更新日:2014年3月3日
平成23年第3回胎内市議会定例会
<市政報告要旨>
平成23年第3回胎内市議会定例会(平成23年9月13日(火曜日)~10月6日(木曜日))
1東京電力福島第一原子力発電所の事故に起因する放射性物質の漏洩に伴う農畜産物に対する影響について
2各施設における放射性物質の調査結果について
3中国・黒龍江省の綏化市(すいかし)との友好交流について
4黒川地区3小学校の統合について
5防災体制の整備について
1 東京電力福島第一原子力発電所の事故に起因する放射性物質の漏洩に伴う農畜産物に対する影響について
7月上旬に農林水産省等の調査により、農林水産省が定めた牧草等の暫定基準値を超える放射性セシウムに汚染されている宮城県産の飼料用稲わらを利用している肉用牛農家があることが確認されたため、県では、7月15日から県外産稲わらを購入した県内にあります41農場の検査を行ったところ、そのうちの13農場の稲わらから放射性セシウムが検出されました。
胎内市におきましては、8農場が検査対象であり、7月19日から3日間検査を行った結果、2農場の稲わらから放射性セシウムが検出されました。
この2農場に対しましては、国から、肉用牛を出荷すること及び発生する堆肥の移動を自粛することについて、指導が行われたところであります。
なお、そのうちの1農場が黒川堆肥センターの利用者であったことから、市では、利用者に対し、7月19日から黒川堆肥センターへの原料搬入について自粛を要請するとともに同センターからの堆肥の出荷を停止いたしました。
そこで、県と市では、8月1日から、堆肥製造農家5農場と黒川堆肥センターで製造している堆肥の放射性物質の検査を行ったところ、製造農家3農場と黒川堆肥センターは、国が定めた堆肥の暫定基準値以下でありましたが、放射性物質が検出された稲わらを使用した2農場から基準値を超える放射性セシウムが検出されました。
この2農場に対しましては、引き続き牛糞、堆肥等の移動を自粛するよう要請を行ったところであります。
また、黒川堆肥センターで製造しました堆肥につきましては、検査結果は基準値以下でありましたが、農産物に与える影響を考慮し、堆肥1200トンを隔離して保管しておりまして、これらについては販売を行わないことといたしました。
いずれにいたしましても、今後の処分の方法が課題となるわけでありますが、国及び県と慎重に協議を行い、適正に処分していく方針であります。
また、「市の主要な農産物であります玄米の放射性物質の調査について」でありますが、新潟県は全国屈指の米の生産県でありますことから、県では消費者の信頼に応えるため、米の出荷に先立ち「早生品種」及び「中生品種」の玄米の放射性物質の調査を実施しているところであります。
胎内市における玄米の調査につきましては、8月30日に収穫されました早生品種であります「わたぼうし」の放射性物質の検査を行ったところ、検出はされませんでした。
また、「コシヒカリ」につきましては、昨日、刈り取りしたものを乾燥・調製した後、検査を行うため、結果の公表については、16日頃になる予定であります。
現在のところ、市の農産物につきましては、放射性物質は検出されておりませんが、今後も、新潟県や農業協同組合等関係団体との連携を密にしながら、必要に応じて農産物の検査を行い、結果を迅速に公表することで生産者及び消費者の不安解消を図り、胎内市の農産物が安全安心であることを、ホームページ等を通じて周知してまいりたいと考えております。
2 各施設における放射性物質の調査結果について
「保育園、幼稚園、小学校及び中学校における放射性物質の調査結果について」でありますが、7月及び8月に、園庭及び校庭における空気中の放射性物質の調査を実施しましたところ、いずれも基準値内の数値でありました。
しかし、8月中旬に県内の保育園、幼稚園の砂場や園庭にあります草や葉の堆積場所などから高濃度の放射性セシウムが検出されたことから、胎内市では、8月30日に保育園、幼稚園、小学校及び中学校の園庭や校庭等の砂場付近、集水枡や側溝内の土砂付近、草や葉の堆積場所付近における空気中の放射性物質の調査を行った結果、いずれの箇所におきましても、基準値内の数値でありました。
市といたしましては、今後とも定期的に測定を実施し、園児や児童・生徒が安全に安心して園庭や校庭で活動できるよう監視してまいりたいと思います。
また、陸上競技場、野球場、B&Gプールなどの主な屋外の社会体育施設及び市が管理しております公園につきましても空気中における放射性物質の調査を実施しており、いずれの箇所におきましても、基準値内の数値でありました。
さらに、「水道水及び下水道汚泥における放射性物質の調査結果について」でありますが、荒川の表流水を原水とする並槻浄水場の水道水につきましては、3月24日から4月20日までは毎日、それ以降は1週間に2回放射性物質の検査を実施しておりますが、現在まで放射性物質は検出されておりません。
また、公共下水道処理場及び農業集落排水処理場の脱水汚泥につきましては、6月から毎月1回放射性物質の検査を行っておりますが、現在まで放射性物質は検出されておりません。
いずれにいたしましても、市の施設における放射性物質の測定値は、いずれも基準値内でありますが、引き続き監視を続けるとともに、測定結果を速やかに市報やホームページ等に公開するなど、市民の皆様が安全に安心して利用することができるよう努めてまいりたいと思います。
3 中国・黒龍江省の綏化市(すいかし)との友好交流について
これまで、私や教育長等が同市を表敬訪問し、また、本市には、聶(にえ)副市長にお越しいただくなど、友好交流関係の構築に向け、様々な情報交換を重ねてきたわけでありますが、「日中友好交流の会」及び北京の「中国国際友好連絡会」のご協力のもと、綏化市長と公式に友好都市提携に関し協議する機会が整いましたことから、7月4日から10日までの日程で、私と富樫議長、小野教育長を始めとする10名で、同市を訪問してまいりました。
初日の4日に、綏化市政府庁舎内で王金会(おうきんかい)市長と懇談することができ、その際にお互いの市の概要を説明するとともに、今後の交流について意見交換を行いました。
そこで、教育・文化・産業・観光分野で交流を深めることが、お互いにとって有意義なものであると、あらためて確認できたことから、今後の交流を誓い合い、正式に友好交流に関する協定書を取り交わしてまいりました。
協定書を取り交わした後は、綏化市の農業施設や工業団地の視察を行ったほか、中国共産党綏化市委員会、ハルビンの黒龍江省人民政府外事弁公室などを表敬訪問し、7日からは北京を訪れ、今回の友好都市提携を支援していただきました「中国国際友好連絡会」及び「中日友好協会」などを訪問し、協定の締結を報告するとともに今後の交流についても協力をお願いしたところであります。
今後、この友好都市提携を契機として、行政関係者のみならず、子どもたちや各種団体など、市民の皆様と交流を深めながら、幅広い分野での相互交流を進めていきたいと考えております。
あわせて、友好都市提携の趣旨を市民の共通認識としていただき、全市民を挙げて、両市間の相互理解と交流の促進が図られるよう、国際友好都市宣言を行いたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
4 黒川地区3小学校の統合について
先の定例会でも報告いたしましたように、教育委員会では、本年3月に「黒川地区小学校教育環境整備検討委員会」の報告を受け、3小学校を統合することを中心とした「黒川地区小学校教育環境整備方針案」を策定し、市報を通じて、その概要を公表するとともに、黒川地区の保護者、区長会及び各学校後援会を始めとする地域の関係者の皆様、教職員等に対して説明会を開催するなど、積極的に意見交換を行ったところであります。
市では、この「整備方針案」につきまして、去る6月2日に、黒川地区地域審議会に諮問を行ったところ、8月4日に同審議会から、3小学校の統合については、「統合後に新校の校舎として使用する現黒川小学校の大規模改修の実施」、「黒川小学校に編入されるイメージの払拭」、「複式学級からの円滑な移行」などの要望が付され、「整備方針案のとおり進めることが適当と認める」との答申をいただきました。
市といたしましては、黒川地区地域審議会からの答申内容を尊重し、行政主体ではなく、学校関係者や地域住民の方々とともに事業を進めるよう教育委員会にお願いしたところであります。
そこで、教育委員会では、この答申及び市からの要望事項を踏まえ、「整備方針案」に修正を加えるとともに、成案とした「整備方針」ついて、去る9月6日、黒川地区地域審議会におきまして、説明を行なったところであり、「校名」等の重要事項につきましては、保護者の方々に最終確認をお願いしているところであります。
今後は、「整備方針」を議員の皆様にお示しするとともに、関係条例の改正についてお諮りしたいと考えております。
また、統合後の新校における「校歌」、「校章」、「通学体制」など統合に向けた関連事項につきましては、「統合準備委員会」を設置し、平成25年4月の開校に向け、準備を進めてまいりたいと考えております。
なお、統合後の小学校の跡地利用につきましては、黒川地区地域審議会からの要望にもありますように、地域と十分協議しながら、対応してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
5 防災体制の整備について
市では、迅速かつ広域的な災害対策を実施できる体制を構築するため、各種団体と災害時応援協定を締結しており、平成23年8月末現在で、衣食関係の供給、資機材や燃料の供給、災害復旧や医療救護等に関して合計31団体と災害時応援協定を締結しているほか、平成8年4月に新発田市及び聖籠町と新発田地域広域応援協定を、平成20年8月に友好都市であります笛吹市と災害時における相互応援に関する協定を締結するなど、防災体制の整備を図っているところであります。
しかし、本年3月に発生しました東日本大震災など、近年大規模な自然災害が数多く発生していることから、市では、人員や物資等の緊急供給体制の確立が大変重要であると考えるため、今後更なる防災体制の強化を行う必要があると思っております。
そこで、市では、本県に接して位置し、胎内市から車で約2時間と比較的近距離にあり、災害対策に積極的に取り組んでおります山形県鶴岡市と災害が発生した場合、応急対策及び復旧対策を相互に遂行するために、災害時における相互応援に関する協定の締結に向け、具体的な内容等について、現在協議中であります。
協定の主な内容につきましては、被災者の救出並びに医療、食料、飲料水、その他生活必需品等の物資及び車両の提供、児童・生徒の受け入れなどを予定しておりまして、そのうち特に、災害発生時に不足します救急医療や被災者等の心のケアを行う医療関係者の相互応援等の医療分野に重点を置き、協議を進めているところであります。
なお、この協定につきましては、本年度中に締結したいと考えており、協議が整い次第、詳細を皆様にご報告させていただきたいと思っておりますので、ご理解をお願いいたします。