自然が活きる、人が輝く、交流のまち“胎内”
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更新日:2022年3月1日
便宜上、見出しを付けています。
1 はじめに
2 子育て・教育
3 人口減少対策
4 高齢化と地域コミュニティの維持に向けた対応
5 環境課題の解決に向けた取組
6 文化・芸術の振興
7 産業振興
8 市民協働
9 新型コロナウイルス感染症への対応
10 その他
昨年末にかけて一時収束の兆しが見えていた新型コロナウイルス感染症の感染状況が一変して、第6波と称される急峻な拡大の様相を呈し、その後も依然として高止まりの状況が続いております。
何とか有効な対策を講じつつ、これまでの日常をできるだけ早期に取り戻していかなければならないと思っております。
令和4年度も、引き続きコロナ禍への対応等、喫緊の課題に対応しながら未来に希望が持てる持続可能なまちづくりを目指して施策を進めてまいりたいと考えるところでございます。
ただいまからその大要を9つの項目にわたって説明申し上げます。
子育て、教育は極めて大切な営みであるとの認識の下、これまでも注力してまいりましたが、引き続き大切なテーマとして取り組んでまいります。
(1)子育てに関する取組
市内保育園等につきましては、少子化の現状を踏まえつつ、将来を担う子どもたちが個性や能力を伸ばし、健やかに成長することができるよう、引き続き適正で望ましい施設配置等について検討をしてまいります。
また、妊娠期から子育て期までの切れ目のない相談体制につきましては、これまでも子育て世代包括支援センターを中心として妊婦の面談や健診、家庭訪問の機会を捉えて積極的に取り組んでまいりましたが、引き続き子育て世帯との関わりを持つことや就園前の親子の集いの場づくりに努め、出産・子育てが安心してできる環境を支援してまいります。
また、ファミリー・サポート・センターにつきましては、これまでの一時預かりのニーズに加え、近年では、学童保育への送迎などを求める方も増えてきておりますことから、こうしたニーズにも対応できるように、子育て援助を行いたい方の人材の掘り起こしにも必要な働きかけ等を行っていかなければならないと思っております。
(2)教育に関する取組
来月予定されている「胎内市立小中学校の適正規模等に関する検討委員会」からの答申を踏まえ、子どもたちにとって望ましい教育環境の充実に向けた考え方や方向性などを基本方針として取りまとめてまいります。
また、中条小学校改築事業につきましては、現在、基本設計に着手しており、令和4年度早々には新しい校舎の概要をお示しできる予定となっておりまして、基本設計終了後直ちに実施設計に着手し、令和5年2月末の完了を目指す予定としております。
人口減少が全国的な問題として横たわっている中、市においてはその人口減少カーブを少しでも緩やかにして持続可能なまちづくりを実現すべく、これまでも様々な施策を展開してまいりましたが、この課題は長い時間軸の中で捉えていかなければなりませんことから、出生率を上昇させるための施策として、出産や子育ての前段において結婚を希望する人がその希望をかなえられるよう、婚活支援事業のほか、新たに結婚新生活支援事業として婚姻に伴う住まいや引っ越しなどの経費に対する補助を行い、新生活の円滑なスタートアップを支援してまいりたいと思っております。
また、移住定住のための施策として、U・Iターンを促進するため、新たに移住に係る住宅家賃補助や住宅リフォームに対する支援制度を設けるほか、雇用につきましては、若い世代の方々によるベンチャー企業のスタートアップを支援するなどして意欲的な取組を育むよう努めてまいります。
(1)高齢化への対応
当市におきましても、高齢者が健康で共に支え合いながら希望や生きがいを持ち、健やかに暮らせる地域づくりを目指しており、既に多くの高齢者の方がその取組の中で精力的に活動されていることを喜ばしく、ありがたく思っております。
今後も、市民協働を重視した元気づくりなどに生きがいを感じていただける人材の掘り起こしや、こうした人材を核とした組織づくりや活動の充実に取り組んでまいります。
また、令和6年度までに全市区町村で展開することが求められております「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施」に向けての準備段階として、既存の保健事業、介護予防事業を再編して、サロンや通いの場のような居場所づくりの充実を図るとともに、高齢者の健康に対する意識を高め、介護予防に努めてまいります。
さらに、健康づくりをキーワードとして連携できる民間事業者や地域団体を募りながら、協働事業の実施なども検討してまいります。
(2)地域コミュニティの維持に向けた対応
市内には一部で若年世代が集中して定住している町内・集落もありますが、多くの町内・集落においてはかなり高齢化が進展し、地域防災力の維持や交流を育み支え合っていくことが極めて難しくなってきている状況にございます。
そのため、市では、中堅・若手職員でチームを組織して今後のコミュニティにおける課題の整理や対応策について検討を進めているところでありまして、地域おこし協力隊の制度を活用して地域活性化を図る一方で、コンパクトシティへの誘導などについても考慮を巡らし、行政経費を下げつつ暮らしやすさをサポートするような取組を行うことや、行政区の再編なども視野に入れ、コミュニティ活動等を継続できるよう話合いや協議を進めてまいります。
また、「合併振興基金運用益活用事業補助金」につきましても、引き続きコミュニティや地域の活性化のために活用していただけるよう随時相談に応じてまいりたいと思いますし、新たに補助対象事業の拡大を図りながら、高齢化への対応にも資する、地域における見守り活動などの活動を行っている町内・集落等に対して支援を行うことができるように進めてまいります。
喫緊の課題となっている地球温暖化の抑止に向けて再生可能エネルギーである洋上風力発電事業の誘致を進めていくことは極めて意義深く、有益なことであると考えております。
そのような中、ご承知のとおり、昨年9月に国から促進区域の指定の前段となる有望な区域として当地域が選定されたことを受け、第1回目の法定協議会が開催されたところでございますが、今後の促進区域の指定に向けて利害関係者との調整や事業者公募に当たっての留意点等の具体についての協議が始まっております。
洋上風力発電施設の立地により新たな産業の振興や雇用の確保、魅力ある観光スポットが生まれることなども期待されますので、市民の皆様にも理解を深めていただけるような講演会なども企画しながら、一日も早くそれが現実のものとなるよう、なお一層の推進を図ってまいります。
併せて、当市では有望な区域として選定されたことを機にゼロカーボンシティ宣言もいたしましたので、国の施策とも呼応しつつ、持続可能な脱炭素社会の実現を目指してまいります。
このような取組を通じて、この地で生まれ、暮らす人々にとって、環境を大切に考え、地域ぐるみで環境保全のための取組を積極的に進めていく契機が生まれ、ひいてはそれがシビックプライドの醸成にもつながっていくものと考えております。
(1)文化・芸術の振興
文化財につきましては、令和4年度は地域の魅力ある多様な文化財の特色を最大限に活かす方法や保存と活用のための施策を記した「文化財保存活用地域計画」を策定し、今後、魅力ある文化財の整備・活用を市民協働で進めてまいります。
また、城の山古墳につきましては、令和3年度末に策定予定の「整備基本計画」を基にその整備を進め、貴重な歴史遺産を次の世代に分かりやすく伝え、確実に継承をしてまいりたいと思っております。
また、地域の特色ある文化財を活用した「板額の宴」などのイベントや出前講座、遺跡めぐりなどを実施するとともに、芸術面においても、胎内市美術館に、より多くの方々からお出でいただけるよう企画展の工夫や改善に努めるなど、郷土の文化・芸術の振興を更に進めてまいります。
(2)生涯学習施設の整備
令和3年度末を目途に、これまでの検討状況を踏まえて定まりつつある構想をベースとして、民間事業者などからいただいたアイデアを加えて、基本的な整備構想を定めてまいりたいと考えております。
なお、整備時期などを含めた基本構想の詳細については、今しばし時間をかけて検討を深めてまいりたいと考えているところでございます。
(1)農業
農業を取り巻く環境は、人口減少やコロナ禍も相まって国内市場が縮小するなど大変厳しい状況に直面しておりますことから、市ではこうしたコロナ禍により影響を受けている農業者に対して、前向きに安心して営農を継続できるような支援策を行いつつ、農業者の創意工夫を支援して営農意欲の維持向上と経営安定を図り、農業が持続可能なものとなるよう、引き続き関係機関と連携して取組を進めてまいります。
その具体として、米政策については国内在庫が過剰となっている状況に鑑み、需要のある作物や高収益作物への転換による収入の安定化を図り、農業経営基盤強化対策については新規就農や経営継承による後継者の確保及び担い手育成、農業経営の組織化や新品目の導入、販路拡大等について引き続き支援してまいります。
園芸振興につきましては、人参と切花の産地化や砂丘地におけるチューリップ栽培の支援、葉たばこの廃作に伴う作物転換を推進するほか、新たな園芸作物の導入に向けて、新潟食料農業大学やJA胎内市と産学官で連携して実証栽培にも取り組んでまいります。
中山間地域につきましては、直接支払による支援に加え、対象地域の現状把握と課題等について地域住民と検討を深めてまいります。
そのほか、鳥獣被害対策につきましても、より効果的な対策を講じつつ、農作物被害を減少させていかなければならないと考える次第でございます。
(2)商工業の振興
起業や創業など事業者の意欲ある取組に対して支援をするほか、企業や関係機関との連携を図って企業を知ってもらう機会を設け、雇用と人材の確保に努めていかなければならないと思っております。
また、今後、洋上風力発電事業に関連する様々な事業が展開され、地域経済の活性化が期待されますことから、市内の事業者がこれらに関わって収益を上げられるよう、例えば仕事の受け皿のようなものについて既に商工会との意見交換を始めておりますが、商工会以外の団体とも対応、取組についての協議を行ってまいりたいと思っております。
更には、かねてより胎内市とNEXCO東日本が共同で整備を進めてまいりました、胎内スマートインターチェンジ事業が令和5年3月、すなわち令和4年度末の供用、完成、竣工と、その後の供用開始に向けて順調に工事が進捗してきているところでございまして、現在の工事進捗率は市道である側道部分が68.1パーセント、NEXCO東日本が担当するスマートインターチェンジ部分が若干低めでございまして21.8パーセント、現状と、そのような進捗となっておりますが、この供用開始を機に、地域交通や物流の利便性を高め、新たに企業の進出や既存企業の事業拡大による商工業振興につなげてまいりたいと思っております。
市民が企画したイベントに市職員が協力するなど、協働に対する意識が醸成されて深まってきているところを実感しているところでございますが、今後もこのような動きを更に加速しながら、市民が行う事業の中で、市として協働できるものについては積極的に協力をしていく一方、市の事業やイベントの運営等についても、市民の皆様に関わっていただけるよう取り組んでまいります。
また、地域における協働の起点ともなる座談会につきましては、これまで、しばらくの間、コロナ禍のため、開催できていない状況が続いておりますが、今後、その状況が許せば、これまでに開催していない町内・集落を含む多くの地区や市内の各種団体、企業などに対しても、直接、市から打診するなどして座談会を開催してまいりたいと思っております。
(1)新型コロナウイルスワクチン接種
これまで、市では、国の3回目接種に係る前倒し方針を踏まえ、今月1日からは一般の方の個別接種を順次進めてきているところでございますが、今月の26日からは集団接種を実施して接種の加速化を図りながら、65歳以上の高齢者については3月末までに、18歳から64歳の方については5月上旬までにおおむね完了できるよう進めてまいります。
加えて、新たに接種対象として認められました「5歳から11歳までの接種」につきましても、一般の方の3回目接種と同時に進めていく予定といたしております。
(2)生活困窮者支援
コロナ禍が長期化する中、生活困窮者からの相談が増加し、相談内容も複雑化する傾向となってきております。
そのため、現在、胎内市社会福祉協議会に委託している相談業務の体制を令和4年度から拡充し、同じく胎内市社会福祉協議会へ委託している、自立相談支援機能の充実化を図ることや、家計改善支援や子どもの学習支援等につきましてもきめ細かな支援ができるよう努めてまいります。
(3)住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金
コロナ禍において、様々な困難に直面した方々に対して生活・暮らしの支援を行うため、これまで住民税非課税世帯分として給付対象となる約2,300世帯に対し給付を始めておりますが、速やかな支援が行き届くよう、給付事務の迅速な対応を行ってまいります。
更には、家計急変世帯につきましても、必要な方に支援が行き届くよう、申請期限の9月30日まで制度の周知を行い、暮らしの一助となるよう迅速な対応に努めてまいります。
(4)コロナ禍に関する商工業支援
飲食店を始めとする事業者の多くがコロナ禍で大きな打撃を受けていることに鑑み、これまでも必要とされる支援を講じてまいりましたが、今後はこれまでの応急的対応のみならず、アフターコロナを見据えた事業展開に向けた取組などに支援をする等、各種事業の持続可能性を高める施策を考慮に入れながら対策を講じていきたいと思っております。
「その他」ということでございますけれども、令和4年度に実施する事業のうちのいくつかについて取り上げてご説明申し上げます。
(1)人権の啓発・擁護
これまで、市では「第2次胎内市人権教育・啓発推進計画」に基づき、各種の取組を進めてまいりましたが、不当な差別は根強く存在し、様々なハラスメントや子どもへの虐待、いじめ等の人権侵害が依然として存在するだけでなく、近年では、情報化の進展や社会情勢の変化に伴い、インターネット上での人権侵害、特に新型コロナウイルス感染者やその家族、医療・介護従事者などへの誹謗中傷やプライバシーの侵害などの人権課題が新たに生じている状況にありますことから、複雑多様化する人権課題に的確に対応し、全ての市民の人権が尊重されるまちづくりの実現を目指すとともに、その推進を図るべく条例制定も行ってまいりたいと思っております。
(2)犯罪被害者支援
近年、県内外における犯罪の状況を見ますと、犯罪等による直接的な被害だけでなく、犯罪被害者等が受ける精神的な苦痛、心身の不調、経済的な損失などの二次的被害が社会問題化しており、犯罪被害者等支援の重要性が高まってきております。
かような状況に鑑み、「胎内市犯罪被害者等支援条例」を制定し、犯罪被害に遭われた方やそのご遺族等に対して、被害の状況に応じて見舞金を支給することとするほか、犯罪被害者が受けた被害の回復や軽減、生活の再構築を図り、併せて犯罪被害者等を支え、誰もが安心して暮らすことができる地域社会を目指してまいりたいと考えており、本定例会にその議案も提出いたしておりますので御審議の程、よろしくお願いをいたします。
(3)防災行政無線システムの更新
本市の防災行政無線は、災害時の最も基本的な情報伝達手段として、その役割を果たしてまいりましたが、運用から10年以上が経過し、老朽化等に伴う更新のほか、人口分布、住環境等の変化に伴って屋外スピーカーなどの再配置等の検証が喫緊の課題となってきております。
そのため、今後、国県とのシステム連携、最新デジタル技術の導入等を見据えて、最適で最善なシステムの構築ができるよう、自主防災組織を始めとした防災関係者からも御意見などをお聞きしつつ、令和5年度以降に更新することを視野に入れ、令和4年度に基本設計に着手をしてまいります。
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