更新日:2014年3月4日
平成20年第1回胎内市議会定例会
平成20年度の施政方針(要旨)
便宜上、見出しを付けています。
(前文)
1「安全・安心なまちづくり」について
2「環境対策」について
3「教育関連」について
4「医療と福祉、子育て支援」について
5「産業の振興と地域の活性化」について
6「新しい市政運営スタイルと行政改革等」への取組みについて
(前文)
平成20年度の当初予算等のご審議をいただく前に、新年度の施政方針を述べまして、皆様のご理解をいただきたいと思います。
日本経済は、息の長い景気拡大を続けていると言われておりますが、地域間では回復にばらつきがあり、賃金上昇になかなか結びつかず、個人消費の伸び悩みが続いている状態にあります。
それに加えまして、年明け早々から、アメリカにおける低所得者向け高金利型住宅ローン、いわゆるサブプライムローン問題に起因して、経済市場が大きく揺れたことに象徴されるように、経済の先行きはいまだ不透明であり、楽観視できないと考えております。
特に、昨年来の原油価格の高騰が、ガソリンや灯油などの石油製品だけではなく、食品を始めとする生活必需品の相次ぐ値上げをもたらすなど、企業業績や家庭の消費生活に大きな影響を与える懸念が広がっております。
こうした状況に対し、少しでも不安を払拭する一助になればと、灯油代の助成や、中小企業向けの経営支援などに取り組んだところであります。
また、政局においても、「ねじれ国会」と称されるように、大変な混迷を極めているわけでありまして、特に、道路特定財源に対する暫定税率の維持については、市民生活に密接に関わる幹線道路の整備等に対する財源となることから、先般、全国市長会を始めとする地方六団体におきまして「道路特定財源確保緊急対策本部」が設置され、「暫定税率の廃止」に反対する緊急共同声明を表明したところであります。この件につきましては、特に財政面において本市にも多大な影響を及ぼすことが懸念されますので、今後の動向に十分注視してまいりたいと思います。
さて、20年度は、胎内市が誕生し、4年目を迎える年度となるわけでありますが、私は、これまで「自然が活きる、人が輝く、交流のまち」を基本理念に据え、市政運営に取り組んでまいりました。ことに、平成18年度には、その基本指針となる「第1次胎内市総合計画」を策定し、財政健全化計画及び公債費負担適正化計画との整合性をとりながら、様々な事業を実施してまいりました。
平成の大合併がひと段落し、また、昨年4月には第2期地方分権改革がスタートしたこともあって、全国の各自治体は、新しいまちづくりを競い合う時代に突入し、まさに地方分権型社会の構築に対する自治体の姿勢が問われております。
地方分権の目指す姿は、地域が独自に考え、創意工夫を凝らした取組みを通じて、個性豊かな活力に満ちた地域社会を実現することにあると考えます。
私は、この地方分権の意義を十分に認識し、主体性を持って、市民サービスの向上や地域の特性を活かした全国に誇れるまちづくりの実現に向けて、しっかりと考えてまいりたいと思います。幸い、胎内市の農業、工業、商業及び観光は他の地域にはない魅力を持っており、農産物、工業製品、商業施設及び観光資源については県内外から高い評価を得ておりますので、引き続き、これらの資産を最大限に活用したまちづくりを進めてまいりたいと思います。
新年度を迎えるにあたり、まずはそのことを念頭に据え、気概を持って市政運営にあたる所存であります。
それでは、年度当初に当たり、新年度の施策の大要について説明申し上げます。
1 「安全・安心なまちづくり」について
昨年は、能登半島沖地震、新潟県中越沖地震と国内で2回、震度6強の地震が発生し、甚大な被害をもたらしました。改めて、自然災害の脅威を思い知らされるとともに、災害時には、適切で迅速な対応が必要であることと市民の安全・安心を守ることがいかに重要であることかを再認識いたしました。
さて、本市では、18年度から防災行政無線の整備を進めてまいりましたが、いよいよ20年度で完成いたします。これにより、災害時において、迅速で、かつ、適切な市民への情報の伝達・収集が可能になるものと考えております。加えて、20年度は、全国瞬時警報システムいわゆるJ-Alert(ジェイアラート)を市役所に設置した基地局に接続する工事を行う予定であります。
これにより、内閣官房や気象庁から送信される緊急地震速報、気象関係情報並びに有事関係情報を防災行政無線で自動受信することが可能となり、各家庭に設置する戸別受信機や屋外子局を通じて、住民の皆様に瞬時に伝達できるようになります。
また、懸案事項でありました防災備蓄品の整備につきましては、20年度から5カ年計画で食料や資機材などを蓄えることとしておりまして、災害応援協定の締結と併せ、有事に備えてまいりたいと考えております。
さらに、複雑多様化する自然災害や重大事故に備え、19年度に策定した「地域防災計画」や「胎内市住宅・建築物耐震化促進計画」の普及啓発を行い、地域住民の危機管理意識の高揚と自主防災組織の構築及び育成に努めてまいりたいと思います。
また、耐震化促進の具体的な施策として、昭和56年以前の旧建築基準法で建築された木造住宅を対象に、耐震診断に係る費用への補助を予定しており、地盤の強度や建物の耐震度を地図上に示した「地震ハザードマップ」の作成と併せ、耐震化の普及啓発に努め、災害時における倒壊等の被害を最小限に抑えるべく対策を講じてまいりたいと考えております。
また、公共施設につきましても、避難所に指定されております学校施設について、20年度に中条小学校、大長谷小学校、中条中学校、築地中学校の計4校、21年度に黒川小学校、鼓岡小学校、黒川中学校の計3校の耐震診断を実施し、その後、全体の診断結果を踏まえ補強・改築計画を策定し整備していきたいと考えております。
そのほか、本県は全国屈指の豪雪地帯でありますので、冬期間における歩道を含めた生活路線の確保については、従来通り実施してまいりたいと考えております。消雪パイプの整備につきましても引き続き幹線道路である中条・胎内線の延長箇所及び老朽化し機能低下が著しい箇所について、修繕を行ってまいりたいと考えておりますし、新市建設計画に登載されております、近江新地内における歩道整備、市役所から支所を結ぶ最短ルートとして、胎内川右岸側の市道の拡幅工事が20年度をもって完了する予定であります。
また、県営事業としましては、東牧地内において歩道整備等が実施される予定であります。
本市は、「安全・安心都市宣言」を表明しておりますように、引き続き市民の皆様が安心して住みよさを実感できるまちづくりに努めてまいりたいと思います。
2 「環境対策」について
昨年来、苦情が急増いたしました畜産に起因する悪臭問題につきましては、新聞報道でもありましたとおり、大規模事業者などを対象に悪臭防止法に基づく臭気濃度測定を順次実施することにより、対応したいと考えております。
測定結果が規制基準値を超過した場合には、改善勧告や改善命令を発して、事業者への早期対応を促してまいります。
また、年々増加しておりますゴミの不法投棄につきましては、対策の一環としまして昨年12月に移動式監視カメラを導入し監視を行っております。この監視システムを最大限に活用するとともに、環境パトロールを強化し、県や警察など関係機関と協力して不法投棄の防止に努めてまいりたいと考えております。
次に、バイオマスタウン構想推進事業における実証の総括と民間主導の実用化についてでありますが、これまでの3か年で変換技術の確立に向けた取組みを進めた結果、鶏糞由来の半炭化肥料が実用化できる見通しとなってまいりましたし、生ごみ由来の家畜飼料やメタン発酵によるメタンガスの生成が技術実証の成果として実を結びつつあります。
とりわけ、半炭化肥料は、米価下落が著しい昨今、有機由来肥料を使った付加価値の高い農業を推進していく必要性が極めて高いため、大きな期待が寄せられているところでありますので、今後は、この半炭化肥料を先駆として民活による実用化を図っていきたいと考えております。そのためには資金調達も含めて中心的な役割を担う主体が不可欠になってまいりますので、これまでに様々な環境関連事業に取り組み、畜産事業にも知見の豊富な企業等にその役割を担ってもらえるよう、折衝を重ねているところであります。
地元のJAあるいは、廃棄物処理業者の方々とも連携を密にし、コスト計算を含めた検証をしっかりと行いながら諸々の課題をクリアして、21年度中には事業化できればと考えております。
また、国では、地球温室効果ガス総排出量の削減目標を定めた京都議定書に基づき、市町村の事務・事業に関する温室効果ガスの排出抑制等のための実行計画並びに、市町村全域の温室効果ガス排出抑制等のための地域推進計画の策定、公表及び実施状況の公表を義務づけており、早期の計画立案と具体的な施策の実施を強く求めております。
そのため、本市では、17年度に「胎内市地域省エネルギービジョン」を、18年度に「胎内市市有施設ESCO(エスコ)事業導入可能性調査報告書」を策定いたしました。
20年度は、この計画及び調査結果を踏まえ、公共部門では、「率先実行計画」を、民間部門では、行政と市民が一体となって取り組むための「地域推進計画」を策定する予定でありまして、とりわけ、民間部門においては、その推進組織となる地域協議会を設立するなど、その進行管理体制等の整備を図りながら、省エネルギー対策を推進してまいりたいと考えております。
そのほか、上水道事業についてでありますが、20年度は、水道の運営基盤の強化・顧客サービスの向上、安心・快適な給水の確保及び災害対策等の充実などを目標とする「地域水道ビジョン」の策定に取り組み、より安全、快適な水の供給の確保と災害に強い施設整備を進めてまいりたいと考えております。
3 「教育関連」について
19年度から整備を進めております「胎内小学校」についてでありますが、20年度は、校舎棟の建設に着手し、2か年の継続事業で行うほか、屋内運動場・食堂・附帯外溝の実施設計を予定しております。
また、校章の募集や選定方法、校歌の制定方法、通学路及び通学方法について、柴橋・本条統合小学校審議会において審議をしていただくようお願いをし、22年4月開校に向け準備を進めていく予定であります。
次に、「全国学力調査を踏まえた取組み」についてであります。
昨年、実施いたしました「全国学力・学習状況調査」の結果を分析してみますと、「知識」に関する問題に比べ、「活用」に関する問題についての結果が十分でなかったと受け止めております。
この調査結果により、各学校においては課題が明確になったわけですので、達成目標の具体化と授業改善に結び付く学校評価システムの確実な取組みをはじめ、特別支援教育の充実を図る介助員の配置や心豊かで思いやりのある学校生活を築くための「いじめ根絶プロジェクト」、ふるさとのよさに気付き、主体的に学ぶ意欲を育てる体験型学習事業を力強く推進することにより、「生きる力」の育成を図ってまいりたいと考えております。
そのほか、放課後の学童保育として実施している「胎内市なかよしクラブ」とは別に、地域ボランティアの方々の参画を得て、子どもたちと共に学習やスポーツ・文化活動、地域住民との交流活動等を行う「放課後子ども教室」に取組みたいと考えておりまして、そのため、20年度は、運営委員会を立ち上げ、地域住民の皆様の協力を得ながら、取組み内容などの検討を行う予定であります。
このように、胎内市の恵まれた自然・人材環境や文化施設等の地域性を重視し、地域と共に歩む教育の推進に努力してまいりたいと思います。
次に、「第64回ときめき新潟国体」についてであります。
本市では、本年7月中旬に第29回北信越国民体育大会のゴルフ競技少年男子の部が、8月下旬にライフル射撃競技が、そして、9月に国体のリハーサル大会として「全日本社会人ライフル射撃競技選手権大会」が開催される予定であります。
これらの大会を通じて、国体開催機運の醸成を図るとともに、大会運営方法などを細かく検証し、本大会の成功に向け、準備に万全を期してまいります。
また、これらの大会には、選手や役員を始め、たいへん多くの方々が本市を訪れます。折角の機会でありますので、豊かで美しい自然と全国に誇れる観光交流拠点施設など、本市の魅力を全国に向け発信してまいりたいと思います。
4 「医療と福祉、子育て支援」について
市の高齢化率は年々上昇しており、高齢福祉分野における行政運営は年々厳しさを増してきております。
こうした中で、介護予防リーダーの育成とともに足腰の筋力アップや全身の柔軟性の向上を目的に本市で考案しましたスマイル体操の普及など、介護予防の推進に努めているところであります。
今後も地域のお茶の間活動やサロン活動により、高齢者の自立を支援し、だれもが住み慣れた地域で、楽しみを持って、いきいきと、そして、安心して暮らせるよう福祉サービスの推進に努めてまいりたいと思います。
次に、健康診査についてであります。
本市では、これまで基本健康診査の対象を30歳以上として実施してまいりましたが、医療制度改革に伴い、本年4月より40歳から74歳の方を対象にした生活習慣病予防のための特定健診・特定保健指導に移行することとなりました。
そのため、対象から外れることとなる30歳から39歳までの方について、健康増進法に基づき、引き続き市独自の事業として実施することといたしました。これにより職場等で受ける機会のない方も受診していただけるよう配慮しております。
なお、後期高齢者医療制度に移行する75歳以上の方については、広域連合から委託を受けて実施することとしております。
次に、少子化対策の重要な柱である子育て支援事業についてでありますが、ご承知のとおり、本市では、これまで、子ども医療費助成や第3子保育料の無料などの支援のほか、子育て支援センターの開設や保育サービスの充実など、様々な事業を実施してまいりました。引き続きこれらの事業を実施していくとともに、利用者のニーズを十分に把握しながら、時代に即した適切な施策を講じてまいりたいと思います。
また、次世代育成支援対策推進法により、次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、育つ環境の整備を図るため、17年度に「市町村行動計画」を策定し、10年間の集中的・計画的な取り組みを行っているところであります。
この「市町村行動計画」は、策定後5年で見直す必要があるため、20年度は、子育てにおける家庭、地域及び教育環境などについての現状を把握するための調査の実施並びに策定に関しての検討を行う組織の立ち上げをしたいと考えております。
また、妊婦に対する健康診査についてでありますが、昨年厚生労働省から「妊婦健康診査の公費負担の望ましいあり方」の指標を受け、本市でも20年度から妊婦健康診査に係る費用助成を2回から5回に増やし、健診費用の負担軽減を図るとともに、妊婦の健康管理が適切に行われ健やかな出産を迎えられるよう支援をしてまいりたいと考えております。
そのほか、県が行なう特定不妊治療費助成事業の対象とならない不妊に悩む夫婦を対象に、1年度当たり10万円を限度として通算5年度間、治療に要する費用の一部を助成してまいりたいと考えております。
次に、児童虐待に対する市の取組みについてでありますが、昨年から、健康福祉課に児童福祉司を配置し、県の児童相談所と連携を取りながら、子どもやその家庭が持つあらゆる問題について相談を受け、専門的な立場からその解決を図るための助言や指導を行っております。
また、要保護児童等の通報及び相談については、早期発見・早期対応が重要であることから、昨年「要保護児童対策地域協議会」を設置し、ネットワークの構築や研修会等の開催により、関係機関との連携強化を図っているところであります。
20年度も引き続き、児童虐待防止のため、広報・啓発活動や研修会の開催など様々な取組みを実施し、家庭や学校、地域など社会全般にわたり、児童虐待問題に対する深い関心と理解が得られるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、全国的な社会問題となっている医師不足についてでありますが、この件については、本市においても中条中央病院の常勤内科医師や県立坂町病院における産科・整形外科の常勤医師等の確保が喫緊の課題となっております。そこで、地元医師会を始め、県病院局や県内外の大学病院などあらゆる機関に働きかけておりますが、残念ながら医師招致に結びついていないのが現状であります。
今後も粘り強く、関係機関に働きかけてまいりたいと思います。
また、現在、休日診療所や関係病院が当番で休日の診療業務にあたる「病院群輪番制病院運営事業」が実施されておりますが、このように、市民の皆様が安心して医療を受けられるような体制づくりにも力を入れてまいります。
5 「産業の振興と地域の活性化」について
初めに、企業誘致についてであります。
昨年11月に株式会社エーゼットが、本年1月に株式会社スピードパーク新潟が中小企業基盤整備機構と賃貸借契約を締結いたしましたし、さらに、今春の決定に向け、もう1社の誘致活動を進めているところであります。
今後も企業誘致委員会や企業誘致促進特別委員会の皆様からご意見をいただきながら積極的な誘致活動を行っていきたいと考えております。
また、現在、県と胎内市の両商工会及び中小企業基盤整備機構とともに、「胎内市地域産業活性化協議会」を設置し、企業立地促進法に基づく産業集積の形成及び活性化に関する基本計画を策定しております。この計画は、企業誘致に対する積極的な姿勢を示すとともに、国の同意を得ることにより、進出企業の税制上の特例措置や緑地面積の緩和措置など、各種支援措置を受けることが可能となるため、本年3月の同意を目指し、現在、国との協議を進めているところであります。
いずれにいたしましても、中核工業団地は大区画に対応できる用地を有しておりますので、関係機関と十分連携を取りながら、引き続き、企業への訪問活動と情報提供を強化して、さらなる企業進出の実現に向け取り組んでまいりたいと考えております。
次に、グリーンツーリズムの推進についてでありますが、昨年6月に「胎内型ツーリズム推進協議会301人会」を設立し、その事業計画に基づいて体験学習旅行の誘致、都市住民との交流、地域の農産物や特産品の販売促進に向けて事業を推進しているところであります。
また、国では、20年度から総務省、文部科学省、農林水産省の3省が一体となって「子ども農山漁村交流プロジェクト」を実施することとしております。
このプロジェクトは、学ぶ意欲や自立心、思いやりの心などを育み、力強い子どもの成長を支える教育活動として、学校における農山漁村での長期宿泊体験活動を推進するものであります。
本市では、このプロジェクトを受けて、都市や市内の小・中学生が市内の農家等に宿泊してもらうとともに、交流によって受入側である農山漁村、特に女性、高齢者が、いきいきと生活し、地域全体が活性化できるような仕組みを構築したいと考えております。
次に、観光事業の推進についてであります。
新潟県では、国体が開催される2009年を「新潟県大観光交流年」と銘打って、JRグループと市町村観光関係者の協力のもと、「デスティネーションキャンペーン」という大型観光イベントを計画しております。20年度には、そのプレキャンペーンが開催される予定でありまして、この機会を最大限に生かしながら、本市の美しい自然や貴重な歴史・文化遺産等を発信してまいりたいと思っております。
特に本市には、新鮮な食材や、個性あふれる特産品が豊富にありますので、これら「食」を中心としたイベントを企画したいと考えております。
また、特産品に関する明るい話題として、喜ばしいことに、昨年11月に開催された国内チーズ界最高峰の大会である「ALLJAPANナチュラルチーズコンテスト」へ山羊のミルクを使用して作りましたチーズ、「サントモール」を出品したところ、優秀賞と審査委員特別賞の2賞を受賞できたことは、全国に向けよいPRができたのではないかと思っております。
また、ワインについてでありますが、新潟フルーツパーク株式会社において、ワインの材料となるブドウの、栽培から収穫までを専門に管理する工程が確立されたとのことなので、今後、品質の安定したブドウの供給がなされるものと思います。
いずれにいたしましても、平成20年度が本格的な醸造の幕開けとなりますことから、ワインの品質の向上を図るとともに、提携業者などに積極的なPRを行い、販売強化の促進を図ってまいりたいと考えております。
地ビールに関しましても、外販はともかく、ビール園における販売が低調であることから、経営の合理化と同時に魅力のある企画を十分に練って、誘客向上を図っていかなければならないと思っております。
その他、乳製品と食肉加工品は、19年度においてデパートやスーパーなどで販路が広がり、実績も上がってきておりますので、更に拡大していきたいと思っておりますし、新たな販売推進策を検討し、特産品全体として好ましい成果を挙げられるよう努力していきたいと考えております。
これら全国に誇れる胎内市固有の特産品を、積極的にPRし、集客あるいは、地域振興に結び付けてまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、本市の観光事業の推進にあたっては、当然、自らが主体となって、地域の魅力を十分に活用した取組みをしてまいりますが、本年4月に、県において、「観光局」が、10月に、国において、観光行政を専門に扱う「観光庁」が発足することから、今後は、国県を挙げての観光行政が推進されることと思います。今後これら関係機関との連携強化を図りながら効果的・効率的な取組みにも力を入れてまいりたいと思います。
次に、胎内リゾートの経営診断と活性化方策に関する20年度の計画についてでありますが、昨年、議員の皆様に報告いたしましたロイヤル胎内パークホテル等の経営診断報告書、経営改善提案書及び胎内リゾート活性化方策に関する調査検討業務の中間報告につきましては、新聞報道などもあり、市民及び議員の皆様を始め、多くの方々から貴重なご意見・ご指導をいただきました。これらの意見等を真摯に受け止め、今後の胎内リゾートの運営にあたってまいりたいと思います。
20年度は、財団法人日本交通公社に「胎内市観光振興ビジョン」、「胎内リゾート活性化マスタープラン」及び「胎内リゾート活性化アクションプラン」の策定並びにホテル部門等における経営手法の抜本的な改革を委託し、公社からの提案に基づいて、胎内リゾート活性化検討委員会などの慎重な審議を経て、各施設の管理運営方法など、できるものから実施していきながら、最終的な胎内リゾートの方向性を決定する予定であります。
さらに、この各プラン等に基づいた企画・宣伝・誘客活動等を早期に展開し、胎内リゾートの活性化に繋げていきたいと考えておりますので、議員各位のご理解をお願いいたします。
次に、19年度から始まりました品目横断的経営安定対策についてでありますが、農林水産省では、地域の実情を踏まえて、20年度に面積要件、認定農業者の年齢制限、10パーセントを超える農産物価格の下落への対応、申請手続き等の見直しを行う予定であります。
本市では、こうした動向を踏まえて、19年度に対策の対象とならなかった農業者及び集落に対して、農業委員会、JA等の関係機関・団体と連携を一層深めながら、集落座談会の開催、優良事例の紹介等を行い、認定農業者への誘導及び集落の組織化を推進し、地域農業のさらなる活性化を図りたいと考えております。
また、既に対策に加入している認定農業者や集落営農組織については、国及び県の助成事業を活用し、規模拡大や法人化に向けた条件整備を促進することで、活力ある農業経営体となるよう育成していきたいと考えております。
次に、農業基盤整備の状況についてでありますが、ほ場整備事業につきましては、残すところ4地区となりました。築地・本条及び近江新地区においては、既に面工事が完了しており、20年度は、暗渠排水工事及び確定測量等が実施される予定であります。また、柴橋地区においては、20年度で面工事を完了する予定でありまして、これにより、本市で計画をしているほ場整備事業の面工事がすべて完了することとなります。
湛水防除事業につきましては、落堀川地区並びに乙地区で排水路工事を施工いたしますし、かんがい排水事業胎内川沿岸地区につきましては、中条江で半山から関沢地内までを、三之江で黒川南工業団地から下江端地内まで用水路工事を施工することとしております。
下越中部広域農道整備事業につきましては、引き続き、鷹ノ巣集落内から本郷町方向への道路整備及び県道中条紫雲寺線から浄化センター方向への舗装工事が実施される予定であります。
そのほか、日本海沿岸東北自動車道関連としましては、引き続き中条インターチェンジから荒川インターチェンジ間の整備並びに乙バイパスの整備が実施される予定であります。
今後も計画どおりに実施されるよう、国、県や関係機関へ強く働きかけてまいりたいと考えております。
なお、農地・水・環境保全向上対策事業につきましても、引き続き、国及び県と歩調を合わせながら、共同活動の支援を実施してまいりたいと思います。
6 「新しい市政運営スタイルと行政改革等」への取組みについて
昨年11月に「もったいない運動」を研究する組織として、「もったいない庁内研究会」を発足いたしました。
研究会としては、職員一人ひとりに「もったいない」という言葉の持つ、深遠な意味の再認識を促し、市役所における理念・目標の設定と各課の取組内容を検討することで、「もったいない運動」に対する機運の醸成を目指してまいります。
まずは、身近なことから取組みを始め、最終的に行政と市民とが協働して取り組むことができる体制づくりができればと考えております。
すなわち、効率のよい行財政運営を行うこと及び地域の活性化が、「もったいない」から「もっと胎内」への誘導に繋がると考えますので、職員一丸となり取り組んでまいりたいと思います。
次に、行政改革の取組みについてでありますが、先般、行政改革大綱を策定し、行政サービスの向上と効率的・効果的な行政運営の確立を目指し、鋭意取り組んでいるところであります。
この改革の一環として、19年度に事務・事業評価を実施いたしました。その結果、約半数が見直しや縮小あるいは廃止・休止という総合評価に至りましたので、これを20年度以降の行政運営に反映させ、改革・改善を図っていくこととしております。このようなマネジメントサイクルを構築させることで、効率的で質の高い行政サービスの実現を目指すとともに、市民満足度の向上に努めてまいりたいと考えております。
行政改革は不断に取り組むべき課題でありますので、市政の重要施策として捉え、その手綱を緩めることなく邁進してまいりたいと思います。
次に、補助金等の見直しについてでありますが、施策目的を効率的に達成するための有効な手段である補助金制度自体には、十分な存在意義がありますが、補助金等の財源の多くには、市民の皆様の税金が使われていることから、その必要性、公平性、透明性そして公益性が確保され、皆様の理解が十分に得られるものでなければなりません。
そのため、補助金等の全般的な見直しに関するガイドラインを策定いたしました。
今後、このガイドラインに従い、原点に立ち返って総点検を実施し、基準等の明確化と制度全般の透明性の確保を図り、広く市民の皆様の理解が得られるものへ転換してまいりたいと考えております。
また、県からの事務・権限の移譲につきましては、地方分権を実現する手段の一つであり、市民の皆様の意向を行政に反映しやすくなることから、移譲効果の大きいものから導入してまいりたいと考えております。
本年度は、パスポートに関する事務や農地の権利移動に関する事務など、合計で9つの事務について4月から権限移譲を受ける予定であります。
市といたしましては、これまで以上に住民ニーズに合った施策を執行できるよう、今後も権限移譲に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
そのほか、地図情報システム、いわゆる統合型GIS(ジーアイエス)のデータ構築も終り、20年度から運用を開始いたします。
このうち、庁内向けGISは、庁内の情報を共有化し、付随する情報データを全庁的に利用することにより、コスト削減、業務の効率化、利便性の向上を図ることができることから、迅速な災害対応や質の高い行政サービスの実現に繋がるものと期待しております。
一方、市民公開型GISは、個人情報保護の観点から、地形図と広域図、航空写真の閲覧のみとなりますが、行政だけではなく市民の皆様からも道路情報や不審者情報などを地図上で通報していただく機能や、市民同士の情報交換が可能となるメモ機能を持たせておりますので、いずれは、市民の皆様からの情報に迅速に対応できるようになればと思っております。
さらに、避難施設、福祉施設、文化施設など暮らしの情報もGISで提供する準備を進めておりますので、このシステムが市民の皆様にとって、有益なものとなればと考えております。
以上、新年度を迎えるにあたり、私の施政方針の一端を述べさせていただきましたが、今後も市民本位の行政を執行すべく気概を持って市政の運営にあたってまいりますので、議員並びに市民の皆様におかれましては、より一層のご支援・ご協力をいただきますよう心からお願い申し上げます。