更新日:2014年3月5日
平成18年第3回胎内市議会定例会
<市政報告要旨>
1 櫛形山脈断層帯について
新発田市から胎内市を経て、荒川町に至る約16キロに及ぶ「櫛形山脈断層帯」は、平成14年に政府の地震調査委員会が行なった調査により、確率は低いながらもマグニチュード6.8程度の地震が起きる可能性が指摘されておりました。このたび、同委員会が再調査した結果、最新の活動時期が「3200年から2600年前」で、平均活動間隔が「2800年から4200年」、今後30年以内の地震発生確率が「0.3パーセントから5パーセント」と絞り込むことができたと発表されました。市といたしましては、合併前の旧町村の防災計画をもとに、かねてより進めております「胎内市防災計画」の策定を急ぐとともに、計画に盛り込まれる予定の自主防災組織などの組織化を前倒しで行ない、加えて、万が一に備え、避難所等の総点検を実施していきたいと考えております。
2 朝鮮民主主義人民共和国が実施した核実験に対する対応について
去る10月9日、韓国政府による「核実験の兆候を確認した」との発表を受け、県では、その対応について各市町村に通知するとともに、10月20日には「県民の安全・安心に関する知事・市町村長会議」が開催され、これまでの状況と当面の対策について協議を行いました。これまで県では、臨時の監視装置を設置するなど、放射線の監視体制を強化してきましたが、今のところ異常な数値や人口の放射性物質は検出されていないとのことであります。これらの観測の結果は、県のホームページで即時公表しておりますし、核実験の発表を受けた県の対応についても、同じく掲載されております。市といたしましては、北朝鮮への追加的制裁措置の閣議決定に伴い、テロ対策の徹底についても強化するようにとのことでありますので、関係機関と連携を図りながら警戒にあたるとともに、折に触れ広報紙やホームページに関連情報を掲載していきたいと考えております。
3 水澤化学工業株式会社中条工場の地下水汚染事案について
去る8月11日に開催された県の第3回地下水汚染対策会議において、最終的な確認がされました。ダイオキシン類につきましては、周辺環境への影響は認められないとのことでありました。トリクロロベンゼンにつきましては、飲料用以外に使用することには、現時点で特段懸念する状況にはないとされ、心配された住民の健康被害は認められないと判断されました。地下水利用者への対応といたしましては、農業の水源については、希望する全ての生産組合及び世帯に、上水道または代替井戸への転換が完了しております。また、消雪用への地下水利用の可否については、利水地点である船戸川大堰揚水機場付近における水質調査により判断することとしておりまして、現在までの調査では、WHO飲用水ガイドライン評価値を十分に下回っておりますので、特に問題はないと考えております。
4 株式会社クラレ新潟事業所の廃液地下注入処理事案について
地下の状態を確認するための調査用井戸の掘削状況についてでありますが、予想外のトラブルが頻発し、作業が大幅に遅れております。10月10日現在で、地下112メートルまで掘削が進められておりますが、予定の地下150メートルに達するのは11月末頃になる見込みとのことであります。また、事業所内の注入井戸につきましては引き続き、清掃作業を続けるとのことであります。なお、現在、同事業所構内で汲み上げている調査用井戸の地下水は、環境基準を下回っておりますし、下流域で継続して実施している地下水の水質調査でも、異常な数値は計測されておりません。
5 胎内市ブロードバンド空白地域解消促進事業について
本事業はNTT東日本株式会社新潟支店に補助金を支出し、市内で唯一ブロードバンドサービスを利用できなかった大長谷地区及び鼓岡地区において、設備工事を進めているところでありまして、本年12月15日から「ADSLサービス」の提供開始が正式に決定いたしました。このことについては、すでに、市報を通じてお知らせしており、また、事前に申し込みの受付も始まっているところであります。これで胎内市全域でブロードバンドサービスが提供されることとなります。
6 老人保健事業について
国では医療制度改革の柱の一つとして、平成20年度に75歳以上の老人を対象とした後期高齢者医療制度を新たに創設し、高齢者医療の安定給付を目指すこととしております。この新たな医療保険制度では、75歳以上の老人は全て、現在加入している医療保険から、後期高齢者医療保険に移行し、個々人で保険料を負担しながら、医療の給付を受けることとなります。また、運営は、それぞれ全市町村で構成する広域連合で行うこととされており、新潟県においても、平成20年4月からの新医療制度の開始に向け、広域連合設立準備委員会及び設立準備事務局が設置されたところであります。本市といたしましても、次回の定例会でこの広域連合への加入について提案させていただく予定であります。
7 地域包括支援センターの運営状況について
介護保険法の改正に伴い、本年4月から市内4か所に地域包括支援センターを設置いたしました。この改正では、予防重視型システムへの転換が期待されておりまして、現在介護保険サービスを必要としない人でも、介護予防教室に参加し、理学療法士、栄養士、歯科衛生士などの専門職から指導を受けられるなど、介護保険の基本理念である「自立支援」の徹底が図られております。市では、介護予防教室、筋力トレーニング教室、転倒予防教室、太極拳教室などを実施しております。また、介護保険の給付を申請し、要支援1又は2と認定された人については、地域包括支援センターが、介護予防プランを作成し、自立に向けた支援を行っております。なお、地域包括支援センターは、介護予防を担うだけでなく、権利擁護も含めた総合相談支援、包括的・継続的ケアマネジメント支援という業務も行っており、保健師、主任介護支援専門員、社会福祉士などの専門職員を配置し、力を合わせて市民の相談、指導等に対応しております。今後も、関係機関とのネットワークづくりに努め、利用者がより適切なサービスを受けられるように調整を図っていくなど、住み慣れたこの胎内市において、いつまでも、いきいきと暮らしていけるよう自立のための施策を総合的に進めてまいりたいと思います。
8 企業誘致活動について
本年7月、中核工業団地に立地している株式会社ジェイ・シー・エムが事業拡大のため、隣接区画の譲渡契約を締結いたしました。ここ最近は、景気回復基調が続いていることから、企業からの問い合わせも増加してきておりまして、この機を捉え企業訪問に、さらに力をいれ、誘致活動をしてまいりたいと考えております。特に、立地企業への優遇制度の見直しや新しい制度の創設につきましては、市内の商工会や企業関係者らで構成する「企業誘致委員会」のご意見を頂戴しながら、その条件整備を行うなど、ひとつでも多くの企業から立地いただけるよう、積極的に施策を展開してまいりたいと考えております。
9 第64回国民体育大会について
2順目となる新潟国体は、平成21年に開催されることが、正式に決定しております。胎内市では、ゴルフ競技少年男子の種目が中条ゴルフ倶楽部の協力をいただき開催されるほか、黒川地区のスポーツハウス周辺に建設が予定されている県営ライフル射撃場にて、ライフル競技が行われます。また、デモンストレーションとして、壮年層を中心に人気の高い「グランドゴルフ」が総合グランドを会場に行われることになっております。市では、各種の環境整備や競技運営等にあたるボランティアの養成に努めるとともに、自然に恵まれた胎内市を全国に知らしめるための情報発信体制や市民が自らスポーツに親しむという気運を盛り上げるため、各種団体との協力体制を構築してまいりたいと考えております。