更新日:2014年3月3日
平成23年第2回胎内市議会定例会
<市政報告要旨>
平成23年第2回胎内市議会定例会(平成23年6月14日(火曜日)~6月30日(木曜日))
1市における節電対策について
2東日本大震災に対する取組みについて
3中国・黒竜江省の綏化市(すいかし)との友好交流について
4胎内市歯科保健計画について
5甘草(かんぞう)栽培に係る関係者との協定締結について
6胎内リゾート施設の平成22年度の状況について
7黒川地区小学校教育環境整備方針について
1 市における節電対策について
経済産業省からは、今年の夏の電力使用量を昨年夏の最大使用量との比で15パーセント以上削減するようにと、使用制限の指針が示されておりまして、その対策の推進においては、市内の大口の需要家のみならず、小口の需要家や一般家庭からもご理解とご協力をいただきながら取り組んでいくことが必要になってまいります。
この対策の骨子につきましては、電力使用の総量を減らしながら電力使用の時間帯をできるだけ早朝や深夜の時間帯へシフトして、1時間あたりの電力使用量の平準化を図ることであります。
そこで市では、既にテレビや新聞等で報道されておりますように、本庁舎、黒川庁舎及びほっとHOT中条において勤務時間を1時間繰り上げる、サマータイムを7月25日から8月31日までの間、実施してまいります。
このサマータイムの実施に伴い、住民サービスを低下させないよう、現在、具体的な実施手法について調整をしているところでありますので、詳細につきましては、7月1日号の市報で市民の皆様にお知らせしてまいりたいと思います。
また、その他にも、庁内にピークカット対策プロジェクトチームを設置し、サマータイムの具体的実施手法に加え、照明やエレベーター等の使用抑制等細かなものも含めて節電効果を上げられるよう検討を行っており、最終的には、節電行動計画として取りまとめ、市報やホームページを利用して市民の皆様へ公表していきたいと思います。
なお、この取組みにつきましては、官民共通の認識のもと地域ぐるみで進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
いずれにいたしましても、市といたしましては、このたびの震災を貴重な教訓として、エネルギーや資源の利活用のあり方を根本から見つめ直し、この夏限りの時限的な節電にとどまらず、市民及び事業者とも連携しながら望ましい地域の将来像を描いていきたいと考えております。
2 東日本大震災に対する取組みについて
市では、「避難所の設置及び避難者の受け入れ」、「被災地への物資の支援及び職員の派遣」及び「支援物資・義援金の呼びかけ」など様々な支援を行っているところであります。
「避難所の設置及び避難者の受け入れ」につきましては、3月14日から胎内アウレッツ館、胎内山荘、B&G体育館及び旧本条小学校体育館を避難所として開設し、受け入れをいたしました。
4月11日以降につきましては、市の施設における避難所を閉鎖し、株式会社クラレ新潟事業所及びJX日鉱日石開発株式会社中条油業所のご協力をいただき、受け入れを行っており、今日現在、市民の皆様の個人宅に避難している方と合わせて79人の方が避難してきております。
そのうち、児童生徒につきましては、市内の保育園・幼稚園に4人、小学校に13人、中学校に6人、高等学校などに3人となっております。
また、就労の場としましては、市内の企業における臨時的な雇用及び個人農業者における農作業補助などの提供をいただいているところであります。
避難所の運営につきましては、市内の多くのボランティア団体の皆様から食事の配膳を始めとした様々な活動によりご協力をいただきました。
さらに、「たいない元気塾」と銘打って、小中学生を対象に学習指導なども行っていただいたところであります。
「被災地への物資の支援及び職員の派遣」につきましては、岩手県、宮城県及び福島県の避難所に毛布やペットボトル飲料水などを配送したほか、宮城県内の市町へは、給水支援や下水道調査などで職員を派遣してまいりました。
「支援物資・義援金の呼びかけ」につきましては、市報等を通じ呼びかけを行ったところ、1,700万円を超える義援金及び米やカップラーメン等の食料品、寝具やティッシュペーパー等の生活用品などの物資をたくさんお寄せいただきました。
そのほか、被災地においてチャリティーイベント及び炊出しを行っていただくなど、様々な面においてご協力をいただき、改めて市民の皆様、企業や各種団体の皆様のボランティア意識の高さに敬服したところであり、この場をお借りしまして心から感謝申し上げたいと思います。
避難されている方にとっては、不安な日々が続いていることと思いますが、被災地の1日も早い復旧・復興を願うとともに、今後もできうる限りの支援を続けてまいりたいと思っております。
3 中国・黒竜江省の綏化市(すいかし)との友好交流について
平成23年第1回定例会でも申し上げましたとおり、延期していた綏化市への訪問を行い、文化、教育面を始めとした様々な分野における交流を通じて国際相互理解を促進するべく、友好都市提携を行いたいと考えているところであります。
今般の東日本大震災においても、国際間の協力体制を構築することの重要性が立証され、特に隣接する中国との関係強化は日本経済のみならず、地方都市の活性化にも資するべき施策であると感ずるところであります。
市ではこれまで、「日中友好交流の会」及び、北京の「中国国際友好連絡会」を通じて、綏化市長との正式な協議日程について調整してまいりましたが、このたび7月4日から10日までの間で受け入れ準備が整ったとの連絡をいただきましたので、この機に訪問し、友好都市提携を締結してまいりたいと思っております。
市の訪問団といたしましては、議会側から議長、執行部側から私と教育長、総合政策課長の3名を予定しておりますし、「日中友好交流の会」のメンバーも独自に代表団に加わりたいとの意向がございます。
友好都市提携を締結した後の具体的な交流方策でございますが、当面は国際相互理解を促進するために、児童・生徒の体験学習や議会の皆様及び市民で構成する文化使節団の往来による交流活動なども検討・協議したいと考えております。
なお、桐郷市(とうきょうし)との友好都市提携につきましては、綏化市との締結後、引き続き協議を進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
4 胎内市歯科保健計画について
市では、生活習慣病対策を始めとする市民の健康づくりに対し、歯と口の健康づくりが果たす役割の重要性に鑑み、このたび、県のモデル市町村として胎内市歯科保健計画を策定いたしました。
本計画は、上位計画の総合計画及び健康増進計画に基づき、健康づくりの基本理念であります「その人らしい豊かな人生の構築」に向かって、生涯を通じて市民一人ひとりがおいしく食べて楽しく会話ができるよう、歯と口の健康づくりの推進を目指しております。
本計画の内容につきましては、「乳幼児や園児」、「児童や生徒」、「妊産婦」、「成人や高齢者」、「要介護者や障がい者等」の5つのライフステージに合わせた歯科保健対策の目標や評価指標を平成27年度までの5カ年計画として示しております。
さらに、それぞれのライフステージの中で、「フッ素の利用」、「セルフケア」、「フォローアップ」、「生活習慣」の4つのキーワード別に、誰が何を実践していけばよいのかについて、具体策を掲げております。
これらを市民の皆様に親しみをもって実践していただくよう計画名を「健口(けんこう)たいないワッハッ歯プラン」とし、先般、本計画の概要版及びマスコットキャラクターのマグネットを全世帯に配布したところであります。
今後も様々な機会を活用してこの計画を広く市民に普及啓発し、市民、歯科医師を始めとする歯科保健関係者及び保育園、幼稚園、学校、福祉施設などの関係機関と連携を密にし、計画を実践し、市民と地域及び行政が一体となって歯科保健の推進に努めてまいりたいと思います。
5 甘草(かんぞう)栽培に係る関係者との協定締結について
市では、遊休農地の有効活用について模索している中、特定非営利法人「もっと胎内応援隊」からの紹介により、国内で甘草栽培用の高品質な苗作りや露地栽培の技術を確立し、先駆的な研究・開発を行っている新日本製薬株式会社と甘草の実用栽培に取り組むことについて合意に達し、去る3月28日に栽培協定の締結を行いました。
甘草は、マメ科の多年草で、日本国内では、ほとんど自生していないため、国外からの輸入に頼っている状況でありますことから、国内における実用栽培に向け、研究・開発が強化されているものであります。
なお、甘草は、漢方処方の約70パーセントに配合されており、様々な処方の医薬原料に利用されている重要な生薬であるほか、エキスや粉末を甘味料などとしても多く利用されております。
市では、今後2年間につきましては、実用化に入る前の試験栽培を行う予定であり、先月JA中条町が市内の葉たばこ農家に委託をして、砂丘畑10アールに3千本の苗を植栽したところであります。
甘草栽培は、管理の手間が少ないうえ、主成分の含有量次第では葉たばこ以上の所得も見込めることから、優良な砂丘畑の園芸作物として、新たな地域農業の活性化に繋がることを期待するところであります。
6 胎内リゾート施設の平成22年度の状況について
ロイヤル胎内パークホテルにおきましては、開業10周年プランや日帰り温泉プラン、さらにはスキーパックなどの企画販売を試みたものの、結婚披露宴や宴会が減少したため、売上は平成21年度の実績を下回りましたが、人件費の削減や材料費の見直しなどの経費削減を進めた結果、収支では若干の改善が見られております。
また、胎内スキー場におきましては、十分な積雪量に加え、駐車場の完全無料化やシーズン券の値下げなどに取り組んだことにより、平成21年度に比べ売上は若干上回り、経費では人件費などの削減が図られたことから、収支が大幅に改善されております。
その他、奥胎内ヒュッテ、そば処みゆき庵、胎内フィッシングパークの収支状況につきましては、平成21年度並み、あるいは改善が見られております。
このように、昨今の厳しい経済環境の中ではありましたが、民間企業ならではの経営手腕を発揮していただいた結果、管理を委ねている胎内リゾート施設全体の収支状況では、指定管理者制度移行前の平成21年度と比較して、約5千万円の改善が図られ、指定管理料は、収支不足分として見込んでおりました1億5千万円を下回る結果となりました。
詳細につきましては、本会議に報告第16号として、株式会社胎内リゾートの平成22年度決算について報告させていただいております。
今後、東日本大震災による観光・イベント等の自粛ムードによる影響も懸念されますが、胎内リゾート活性化に関する具体的施策を確実に実施し、株式会社胎内リゾートと連携を図りながらマスタープランに掲げる目標数値を達成することで、観光振興と地域の活性化に繋げてまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
7 黒川地区小学校教育環境整備方針について
黒川地区内にあります3小学校の教育環境の改善につきましては、議員の皆様や保護者の皆様から多くの意見や要望が寄せられているところであり、また、平成22年10月には、黒川地区地域審議会から「教育環境の整備について検討する委員会を設置し、教育環境整備方針を示すこと」との要望があったことから、教育委員会では、平成22年12月に「黒川地区小学校教育環境整備検討委員会」を設置いたしました。
検討委員会では、黒川地区内の3小学校の現状、課題、要望等を熱心に議論していただき、本年3月に、この検討委員会における最重要課題であります黒川地区内の3小学校の統合について、「速やかに統合することが望ましい」との意見集約がなされ、教育委員会にその報告があったところであります。
この結果を受けまして、教育委員会では、小学校の円滑な運営と児童の健全な育成、複式学級の解消及び学年複数クラスの設置を目指すとともに、子供たちはもちろんのこと、地域の安心と安全に資するべく、3小学校を統合することを中心とした「黒川地区小学校教育環境整備方針案」を策定いたしました。
市といたしましても、この整備方針案に沿って、新たな学校づくりを進めてまいりたいと考えており、6月2日に整備方針案に基づき3小学校の統合を進めるにあたっての意見を伺うため、黒川地区地域審議会に諮問を行ったところであります。
今後は、地域審議会からの答申及び地域や保護者の皆様からの意見や要望をできる限り整備方針に取り入れ、地域と連携を図りながら計画的に事業を推進してまいりたいと考えております。