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新潟県 胎内市

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更新日:2021年3月18日

令和3年第1回胎内市議会定例会

令和3年度の施政方針(全文)

便宜上、見出しを付けています。

1 はじめに
2 子育てと教育
3 高齢化する社会への対応
4 洋上風力発電事業等の取組
5 産業振興
6 文化・芸術の振興
7 市民協働
8 新型コロナウイルス感染症の収束に向けた取組
 

1  はじめに

 改めて申すまでもなく、昨年から世界中がコロナ禍に覆われ、未だに収束が見通せない状況となっていますが、待望の新型コロナウイルスワクチンが開発され、暗闇の中でかすかな光明を見出せそうな期待感が膨らみつつある最近の状況がございます。

 当市としてもできる限りの感染予防とともに、事業者の方を含む市民の生活をしっかりとサポートし、それを収束に至るまで継続してまいりたいと思っております。
 そのことを喫緊の課題としつつも、長い時間軸の中で、本市が末永く持続可能であることを願い、これから先の未来が明るく希望の持てる時代になるよう、令和3年度に進めていきたいと考える施策の大要を7つの項目としてお示ししながら説明申し上げたいと思います。

 

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2  子育てと教育

 全国的に少子高齢化が進む中、未来を担う子どもたちの健やかな成長のための環境を整えることは、大変重要であると考えております。
 まずは、子育てに関して、就学前の子どもの健やかな成長に資するため、市全体のこども園及び保育園の施設配置等について再編を含めてこれまで検討してまいりましたが、4月からは公立の日の出保育園の運営を民間の事業者に委ね、新たな保育体制となります。
 これにより、保育ニーズへの対応がより柔軟かつ迅速にできることで保育サービスの充実が見込まれる等、安心・安全な保育環境を提供することも期待されますが、今後も市内全ての園を対象に、望ましい保育環境の充実を目指して検討を行ってまいります。
 次に、教育に関しては、将来にわたる児童生徒数の減少に対応した、学校の再編にもつながる小中学校の在り方について、十分な検討を行い、市としての方針を示していかなければならない時期に来ておりますので、教育委員会では、昨年12月に、保護者、区長、学校関係者、学識経験者等を委員とする「胎内市立小中学校の適正規模等に関する検討委員会」を新たに設置し、適正規模等の基本的な考え方及びその実現に向けた方策について諮問したところであります。
 今後は、約2か月に1回の頻度で検討委員会が開催される予定でありまして、幅広い意見をいただきながら、深みのある議論が行われることを期待しております。そして、検討委員会での議論を踏まえ、教育委員会とも意思疎通を図りながら、将来に向けて望ましい方向付けを行ってまいりたいと考えております。
 また、それと並行してということになりますが、小中学校の改修等についてでございますけれども、市内の小中学校施設全体の約半数が昭和30年代から50年代に整備され、これから一斉に更新時期を迎えますことから、学校施設の老朽化対策が喫緊の課題となっております。   
 当市においては、このほど「胎内市学校施設の長寿命化計画」を策定したところでありますが、今後はこの計画に基づき、効率的なメンテナンスサイクルの構築や予防保全的な改修等の実施による生涯費用の縮減を考慮しながら施設の維持保全に取り組んでまいります。
 その一つとして、令和3年度に中条小学校の改築事業に着手し、2か年計画で基本設計、実施設計を行う予定としており、遅くとも令和8年度の供用開始を目指して、整備を進めてまいりたいと考えております。

 

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3  高齢化する社会への対応

 当市の高齢化率は35.8パーセントであり、県平均を上回っている状況となっておりますが、国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、令和5年には38パーセントに達し、高齢化がますます進展すると予想されています。
 市では市民がともに支え合いながら希望や生きがいを持ち、健やかに暮らせるまちを目指しておりまして、既に多くの高齢者の方々が様々な場面でご活躍されています。
 今後も、市民協働を重視し、交流やふれあいを多くの市民に広げるため、元気づくりに生きがいを感じていただける中心的な役割を担っていただける人材の育成と、こうした人材を核とした組織づくりと活動の充実に取り組んでまいります。
 「疾病予防対策」につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を十分に行いつつ、健診日程を工夫するなど受診しやすい環境づくりや未受診者への受診勧奨により、特定健診やがん検診、成人歯科健診の受診率向上にも努めながら、糖尿病や慢性腎臓病、がん、歯周病などの生活習慣病の予防や早期発見、治療につなげ、健康寿命の延伸に取り組んでまいります。
 また、「介護保険事業」につきましては、令和3年度は、第8期介護保険事業計画の開始年度となるため、現在、その策定作業を進めており、3月末にはホームページ等で市民の皆様に内容をお示ししたいと考えております。
 この計画では、今後3年間の基本方針のほか、介護保険認定者及び保険給付費の推計、サービスの提供体制、介護予防事業を始めとする高齢者を支える施策の推進、介護保険料等について定めることといたしております。
 なお、介護保険料につきましては、当市においてサービス受給者及び認定率の上昇とともに、施設介護給付等の給付費が国、県の平均値を上回る高い水準で推移していく見通しにあることなどを踏まえ、安定した事業運営を維持していくために、約9パーセント程度引上げを行わざるを得ない状況にありますので、後ほど提案理由の中でも触れさせていただきますが、ご理解賜りたいと思っております。
 また、「介護予防事業の新たな取組」といたしましては、高齢者の閉じこもりや心身機能の低下の早期発見を目的とした「たいない健康度チェック表」を配布して、高齢者の方に自ら、今の健康状態を簡単にチェックしてもらい、その結果を基に健康相談や短期集中的に行う介護予防教室、日常生活上の支援等につなげていくことを考えております。
 このほか、介護予防の担い手の育成や、身近な地域において介護予防に取り組む「通いの場」の活動箇所数を増やすことなどにも引き続き取り組みながら、高齢者が健康を維持し、人や地域とのつながりを保ち、より快適な生活を送ることができるよう支援してまいります。

 

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  洋上風力発電事業等の取組

 地球温暖化等の環境問題はとても重要なテーマであるにもかかわらず、これまでは、残念ながら先送りされてきた感が否めませんでした。
 しかし、ようやく我が国でも脱炭素社会、そのための再生可能エネルギーの積極的推進の必要性が認識されてきています。
 そのような状況好転の中でかねてからお伝えしている洋上風力発電事業は、かなり時間を要するとしても、関連する産業の創生や新たな雇用の創出、そして観光スポットにもなり得るということも含め裾野が広く、もし実現されたならば、とても大きな価値のある地域資源となり、この地で暮らす人々の誇りにもなるものであろうと思っております。
 市では、これまで新潟県を始めとする関係機関と連携しながら新潟県洋上風力発電導入研究会の地域部会などで検討を重ねてまいりまして、国から今後の進め方の留意事項として指摘された「利害関係者の特定及び調整」では、再エネ海域利用法に基づく促進区域の指定に向けて県から国に対して協議会が設置されるよう要望することについて関係者の総意として了承が得られております。
 また、今一つ留意事項である「系統の確保」につきましても進出意向を示す事業者と東北電力ネットワーク株式会社との間で、発電した電気を既存の電力線に接続するための協議が進んでいると聞いております。
 このような調整状況を踏まえ、県では、現在、令和3年度に促進区域への指定の前段となる有望な区域として選定されることを目指し、国に対して「胎内市・村上市沖」がその候補となり得る旨の情報提供を行っております。
 市といたしましても、この動向を見守るとともに、市民の皆様へも洋上風力発電の誘致促進に関する進捗状況を今後も適宜お伝えしながら、持続可能で希望の持てる胎内市の実現に向けて取り組んでまいります。

 

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5  産業振興

(1)農業振興に関する取組
 農業を取り巻く環境は、生産者の高齢化や後継者不足、気候変動への対応、スマート農業の技術導入の進展などにより、急速にその環境が変化してきております。
 また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響は、外食産業における需要減退により幅広い農作物等に価格低下をもたらしておりますが、その他当市では特に切花や和牛生産において大きな影響が見られました。
 そのため、こうした中にあっても意欲をもって営農に励む農家を支援するため、国や県、JA等の関係団体と連携し、これからも情報提供に努め対策に当たっていくとともに、引き続き新技術の導入や創意工夫を凝らした取組等を支援し、持続可能な農業の実現を目指します。
 米政策につきましては、国内在庫が過剰となっている状況でありますことから、令和3年産の主食用米については、過去最大規模の作付転換が必要な状況となっております。
 市といたしましても、引き続き関係機関と連携し水田フル活用を推進することで農家の所得確保に努めていくほか、黒川堆肥センターをJA胎内市に無償貸付して堆肥を施用した土づくりを一体的に行うことによって気候変動にも対応した米の品質向上と安定生産のための支援を行いながら、農業経営の安定を図ってまいります。
 農業経営基盤強化につきましては、人・農地プランをより実情に即したものとするために見直しに着手しておりまして、引き続きこのことに関しましても関係機関と連携しながら、新規就農による担い手の確保・育成、農業経営の組織化を支援するとともに、農地の集積・集約化を進めてまいります。
 園芸振興につきましては、「新潟県園芸振興基本戦略」によりJA胎内市が産地計画を進める人参と切花を始めとし、砂丘地における胎内産べにはるかの「はるかなた」などの園芸作物の生産拡大と収益性の向上のほか、葉たばこやチューリップ栽培の支援につきましても関係団体と連携して行ってまいりたいと考えております。
 中山間地域対策につきましては、中山間地域等直接支払交付金による支援のほか、鳥獣被害対策として、引き続き電気柵設置に対する補助や動物位置情報システムを活用した猿の行動把握とモンキードッグの活用を併せた効率的な追払い、JA胎内市や猟友会など様々な関係団体との連携や地域の協力をいただきながら農作物被害の防止・低減に努めてまいります。
 昨年、出没が多発したクマの対策においても啓発活動や集落と協力しながらクマの誘因となるものを防ぐために地域内の点検を行うとともに猟友会や警察と連携し、被害防止に努めてまいります。
 このほか、新潟食料農業大学との連携につきましては、農村集落の課題解決に向けて更にその連携を深めていくほか、令和3年度に初めての卒業生が送り出されることから、就農、就職活動について市内農家や農業法人との橋渡しができるよう、大学との情報交換を密にしてまいりたいと考えております。

(2)商工業の振興に関する取組
 これまで新型コロナウイルス感染症対策として様々な支援を行ってまいりましたが、令和3年度におきましても、事業者の皆様がこの状況を乗り越えて次の段階に移行することができるよう、必要となる支援をしてまいります。
 そのため、市独自の中小企業支援事業を拡充するとともに、国や県の交付金や支援制度も活用しながら、事業者の要望にお応えできるよう更に進めてまいりたいと考えております。

(3)(仮称)胎内スマートインターチェンジの設置
 地域産業の活性化や観光振興に資する社会基盤、交通基盤整備ということで、令和3年度からはいよいよ(仮称)胎内スマートインターチェンジの設置を本格的に進めてまいります。
 市といたしましては、令和4年度中の竣工を目指し、NEXCO東日本を始め、国や県などの関係機関との間で様々な協議・調整を行うとともに、地域の皆様から理解と協力が得られるよう努めてまいりたいと考えております。

 

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6  文化・芸術の振興

(1)城の山古墳の保存・活用
 令和元年度に策定した「保存活用計画」を基に、具体的な史跡の整備に取り組むため、今年度に引き続き「整備基本計画」の策定を進めてまいります。
 また、城の山古墳区域の私有地を購入し、史跡等を保存して活用するための環境整備を行い、貴重な歴史的遺産を次の世代に継承してまいりたいと考えております。
 併せて、市民団体の板額会が企画運営を行う板額の宴のイベントや胎内市美術館での年5回の企画展等を通じて郷土の歴史・文化についても積極的に発信してまいります。

(2)芸術の振興
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により開催を中止いたしました「第75回新潟県美術展覧会」の巡回展を6月末から開催できるか否かを県等と協議しながら、前向きに考えてまいりたいと思っております。市民を始め下越地区の多くの方々に、選りすぐりの素晴らしい芸術作品を鑑賞していただくことにより、より一層、芸術文化に寄与できるよう取り組んでいければと考える次第です。

(3)生涯学習関係施設の改修、構想
 産業文化会館につきましては、平成8年度に市民と文化の交流拠点として会館がオープンして以来、既に24年が経過するなど施設が老朽化しておりますことから、長寿命化計画を策定して順次施設の改修を進めてきておりますが、令和3年度においては多目的ホールの吊り天井や劣化した設備の改修に係る設計及び工事を行うこととしております。
 そして、公民館と図書館の機能を中心とした新たな生涯学習施設の整備につきましては、これまでワークショップ等を開催して市民の皆様の意見を伺ってまいりまして、徐々に構想の骨格が明確になりつつあります。
 今後は、PPP・PFI等の手法の活用も視野に入れ、民間の方々からも更にアイデアをお聞きするなどして肉付けを施し、整備時期も見定めながら、引き続き整備構想の検討を重ねてまいります。
 その他各種の生涯学習施設につきましても、多様な市民のニーズに対応できるよう管理運営を行い、公共施設としての機能の維持や向上に努めてまいりたいと考えております。

 

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7  市民協働

 市民協働につきましては、地域課題の解決や魅力ある地域づくりに、市民の皆様が持つ力と行政の力を合わせて取り組むことと、そのための環境づくりが大切であるとの考えの下で進めてきているところでございまして、これまでも市内各地で自治会・集落の皆様との座談会も開催してまいりました。
 今後も、地域のボランティア活動等を通じて協働の機会を新たに創っていくことや、地域で積極的に活動しているNPOや青年会議所等の団体とも意見交換や連携を行い、協働の理念を徐々に定着させてまいりたいと考えております。
 そして、その過程では、将来の胎内市を担う若い人たちにも夢や希望を持って、市政により関心を寄せて参画していただけるように座談会の場などを通じて働きかけていくことや、従来から取り組んでおります「合併振興基金運用益活用事業補助金」を活用して、市民の皆様からの提案事業に対する支援を行うことについても意を用いてまいりたいと思っております。

 

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8  新型コロナウイルス感染症の収束に向けた取組

 去る1月7日に、1都3県に緊急事態宣言が発令されたことを皮切りに、その後も対象地域が増え、また新潟県においても県独自の警報が発令され、それが継続されているなど、この冬は全国的に感染拡大が見られておりまして、先般は、10都道府県において緊急事態宣言が延長されるなど、未だ収束がなかなか見通せない状況にございます。一度感染が急増すれば、社会経済活動を大きく止める方向へシフトせざるを得ない状況になりかねません。
 そのため、市といたしましては、感染予防対策を十分徹底して行うことを基本としながら、その一方では社会経済活動の維持を可能な限り支援し、その両立を図ってまいりたいと考えているところでございまして、状況変化を具に注視しなから、必要とされる対策については、適宜、迅速に対応してまいりたいと思っております。

(1)感染予防対策に関する取組
 
「感染予防対策」につきましては、これまで地方創生臨時交付金を活用して不特定多数の方が利用する市役所を始めとする公共施設のトイレを非接触型へ改修するなどしてきた一方で、こども園及び保育園、小中学校においては、手洗い・消毒・換気・検温・マスクの着用・座席間隔の確保の指導を行ってまいりました。
 また、小中学校においては昨年の臨時休校の教訓を踏まえつつ、もし再度臨時休校になることがあったとしても、これまでの学校での学習とつながりのある家庭学習を継続し、子どもたちの学びを止めることのないよう準備態勢も整えていることに加え、GIGAスクール構想により整備した校内の通信環境を活かして、コロナ禍における学校行事等についてもオンライン中継を行うなど、新しい生活様式に沿いながら様々な学校活動を行うことができるようしてまいりたいと考えております。
 市民の皆様に対しましても、基本的な感染予防行動である「人と人との距離の確保」「マスクの着用」「手洗いによる手指衛生」の徹底や、お酒を伴う会食や長時間の会食における感染リスクを考慮した行動について、今後とも「コロナ慣れ」してしまうことのないよう、引き続き実施すべきは実践していただけるよう市報を始めとしてあらゆる機会を通じて呼び掛けてまいりたいと思っております。
 そして、この件についても冒頭申し上げましたが、現在、国主導で全国一斉に新型コロナウイルスワクチンの接種ができるよう準備が進められているところでございまして、市においても国が示すスケジュールどおりに市民の皆様に接種券をお届けできるよう、ワクチン接種対策チームを設置して準備を進めているところであります。
 その具体につきましては、国の方針を見定めつつ、市といたしましては県や医師会等と連携しながら、スムーズに実施することが可能となる最善の接種方法を構築できるよう取り組んでまいります。

(2)社会経済活動の維持に関する取組
 社会経済活動を維持し、地域経済を活性化していくために不可欠なこととして、必要とされるあらゆる対策をとりながら、事業者の皆様が収束の兆しとともに元来の経済活動を取り戻していくことが肝要であろうと思っております。そのため、市では、先ほど申し上げました必要な支援策を臨機応変かつ迅速に講じてまいります。
 また、これまで様々なイベント等について中止を余儀なくされてまいりましたが、このことを開催方法や内容等を見直す機会と捉え、これまでに得た経験値を基に今後の収束状況を見定めながら再開できるものは再開してまいりたいと思っております。
 そして、市民の皆様が新しい生活様式を取り入れながら日常生活を送る中で、人々の交流を基にした活気を取り戻すことによって、地域経済の活性化にもつなげてまいりたいと考えているところでございます。

 

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