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新潟県 胎内市

自然が活きる、人が輝く、交流のまち“胎内”

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ホーム > 市の紹介 > 市長室だより > 施政方針・市政報告 > 平成22年第1回胎内市議会定例会

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更新日:2014年3月3日

平成22年第1回胎内市議会定例会

平成22年度の施政方針(要旨)


便宜上、見出しを付けています。

1はじめに
2「安全に安心して快適に暮らせるための地域づくり」
3「地域活力を創出する環境づくり」
4「自然が活きる、人が輝く、交流のまちづくり」
5「健全な財政運営に基づくまちづくり」

1 はじめに


アメリカに端を発した金融危機は、世界経済全体に負の連鎖をもたらし、日本経済も大きな影響を受け、「景気悪化」、「雇用危機」、「生活破壊」などの悲観的な状況が続いており、私ども自治体を取り巻く環境も一段と厳しさを増しております。
このような状況下における市政運営には、柔軟な発想と時機を逸することのない決断力が求められると思います。

現在、経済情勢は少しずつ持ち直してきているといわれておりますが、回復の見込みは立たず、未だ厳しい状況下にあり、先行きにつきましても、雇用情勢の一層の悪化やデフレなどのリスクが存在し、経済が民需主導の力強い成長路線に復帰するための基盤は、依然として脆弱であります。
こうした経済状況を踏まえ、景気の底割れを防ぐべく「緊急的な対策」として、過去最大規模の財政支出を講じた国の第1次補正予算が執行され、胎内市にも、地域活性化・経済危機対策臨時交付金として約3億300万円が交付されることとなっております。
本臨時交付金を活用する事業につきましては、政府が策定した地方再生戦略、又は経済危機対策の趣旨に沿うことに加え、事業の重要度、市民の必要度及び市内業者への影響度などを総合的に勘案して選択いたしました。
主な事業としましては、道の駅としての機能を持たせた観光交流センターの建設事業、商店街の活性化を図るための福引券交付事業、防災・安全対策としての石綿管の更新事業等々に着手してまいりました。
このように、自主財源のみではなかなか実施できない事業に取り組むことができたわけですが、事業の実施においては、その施工を地元の企業等に発注することができたり、また、福引券交付事業や自治会活動応援交付金のように、地元の商工振興や地域のコミュニティ活動の一助となる事業に取り組むことができたりと、本臨時交付金がもたらす効果を地域の皆さんと享受できたものと考えており、相当の地域活性化への効果があったものと推察しております。

しかしながら、急激な円高や株安、そしてデフレという現在の景気状況を見ましても、引き続き、地方経済を下支えする経済対策施策が必要であると思っております。
このような状況の中、先般、国では緊急経済対策を盛り込んだ第2次補正予算が成立しました。
この第2次補正予算には議員の皆様もご承知のとおり、地方公共団体によるきめ細かなインフラ整備等を支援することを目的とした「地域活性化・きめ細かな臨時交付金」が盛り込まれております。
市では約1億3,645万円が交付される予定であり、道路改良工事、橋梁補修工事、保育園・小中学校等の公共施設の維持補修工事など、地元雇用の拡大につながり、かつ、中小の地元事業者が受注可能な事業に活用して、市の活性化につなげてまいりたいと考えております。
いずれにしましても、国の第1次・第2次補正予算及び平成22年度当初予算において、きれ目のない景気浮揚施策及び雇用促進対策等を展開してまいりたいと考えております。

また、平成19年4月にスタートしました第2期地方分権改革は、地域主権戦略会議において昨年12月に閣議決定されました、地方分権改革推進計画のもと、国と地方の協議の場の法制化、分権計画の義務付け・枠付けの見直し、基礎自治体への権限移譲、補助金の一括交付金化、地方税財源の充実確保などが議論されまして、地域主権推進法が制定される予定であります。
地域主権は、「住民自らが自らの地域のことを考え、自らの力で治めていくこと。」であり、「地域のことは、市町村が自主性を持って、自らの判断と責任の下で、個性豊かな活力に満ちた地域社会を築いていくこと。」だと思っております。
この地域主権の意義を十分に認識し、今後の国等の動向を注視しながら主体性を持って、市民サービスの向上や地域の特性を活かした全国に誇れるまちづくりの実現に向けて、市民の皆様の期待に沿えるよう、市民一人ひとりの声に耳を傾け、議会との連携を大切に、全力を尽くしてまいりたいと思います。


2 「安全に安心して快適に暮らせるための地域づくり」

(1)教育環境の向上について
市では子どもたちの健全育成を目指し、各学校や関係諸団体と連携を図りながら、その支援に努めております。
平成20年度より市内の小学生を対象に実施しております「ふるさと体験学習」は、市の豊かな教育資源等を活用した、自然体験活動をはじめ、農家泊を伴う長期宿泊体験活動も含めた様々な体験活動を行うことにより、子どもたちに学ぶ意欲や自立心、思いやりの心、規範意識などの豊かな人間性や社会性を育むために重要な教育活動として、引き続き事業促進を図ってまいりたいと考えております。
今後も新学習指導要領に基づき、各教科とリンクをさせたプログラムを模索するなど、さらなる充実を図ってまいりたいと考えております。
また、外国語教育におきましては、ご承知のとおり、新学習指導要領により平成23年度から小学校高学年を対象として「外国語活動」が採り入れられることになっております。
高学年の児童に対しては、外国語指導助手、いわゆるALTを年間35時間確保できるように配置し、積極的にコミュニケーションを図る態度を育成し、言語・文化に対する理解を深めるとともに、英語ノートの活用や職員研修の充実を図りながら英語の音声や基本的な表現に慣れ親しませ、コミュニケーション能力の素地を養ってまいります。
また、近年急速なIT化が進む現代社会において、IT機器の使用が必要不可欠となっていることからも、コンピューターで文字を入力するなどの基本的な操作や情報モラルを身に付け、適切に活用できるようにするための学習活動の充実を図ってまいります。
さらに、小中学校において、特別な支援を要する児童生徒の学習支援や学校生活支援の必要性から、学習補助教員や介助員を配置することにより、個々に応じたきめ細やかな指導ができるように配慮するとともに、そうした児童生徒の保護者の経済的な負担軽減にも努めてまいります。

(2)胎内小学校の平成21年度の状況及び平成22年度の計画について
平成21年度は、平成20年度から2ヶ年で進めております校舎棟建設工事を始め、屋内運動場・食堂・附帯外構の建設工事を実施しており、3月末までに完了する運びとなっております。
また、4月の開校に向け着々と準備を進めているところであり、校歌につきましても開校式で披露したいと考えております。
平成22年度の計画につきましては、環境教育の一環として自然生態系の観察モデルを整備するビオトープ整備工事、プール建設工事、部室建設工事を予定しております。

(3)耐震診断・工事の状況について
平成21年度は、黒川小、鼓岡小及び黒川中学校の耐震診断を行い、中条小学校昇降口、保健室棟及び屋内運動場、中条中学校特別教室棟及び屋内運動場につきましては、改築工事を発注し、中条中学校管理教室棟及び築地中学校教室棟につきましては、耐震補強実施設計を行っております。
また、図書館、中央公民館、中条体育館、黒川体育館、村松浜地域体育館につきましても、耐震診断を実施しており、結果につきましては、平成21年度末に判明する予定となっております。
平成22年度につきましては、耐震診断結果に基づきまして、中条小、黒川小、鼓岡小、大長谷小及び黒川中学校校舎・屋内運動場の耐震補強実施設計を予定し、また、築地中学校校舎の耐震補強工事を予定しております。
また、黒川地区公民館、総合グランド体育館の耐震診断を行う予定としており、耐震改修工事につきましては、現在耐震診断を実施しております図書館、中央公民館、中条体育館、黒川体育館、村松浜地域体育館の5施設の診断結果に基づき検討してまいりたいと考えております。

(4)スポーツ振興事業について
総合型地域スポーツクラブの発足に向けて取り組んでまいります。
総合型地域スポーツクラブは、競技志向までは行かない運動をしたいという人たちを対象に、子どもから高齢者まで多種目のスポーツを楽しめる、健康づくり・仲間づくりに主眼を置いたスポーツクラブです。
平成23年度の設立に向け、現在、行政主導型で、市社会体育指導員を中心として各種団体から運営委員を委嘱し、各種スポーツ教室等を開催しながら準備を進めているところであります。
平成22年度は、設立準備委員会を立ち上げ、年間プログラム・規約・会費等、詳細な事項を決定し、会員募集を含め市民の皆様にお知らせする予定であります。

(5)子育て支援について
国では、進行する少子化に対処するため、少子化対策の抜本的な拡充・強化・転換を掲げ、平成22年度には新たな次世代育成支援対策として、「子ども手当」や「公立高校授業料の無償化」等の創設を始め、父子家庭への児童扶養手当の支給拡大等を予定しており、県においても、子育て支援関連事業については、対象拡大・強化の方向で検討中とのことであります。
市では、こうした国・県の動きに合わせながら、市民のニーズや地域特性を考慮した特色のある「子育ての胎内市」を目指し、平成21年度末で策定が完了します「胎内市次世代育成支援行動計画」の後期計画に基づき、市民が安心して子どもを産み育てることができるよう、より一層の子育て支援の充実に取り組んでまいりたいと考えており、延長・一時保育等の特別保育事業や乳児・子供に対する医療費助成事業等を引き続き推進してまいります。
なお、赤ちゃんに恵まれないご夫婦への不妊治療費の助成や年14回までの妊婦検診の無料化など少子化対策にも引き続き取り組んでまいります。

(6)高齢化に対応する施策について
市では、介護予防事業に継続して取り組み、高齢者が活き活きとした生活を送ることができるよう引き続き支援をしてまいります。
また、要介護状態になった場合においても安心して暮らせるよう、介護保険関係事業者や医療機関等との連携を強化し、支援体制を充実させていくとともに、これからも支援を必要とする方への地域住民の支え合い活動として、認知症者とその家族の応援者である認知症サポーターの養成に引き続き取り組んでまいります。
現在、約300人の認知症サポーターが養成されておりますが、今後もサポーターの自主組織づくりや活動内容の充実・拡大等についても支援してまいりたいと思います。
また、一般の公共交通機関を利用できない高齢者に対しましては、移送車両で医療機関等への送迎を行い、加えて、在宅で要援護高齢者や要援護となるおそれのある高齢者等には、市のデイサービスセンターで生きがい活動や交流を行うことにより、孤独感の解消や、閉じこもりの予防を図り、高齢者が活力のある暮らしができるような地域社会づくりに引き続き取り組んでまいります。

(7)身体に障がいをお持ちの方に対する取組みについて
障害者自立支援法では、これからの障がい福祉施策は、福祉施設への入所又は病院への入院から自立した地域生活に向けて転換を図ることが求められています。
市では、外出のための支援として、一般の交通機関を利用できない、身体に障がいを持つ皆さんに対しまして、移送車両で医療機関への受診や福祉施設への送迎を行い、加えて、社会生活上不可欠な外出、余暇活動等、社会参加のための外出の際における介助支援を引き続き行ってまいります。

(8)新型インフルエンザ対策について
平成21年3月に策定しました「胎内市新型インフルエンザ行動計画」等により適切に対応しているところであり、今後も新しい情報等は適宜市民の皆様に市報等を通じて提供してまいります。
また、接種助成については、市の単独支援事業として、昨年11月から少子化対策・子育て支援等を目的に妊婦、1歳から小学校6年生までの児童、1歳未満の乳児の保護者1人に対して一律3千円を支給してきたところであります。
1月末現在で761人の方が助成を受けており、関係者から大変喜ばれております。
平成22年度につきましても国県の動向を注視しながら適正に対応してまいります。

(9)保健事業について
市は県より歯科保健計画のモデル市町村の指定を受け、胎内市健康増進計画である「健康たいない21」の見直しと整合を取りながら、市民参画による計画策定を進め、市民の皆様を主体とした「人づくり・健康づくり・元気づくり」を推進してまいります。

(10)災害に強いまちづくりについて
これまで防災行政無線の導入等防災体制の強化を図ってまいりましたが、今後はさらに防災行政無線等を通じ、災害防止に関する基礎知識や地域の情報等を、市民に対し正確かつ具体的に、そして迅速に提供することに努めるとともに、市民・地域による防災まちづくりへの支援と、防災体制の強化を進めて災害に強いまちづくりに取り組んでまいります。

(11)住宅等建築物の耐震化に対する取り組みについて
市では「胎内市住宅・建築物耐震化促進計画」を平成19年度に策定し、昭和56年5月31日以前に建築された、現行の耐震基準に満たない一般木造住宅の安全性を評価する耐震診断に要する費用の一部を平成20年度から助成しております。
平成22年度も引き続き、耐震診断の費用に対しての一部助成を実施するとともに、新たに診断後に耐震性が不十分である一般住宅についての耐震設計・工事の一部助成も行う予定であります。
今後も、耐震化への普及啓発を行い、災害に強いまちづくりの実現を目指すとともに、市民の生命と財産を保護するため、耐震化計画を促進していきたいと考えております。

(12)住宅リフォーム助成制度について
昨年度に引き続き、市民の皆様が自己の居住する住宅等を市内の施工事業者を利用して改修工事を行う場合、その経費の一部を助成してまいります。
これら耐震化・リフォームに係る助成事業により、市民の皆様の安心・安全な生活環境の実現を目指すとともに市内事業者の活性化を図ってまいります。

(13)都市計画について
市では平成21年度から旧中条町・旧黒川村を一つの区域とする胎内市の実現すべき具体的な都市の将来像とまちづくりの方向を定めるため、「胎内市都市計画マスタープラン」の策定に着手しております。
昨年12月に「胎内市都市計画マスタープラン策定委員会」を立ち上げ、現況の整理・住民へのアンケートによる意向調査・まちづくりの課題整理・まちの目標像とまちづくりの方向設定・分野別整備方針の策定を行い、平成22年度は、中条・築地・乙・黒川地区ごとにワークショップを実施して地域別構想を策定し、まちづくりの推進方策の検討などを行い、胎内市のこれからの都市づくりの目標やあり方を示すために、総合計画・新市建設計画等と整合を図りながら「胎内市都市計画マスタープラン」を策定する予定であります。

(14)市営住宅8号棟の建設について
平成22年度に実施設計を行い、平成23・24年度の2ヶ年での建設を予定しております。
その後の建設計画につきましては、入居待機者数や市営住宅全体の空き状況を考慮しながら、県で策定しております「地域住宅計画」に盛り込むことを検討してまいります。
また、平成22年度に市営住宅の長寿命化計画を策定し、屋根・外壁等の老朽化が進んでいる住宅を計画的に補修しながら長寿命化を図り、より良い住宅環境の整備をしてまいりたいと考えております。

(15)土木関係事業の概要について
生活路線の整備としまして西中央通り線の交差点改良を平成21年度に引き続き行ってまいります。
また、新市建設計画に登載されております都市計画道路の中条駅前通り線については、平成21年度に引き続き、県による用地買収が行われる予定であります。

(16)水道事業について
公共下水道事業の計画に併せて、つつじが丘、塩津、北成田地内の配水本管、全長776メートルの移設工事を実施してまいります。
また、水道管整備の重点課題であります石綿管と老朽管の更新事業は、財政資金計画と年次計画に基づき着実に整備を進めているところであり、引き続き東本町地内において布設管の取替工事を実施してまいります。
施設関係では、安定した水道水の供給を図るため、浄水場、配水池のほか、各施設の修繕、維持管理にも努めてまいります。

(17)公共下水道事業について
管渠工事では、平成21年度に引き続きつつじが丘、塩津、新舘、北成田地内で工事を進めてまいります。
この結果、認可面積784ヘクタールに対しまして、整備済面積が平成22年度末で643.4ヘクタールとなり、整備率が82.1パーセントとなる見込みであります。
処理場の工事では、水処理施設の増設工事が平成21年度で完了し、平成22年度からは5ヶ年計画で処理場の長寿命化工事に着手します。
また、平成22年度につきましては、最初沈澱池の防蝕工事を実施します。

(18)胎内市環境基本計画策定及び省エネルギー対策と新エネルギー事業の展望について
エネルギー資源に乏しい我が国は、特定のエネルギーに頼るのではなく、様々な種類のエネルギーを組み合わせて、エネルギーの安定供給を図っていくことが必要であり、何よりも、水力発電や風力発電、太陽光発電などの自然エネルギーは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出が非常に少ないことから、地球温暖化防止への取り組みを考える上でも非常に重要なエネルギーであります。
市には、胎内川水系の豊富な水資源を利用した「鹿ノ俣発電所」、「風倉発電所」があり、4月に開校します胎内小学校には太陽光発電施設が設置されます。
また、「風力発電施設」の誘致につきましては、今後も事業者と計画地域住民との対話を重ねながら慎重に進め、平成24年3月の稼動に向けて推進してまいりたいと考えております。
これらの新エネルギー施設は、限りある資源の枯渇化を防ぎ、エネルギーの安定供給の観点からも相当の効果が期待されます。
また、省エネルギー対策につきましても、地球温暖化防止の観点から、非常に重要になってきております。
市では、地球温暖化防止対策の推進を図るため、これまでに「胎内市地域省エネルギービジョン」、「胎内市市有施設エスコ事業導入可能性調査報告書」を策定してまいりました。
また、平成21年度末には、市のすべての公共施設及び事務・事業活動を対象に、省エネルギー型のOA機器の導入や事務機器の省エネルギー管理及び照明機器管理等による電気使用料の削減、施設の冷暖房温度設定の適正化や公用車による急発進・急加速や不要なアイドリングをしない等エコドライブ実施による燃料使用量の削減、資源ごみの回収によるリサイクルの徹底やごみを発生させない、ごみにせず再利用する、資源として再活用する3R運動の推進による廃棄物の減量化等について個別の削減目標を設定し、市職員が率先して環境に配慮し、環境保全行動を積極的に展開する「地球環境にやさしい胎内市の率先行動計画」が完成する予定であります。
平成22年度は、これらのビジョン・報告書・計画を踏まえ、環境の保全及び創造に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、市民環境ワークショップを開催し、市の環境の現状と課題を整理しながら、豊かで快適な環境の保全及び創造に関する施策について「胎内市環境基本計画」を策定して、市の環境施策の将来ビジョンを明示し、市民・事業者・行政の協働の下に、各種環境施策を推進していく予定であります。

(19)悪臭など環境問題に対する市の対応について
築地地区及び乙地区における畜産事業所の悪臭問題に対する取組みにつきましては、引き続き悪臭防止法に基づき、臭気測定を実施し、臭気指数の基準を上回った事業所には改善計画書の提出を求め、事業所への立入検査、改善指導を行ってまいります。
また、事業所周辺のパトロールを強化し、逐次、改善状況や住民への被害状況の把握に努めてまいります。
各事業所におきましては、さまざまな改善対策を講じてきておりますが、未だ解決には、至っていないことから、悪臭改善につながる有効な対策を提示しながら、改善勧告、改善命令も視野に厳しく対応を求めてまいります。
また、ごみの不法投棄対策につきましては、環境パトロールをより強化し、看板、監視カメラ等の設置と併せ、地域における環境団体や県の環境センター、胎内警察署、下越森林管理署などの関係機関とも連携しながら取り組みを進めてまいります。


3 「地域活力を創出する環境づくり」


(1)農業振興に対する取組みについて
平成22年度から始まります戸別所得補償モデル対策は、今までの生産調整を廃止し、水田農業を立て直すため、平成23年度から本格実施する農業者戸別所得補償制度のモデル対策を平成22年度に実施するものです。
このモデル対策の概要でありますが、水田農業の経営安定を図るため、恒常的に赤字に陥っている「米」に対して補てんする米戸別所得補償モデル事業と自給率の向上を目指し、麦大豆、米粉用米、飼料用米などに助成する水田利活用自給力向上事業を併せて実施するものであります。
また、自給率向上事業では、交付単価がこれまでの対策に比べ減少する場合には交付単価の調整を行う、激変緩和措置も示されました。
そのため、市では、これらの事業を周知するため、1月25日から28日の4日間、地区ごとに農家組合長等への説明会を開催し、その時点での情報をもとにお知らせしたところであります。
しかしながら、農業者戸別所得補償制度には未確定の部分が多く、今後は国の動向を注視しながら情報を的確に捉え、本制度の活用を図り、農業に従事される方の支援に努めてまいりたいと考えております。

(2)農業基盤整備の状況について
国予算の削減等厳しい状況下でありますが、ほ場整備事業につきましては、築地・本条・柴橋3地区で暗渠排水工事を220ヘクタール予定しております。
湛水防除事業につきましては、乙地区の堀川排水路の護岸工事485メートル、落堀川地区の排水路工380メートルを予定しております。
また、かんがい排水事業胎内川沿岸地区につきましては、並槻用水路570メートルを予定し、胎内川両岸の幹線用水路の整備を一部残し、事業につきましては、ほぼ完了する予定であります。
また、下越中部広域農道整備事業につきましては、3月末に全て完成する予定であります。
なお、地域ぐるみで取り組んでおります農地、農業用水路等の保全管理を行う農地・水環境保全向上対策事業は、平成22年度で4年目を迎え、各地域組織において独自の取り組みも計画されており、引き続き国及び県と歩調を合わせながら、共同作業の支援を実施してまいります。

(3)企業誘致の推進について
新興国の経済活動等の影響もあり景気は緩やかな回復を見せていると言われるものの、企業立地の動きとしましては、円高や国内需要への不安もあることから、輸出関連産業において生産拠点の海外移転が心配されるなど厳しい状況となっております。
企業立地に向けた取り組みとしましては、環境関連や医療、食品など、需要が見込まれる分野等への情報発信により業界の情報収集に努めてまいりました。
今後も、製造業に限らず立地が可能と思われる業種について広く調査を行い、企業立地を促進するよう取り組んでまいりたいと考えております。
また、既存企業への支援策としましては、追跡調査、いわゆるフォローアップ活動としての情報収集と動向調査や課税免除、助成金などの優遇制度等の情報提供を行い、雇用増大につながる取り組みを行ってまいりたいと考えております。

(4)雇用対策について
ハローワーク新発田管内では、有効求人倍率が、前月比、若干上昇したものの依然として低い状況でありまして、雇用の確保が急務となっております。
市といたしましても、有効求人倍率を上昇させるため、平成22年度予算には、地域経済活性化のための様々な施策を講じる予算のほか、国の緊急雇用対策事業を活用して雇用者数で53人が雇用できる人件費及び事務費を計上させていただいております。
また、学卒者などへの雇用の創出や確保のため、ハローワーク新発田や新発田圏域の高等学校と連携し、中条町商工会・黒川商工会へ雇用に関する要請を引き続き行ってまいります。
今後も、地域の雇用促進のため関係機関との連携による新たな雇用の創出に努めてまいりたいと考えております。
中小企業者への支援策といたしましては、育成資金及び運転資金の融資支援のほか、国の緊急信用保証制度が迅速かつ円滑に受けられるよう金融機関と更なる連携強化を図ってまいります。

(5)観光振興に対する取り組みについて
平成20年度に策定されました胎内市観光振興ビジョンを基に、市の豊かな自然、多様な歴史文化、豊富な農畜産物、温泉などの観光資源を活かした魅力ある体験型観光事業を展開するため、観光振興ビジョンの基本コンセプトである「オンリーワンのふる里づくり」を推進し、市を訪れた観光客の皆様に「また来たい」と言っていただけるよう観光まちづくりの推進に努めてまいります。
また、本年4月にオープンいたします観光交流センターは、体験型「ふる里づくり」の中核として「食」や「農作業」、「自然体験」をテーマとした生活文化や触れ合いをテーマとした交流施設として関係団体や市民が集い憩える場としての機能のほか、市の観光情報発信の拠点として施設運営を行ってまいりたいと思います。加えて、効率的な施設運営を行うため指定管理者制度を導入します。
また、新たな観光交流事業の強化、観光まちづくりを推進するため胎内市観光協会及び株式会社胎内リゾートと連携を図りながら、市民・各種団体等から構成される観光まちづくり組織を構築してまいりたいと思います。
なお、県では平成22年度におきましても「大新潟観光キャンペーン」を実施する方向で準備が進められておりますので、市といたしましても、昨年度の活動実績や観光動態を踏まえ、更に充実した事業展開に努め、誘客力の向上を図りたいと考えております。

(6)胎内リゾート活性化に対する取り組みについて
平成20年度に策定いたしました「胎内リゾート活性化マスタープラン」、「胎内リゾート活性化アクションプラン」に基づき、胎内市観光施設の経営改革・活性化及び観光振興に取り組んできたところであり、先の定例会において議決をいただきましたとおり、胎内リゾート施設の管理運営につきまして、平成22年4月から第3セクターであります株式会社胎内リゾートを指定管理者として指定し、その管理運営、企画営業・経営改革等に、民間企業のノウハウを最大限に活用して取り組んでいくこととしております。
現在の状況でありますが、指定管理に関する基本協定書の締結を完了し、退職派遣職員の同意の手続き及び職員の派遣に関する取決めについて会社と協議を重ね、契約の締結を完了したところであります。
また、株式会社胎内リゾートにおきましては、会社設立に関する関係官庁への各種の設立届け出を行うとともに、事業運営に必要となる営業関係の許認可手続きを行っているところであります。
今後、新社員の採用及び研修など胎内リゾート施設のスムーズな移行に備え、引継ぎ準備を順次進めてまいりますので、皆様のご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。

(7)グリーンツーリズムの推進について
平成21年度までに民泊農家の確保、農業体験等のメニューの整備などの受け入れ体制がほぼ整い、ふるさと体験学習、教育旅行などの受け入れにより延べ1,500人の市内外の小中学生が地域の方との交流や農業体験を行いました。
これにより、農家泊等の収入による経済効果と併せ、子ども達の元気さや笑顔によって地域の活性化につながるという社会的な効果をもたらしたと確信しております。
平成22年度も、引き続き市内小学生のふるさと体験学習と市外の小中学校を対象とした教育旅行の誘致を推進するとともに、首都圏や新潟市の旅行業者と連携し、一般の方を対象とした自然・農業体験を取り入れたグリーンツーリズム企画を実施する予定であります。
また、県が行った「防災グリーンツーリズム宣言」に呼応して首都圏での地震等の大災害時に避難場所としての支援ができるような体制づくりを進めてまいります。
これは、日頃から農村体験旅行等での都市住民との交流を続けることにより、災害時における避難滞在を確保しようというものであり、地域においても交流により地域活力を生み出すものと考えております。
さらに、市は、観光庁と農林水産省で訪日外国人の旅行マーケットに着目し、事業推進をしている「国際グリーンツーリズム」のモデル地域として、長野県飯山市、熊本県人吉球磨地域とともに指定されたことに伴い、平成22年度は国際グリーンツーリズムへの伸展を視野に入れながら、外国人旅行者の受け入れ体制の整備を進めていく計画です。

(8)デマンドタクシー及び路線バスの試験運行に向けた取り組みについて
市では、平成21年4月1日から、路線バスの運行経費よりも安価で、市内全域をドアtoドアで運行する、利便性・回遊性の高いデマンドタクシーを導入することにより、高齢者等の足の確保、交通空白地域の解消、中心市街地の活性化等を目標として、実証運行を開始しました。
利用状況を見ますと、高齢者の方が医療機関等への通院に利用している割合が、全体の約62パーセントとなっており、移動手段を持たない高齢者の方にとって、欠かすことのできない「生活交通の足」として重要な役割を担っていると考えております。
いずれにいたしましても、市の将来の公共交通は、利便性・公共性を重視するとともに、一定の採算性も考慮しながら、住民・事業者等と連携して取り組んでいきたいと考えております。

(9)市内を通過する高速バスのバス停の変更についてお知らせ
かねてより整備を進めてまいりました鴻の巣地内の胎内バス停が完成したことにより、平成22年4月1日から、「新潟・村上」間及び「新潟・山形」間の高速バスの運行ルートが、荒川胎内インターチェンジを経由するルートに変更されることになり、それに伴いまして、現在利用されております、国道7号の中条バス停と黒川支所前の黒川バス停が廃止されることになりました。
しかしながら、「新潟・村上」間の高速バスにつきましては、利用者からの要望を受け、利便性を極力損なわないよう、今までどおり中条インターチェンジ駐車場のバス停も利用できるようにしていただいたところであります。
なお、詳細については、3月15日号の市報を通じてお知らせさせていただきますので、ご理解いただきますよう、よろしくお願いいたします。


4 「自然が活きる、人が輝く、交流のまちづくり」


(1)新市建設計画事業について
平成20年度に合併時からの社会経済状況の変化や市民ニーズの変化、財政状況の変化に的確に対応するため、今後の方向性・緊急性・費用対効果等を十分に検討し、主要事業について優先度を設定したところであります。
平成22年度は、3月末に完了します小中学校・社会教育・社会体育施設の耐震診断の結果を踏まえ、新たに見直します財政健全化計画との調整を図りながら、事業実施に向け事業年度や事業費などを盛り込んだ実施計画を策定してまいりたいと考えております。


5 「健全な財政運営に基づくまちづくり」


(1)財政健全化計画について
現在、平成21年2月に改訂いたしました、平成23年度までの計画に基づき財政の健全化を図っているところであります。
平成22年度当初予算におきましては、地方財政計画で地方交付税総額の増額があったことなどもあり、計画通り基金の取り崩しをせずに予算の編成ができたところであります。
しかしながら、硬直化した財政の体質や高い水準にある公債費の比率は、改善されたとは言えないため、これからも行政のスリム化及び投資的事業費の抑制を行っていく必要があると考えております。
今後の財政計画につきましては、補助金の一括交付金化や地方交付税及び譲与税、交付金関係の制度改正も予想されることから、国の動向を注視し、地方財政計画などの状況を的確に把握したうえで歳入を推計し、歳出におきましては、合併による地方交付税算定の特例が終了する平成28年度以降を見据え、地方交付税の減少に対応できる財政構造に変えていかなければなりません。
これらのことを踏まえた上で、平成23年度から平成27年度までの5ヶ年の財政計画を平成22年度中に策定してまいりたいと考えております。

(2)行政改革について
市の行政改革は、平成19年に策定した行政改革大綱に基づき、地方分権を担う自治体として、かつ、市民の視点に立った行政運営を行うべく、行政サービスの向上と効率的、効果的な行政運営の確立を目指し、鋭意取り組んできたところであります。
引き続き、本大綱に掲げた取組みを行ってまいりますが、地方分権の進展や市民ニーズが多様化していく中にあって、市民主体のまちづくりを進めるにあたっては、市民や企業など、地域社会を構成する方たちが相互に連携することが大切であると考えていることから、平成22年度は、「市民と行政との協働」いわゆる「市民協働」へ向けた取組みを進めていきたいと思います。
そこで、お互いに協力する関係が構築できるよう、それぞれの立場や役割を理解することや情報を共有することなど、まずは、市が行うことができる具体的取組みを立案し、そして、着実に実行に移していきたいと考えております。

(3)事務権限移譲による市の対応について
県からの事務・権限の移譲につきましては、地方分権及び地域主権を実現する手段の一つであると考えております。
市といたしましては、これまで以上に住民ニーズと合致し、地域に密着した施策を執行できるよう、今後も権限移譲に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
平成22年度は、騒音規制、振動規制、悪臭防止に関する事務など、合計で8つの事務について4月から権限移譲を受ける予定であります。

(4)再編する組織機構について
胎内リゾートの再生を図るため平成21年4月に胎内リゾート振興課を設置し、胎内リゾートの要となる観光施設の管理運営を行ってまいりましたが、平成22年度からは株式会社胎内リゾートが指定管理者としてロイヤル胎内パークホテルをはじめとする胎内リゾート施設の管理運営等の業務を行うことから、現在の胎内リゾート振興課を廃止するとともに商工観光課の事務分掌に胎内リゾートに関すること及び旅行業に関することを加えることとし、これまで以上に観光振興の充実を図ってまいりたいと考えております。

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新潟県胎内市新和町2番10号

電話番号:0254-43-6111

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