより、平成31年度から医療データと特定健康診査データのマッチングが可能となりますことから、被保険者の受診・健康診査情報を分析し、疾病リスクが高まるおそれのある方や医療機関に受診する必要があるものの受診していない方に積極的に関わりを持つことで、疾病予防及び重症化予防を推進してまいります。
(3)医療体制づくり
市民の生活を支える身近な医療を守ることは、本市が進める住み慣れた地域で最期まで暮らすことができるまちづくりを推進する上で欠かすことのできないものであり、かかりつけ医を持つことや地域の限られた医療・介護資源を有効活用することの重要性が増してきていると感じております。
このような中、在宅医療の充実と医療と介護の連携を深めるための取組といたしまして、医療・介護に携わる様々な職種の方が連携するために行う協働研修会の開催、地域の医療・介護サービス資源の実態把握、市民を対象とした看取り講演会等を新発田北蒲原医師会や近隣市町と緊密に連携しながら実施し、終末期医療のあり様についても話し合える場を設けていきたいと考えております。これにより、適切な医療、介護サービスが切れ間なく円滑に提供できる体制を整えてまいりたいと思うところでございます。
(4)地域福祉施策
本市における地域支え合い活動は平成24年以来、多くの自治会等に取り組んでいただき、住民同士で助け合う互助の仕組みが一定の広がりを見せてきており、立ち上げ期から成熟期へ移行する段階と捉えているところでございます。このことを踏まえつつ、平成31年度は、共に生きる社会づくりを目指すための理念と仕組みを示す「第3期地域福祉計画」の策定年に当たりますが、胎内市社会福祉協議会が主体となって、地域福祉活動の具体的な内容を定める「第4次地域福祉活動計画」と一体化した計画にすべく連携を更に強めて推進を図りたいと思っております。
このほか、国は、高齢者、障害者、子どもなど全ての人々が地域、暮らし、生きがいを共に創り、高め合う「地域共生社会構想」を打ち出しておりますが、市といたしましても、これに合わせて公的支援を「縦割り」から「丸ごと」へ転換していくと同時に、地域のあらゆる資源を活用し、困難を持つあらゆる方を地域で支えていく仕組みを構築する必要があると考えております。
少子高齢化の進展、地域社会や家族構成の変化等を背景に、地域における課題が多様化・複雑化する中、高齢者や障がい者、生活困窮者からの相談を始め、引きこもりや虐待等の相談が増加傾向にございます。そのことを踏まえ、相談支援体制の充実を図る取組といたしまして、平成31年度から新たに包括的な相談支援を担う「福祉まるごと相談窓口」を市役所内に開設し、生活上の様々な問題や困りごとを抱える方々から相談を市職員が受け、その人に適した支援を関係する機関につなぐことと合わせて、地域住民による支援の充実が図られるよう地域に働きかけを行い、早期対応と早期解決につながるよう、自助、互助、共助、公助をつなぎ合わせられる切れ目のない支援の実現を目指してまいりたいと思っております。
(5)高齢福祉施策
本市の高齢化率は、ここ数年34パーセントを超えて、これから先も高齢化が更に進展すると見込まれております。このような背景の中、単身世帯や高齢者のみの世帯も増加傾向にありますことから、真に必要な方に必要なサービスが過不足なく行き届き、住む人が安心して快適に暮らせるよう、「第7期介護保険事業計画」の基本方針である地域包括ケアシステムの構築実現に向け、市民及び行政、関連機関が連携協働して取り組んでまいりたいと考えております。
その具体的な取組といたしましては、加齢による身体機能の低下や外出機会の減少等を要因として、自立した生活が困難となる高齢者が増えつつある状況を踏まえ、身近な地域で、住民が主体となり、定期的に無理なくできる運動を取り入れた「通いの場」を更に増やしていくことを考えております。
また、生活支援といたしまして、身体機能が低下している高齢者世帯で問題となりやすい買い物支援について、NPO法人や地域の協力を得て、新たなサービスの創出や既に地域にあるサービスの情報集約及び市民への情報提供に取り組んでまいります。
そして、認知症の方に優しい地域づくりの取組といたしましては、専門医などをメンバーとする初期集中支援チームによる早期診断・早期対応に向けた支援や認知症カフェ等の開催を通じて、認知症の方とその家族を支援することと合わせ、市民を対象とした認知症講演会や認知症サポーター養成講座、街歩き声かけ見守り模擬訓練を関係機関と連携しながら実施することで、認知症に対する正しい理解と地域の見守り体制の充実を図り、認知症の方々が地域で安心して暮らせるよう取り組んでまいります。
(6)障がい福祉施策
現在、障がいのある方の重度化・高齢化や親亡き後を見据えた支援が必要となっておりますことから、それに対応するための必要な機能を備えた地域生活支援拠点等の整備と相談支援の中核的な役割を担う基幹相談支援センターの設置について、引き続き、障害者団体を始め、各種団体等の関係者で組織されている「地域自立支援協議会」の意見を聴きながら、具体的な推進方策を定めてまいりたいと思っております。
そして、障がいなどで困っている方が周りに支援を求めるためのヘルプカードにつきましては、県が今年度内に導入することとなっておりますことから、市といたしましてはそれに協力・連携し、導入後は速やかに配布できるよう準備を進めてまいります。
(1)農業振興
国における米政策においては一人当たりの消費量と人口減少を勘案し、更に需要が減少する見通しであることの発表がなされておりますが、市といたしましては、需要に応じた生産により米価の安定を図り、農業者が将来的な展望のもと意欲をもって営農活動に取り組んでいただけるよう、JA胎内市と連携し、主食用米においては、「つきあかり」や「ゆきん子舞」などの多収性品種による需要ある業務用米への誘導を図りながら、麦、大豆などの戦略作物や米粉用米、加工用米、輸出用米などの水田活用米穀、水田への玉ねぎ、キャベツ等の高収益作物の導入により、水田のフル活用を進め、農業経営の安定と水田農業全体の所得向上を図ってまいります。
一方、園芸につきましては、砂丘畑において、ニンジン・大根・やわ肌ねぎなどを中心に各品目の生産拡大と「べにはるか」のブランド化を促進させるとともに、葉たばこやチューリップ栽培に関しましても関係団体と連携を図りながら支援をしてまいります。
昨年は、新潟食料農業大学、JA胎内市及び市の3者による連携協定を締結いたしましたことから、地域の特色を活かした所得向上への取組などを農業者や関係団体と連携を密にしながら進めてまいりたいと思っております。平成31年度は、4月に宇都宮大学から花きを専門とする先生が同大学に着任されるとのことですので、チューリップ生産の再興等に関して連携できないか協議を進めてまいりたいと思っております。
次に、胎内高原ワインに関する取組につきましては、現在、需要に対し生産量が足りていない状況にありますことから、ワインの増産を図るべく、原料となる加工用ブドウの増産について検討を進めてまいりましたが、これまで困難でありました苗木の入手が2020年春に可能となる目途が立ちましたことから、遊休畑の活用と資金調達手法の一つであるクラウドファンディングの活用について新潟フルーツパーク株式会社と協議を進めてまいります。
次に、担い手育成及び農業基盤整備につきましては、農業従事者が減少していく中で、持続的に農業が発展していくためにはこれを支える担い手の確保が重要となりますことから、引き続き、新規就農による担い手確保や農業生産法人の設立などの農業経営の組織化を支援するとともに、農地中間管理機構を通じた担い手への農地集積を推進してまいります。
このほか、ほ場整備事業につきましては、平成31年度は須巻地区及び苔実地区での整備を予定しておりますので、県及び土地改良区と連携して、引き続き推進してまいりたいと考えております。
(2)企業誘致と中小企業振興支援
新潟中条中核工業団地において、昨年3月に株式会社ナカショクが進出し、4月には株式会社タイナイが事業拡張のために隣接区画を取得、12月には寒川運送株式会社の進出が決定するなど、順調に推移しておりますことから、地域経済の活性化と多くの雇用を期待しているところでございまして、今後も引き続き企業誘致活動を加速してまいりたいと思っております。
次に、中小企業振興支援につきましては、地域をけん引する企業が増えるよう、「胎内市中小企業・小規模企業振興基本計画」に基づき、起業・創業、人材育成、販路開拓支援などのメニューをそろえた中小企業等支援事業により、地元企業の意欲ある取組を支援し、地域経済の活性化につなげてまいりたいと考えております。
(3)雇用対策
市内企業と求職者のマッチングを進める企業見学ツアーを継続するほか、平成31年度から地域産業コースが新設される中条高等学校と連携してインターンシップ事業を実施するなど、定住自立圏内での就職と地元企業の人材確保に向けた取組を推進してまいります。
(4)観光・交流
本市の魅力を最大限に活用し交流人口の拡大を図るためには、地域資源を活かした観光振興が、まちづくりの重要な柱になるものと思っております。
この地域資源の更なる拡充を図るべく、現在策定中の「第2次胎内市観光振興ビジョン」においては、本市の魅力である自然や歴史文化などを活かしたプログラムの創出や、既存施設の充実・活用、市内の回遊性の向上、市民の観光への理解と参画を促進することなどを重点戦略に掲げて推進してまいります。
その中でも、新たな観光プログラムとして、奥胎内エリアにあるブナの巨樹への、案内看板の設置や散策マップの作成、周遊コースの整備などを行うほか、本年4月から本格運用が開始される奥胎内ダムを新たな観光資源として有効活用できるよう、定期的なダムツアーなどを開催し、多くの方々に奥胎内の魅力を知っていただけるよう更なる情報発信を行ってまいりたいと考えているところでございます。
更には、身近な地域の宝である、日本一小さな山脈として知られる「櫛形山脈」について、市民を始め、多くの皆様に親しんでいただけるよう、新緑や紅葉の季節を中心に、櫛形山脈の自然や歴史に精通した方をガイドとしたツアーを計画するなど、地域資源の更なる活用を図ってまいりたいと考えております。
また、以前から課題となっておりました、観光エリアを結ぶ二次交通につきましては、中条駅から本町などのまちなかを通り、ロイヤル胎内パークホテルや乙宝寺を周遊するバスを試験的に運行させ、お客様のニーズを確認しながら、本市の更なる魅力の磨き上げを行ってまいりたいと考えております。
加えて、定住自立圏推進協議会の広域観光PR事業におきまして、広域観光ルートを設定し、首都圏や関西圏等の大都市のほか、新潟空港の定期路線である中国、台湾、韓国からの誘客を促進するなど、今後も引き続き、広域での観光振興に取り組んでまいります。
(1)松くい虫対策
海岸松林の松くい虫被害は、徐々に沈静化に向かってきております。
市といたしましては、松くい虫被害の完全な終息に向け、引き続き、薬剤散布と伐倒駆除を計画的に実施していくほか、既に松枯れが治まっている海岸保安林区域につきましては、県、企業及びボランティア団体等と連携を図りながら、計画的に松や常緑広葉樹の植栽・下草刈等の保育事業を進めてまいります。
(2)地球温暖化対策
近年、様々な異常気象に表れているように、地球温暖化に起因する気候変動の影響が、今後更に深刻化されることが心配されるところとなっております。
ご承知のとおり、昨年の夏は、記録的な猛暑に見舞われ、熱中症弱者と言われる高齢の方などにとっては、身体的にかなりの負担であったことと思います。
そこで、平成31年度につきましては、高齢者世帯の方々にゴーヤの苗を配布することで、省エネルギーと夏の暑さ対策ともなる、人や環境にやさしい緑のカーテンの普及事業に取り組んでまいります。緑のカーテンはささやかながら家庭でできる温暖化防止対策であり、日差しを和らげ、室内の温度上昇を抑える効果が期待できます。身近な暮らしの中で緑のカーテンを取り入れることは、身体的負担の軽減はもとより、環境問題に対する関心が高まり、地球温暖化抑制の意識啓発にもつながるものと思っております。
(3)空き家対策
平成31年度におきましては、宅地建物取引業者等の民間事業者との間で空き家等に関する所有者情報の共有化を図ることにより、その流通を促進するなど官民連携のもと、空き家等の利活用を進めてまいります。
一方、環境面や防災面で問題のある老朽危険家屋等につきましては、固定資産税の減免制度を創設し、その除却を促したいと考えておりまして、本定例会でその条例を提案させていただいているところでございます。
いずれにいたしましても、昨年策定した「空き家等対策計画」に基づき、総合的かつ計画的に対策を講じてまいりたいと思っております。
(4)地域交通
仮称・胎内スマートインターチェンジの設置につきましては、昨年8月に事業化が決定してから新潟国道事務所、NEXCO東日本等の関係機関と協議・調整を進めているところでございます。
平成31年度からは詳細設計が始まる予定となっておりますので、2022年度中の竣工を目指し、用地の地権者を始め、地域の皆様の理解と協力が得られるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、市道整備につきましては、引き続き市民の安全及び生活の向上に資するよう、西中央通り線の防護柵設置工事のほか18か所の工事を予定しているところでございます。
(5)防災
昨年、消防水利から防火対象物に至る距離の再調査を行った結果、22か所において基準を満たしていないことが判明いたしました。今後、計画的に消火栓等を整備してまいりますが、平成31年度におきましては、中条地区3か所において地上式消火栓を設置し、消防水利の確保を行うことといたしております。
また、市民の防災意識の向上を図るとともに、共助の力を向上させるため、今月14日に自治会・集落に対して「災害時に要支援者を支えるための個別行動計画策定におけるガイドライン」の配付をいたしましたので、まずはそれぞれの自治会・集落ごとにその計画を策定していただきたいと思っております。市では、この計画策定が進む中で、地域の実情に適した地域防災体制の構築、防災士と自主防災組織等との連携強化、更には、事業所、福祉団体等の連携も視野に入れるなど、市全体の防災力の底上げにつながる取組を進めてまいりたいと考えております。
(1)地域おこし
地域活性化の大役を果たしている地域おこし協力隊につきましては、現在、5人の隊員が坂井集落、鹿ノ俣地区、大長谷集落、鍬江集落で活動をいたしております。
その中で、坂井集落で活動していた隊員1名がこの3月で3年間の任期を終え退任することとなります。当市で初めて受け入れた隊員であり、献身的に地域の農産物のPRや販売、集落行事の再興に取り組み、成果を上げてきた労苦を労うとともに、感謝いたしたいと思っているところでございます。
平成31年度は引き続き4名の隊員が持てる力を発揮しながら中山間地域の集落での活動をして行く予定でございます。
また、地域おこし協力隊のコーディネートにより新潟食料農業大学等の大学生が中山間地の集落に入って農作業の体験や集落行事への参加なども行っており、交流人口を増やす取組も進めております。
また、現在、他の集落や自治会からも地域おこし協力隊誘致の相談がありますので、地域の皆様のご希望に添えるよう調整をしながら進めてまいりたいと考えております。
(2)洋上風力発電導入推進
昨年の11月に、一般海域における占用のルールを定める、「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」が成立し、今後、国におきまして、長期間の占用許可や発電事業を認定するための前提条件となります促進区域を指定していくことになっております。
この促進区域に指定されることにより、一般海域において安定的に発電事業を行うことができるようになりますことから、市といたしましても、胎内市沖に発電事業者が進出できるよう、促進区域の指定に向けて、より一層、国、県等とも連携を深めていくとともに、引き続き、系統連携に係る課題解決の推移など洋上風力を取り巻く情勢にも注視しながら、発電事業者の進出意向に応じ得る適地としての諸条件整備に取り組んでまいりたいと思っております。
発電事業者における事業の構想や概要などをお示しできる状況に至った場合には、議員の皆様や市民の皆様に説明等を行ってまいりたいと考えているところでございます。
(3)移住定住支援
本市の人口の社会減少は改善の傾向がみられるもののまだまだ転出が多い状況でありますことから、引き続き移住者の増加に向けた取組を進めていかなければならないと考えております。そこで、事業の検証を踏まえた上で、昨年度に引き続き、お試し移住体験制度や奨学金返還支援を試行的に行いつつ、新たに首都圏からの移住者増加に向けた取組を県とも連携した中で、国の地方創生推進交付金を活用して開始をしたいと考えております。
この取組は、首都圏等に一定期間居住している方がIターン等で中小企業に就業し定住する場合に、移住支援金を支給するものであり、移住者の増加と就業者の確保につながることを期待しているところであります。
このほか、移住の前段にある交流人口・関係人口の増加にも力を入れてまいりたいと考えておりまして、昨年12月に本市出身者や市を応援したい方々で構成する「たいないサポーターズクラブ」を設立いたしました。この会の趣旨に賛同し参画していただける方を増やすことを始め、メールマガジンやイベントなどを通じて、市にゆかりのある方々とのネットワークの更なる拡大を図ってまいりたいと考えております。
お問い合わせ
総合政策課企画政策係
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