更新日:2014年2月26日
平成24年第1回胎内市議会定例会
施政方針(要旨)
便宜上、見出しを付けています。
1はじめに
2「安全に安心して快適に暮らせる地域づくり」
3「活力を創出する環境づくり」
4「健全な行財政運営に基づくまちづくり」
1 はじめに
現在の社会情勢を見ますと、厳しい経済状況を背景に、依然、地域の経済活動や雇用情勢に深刻な影響がもたらされておりますし、先般、厚生労働省が発表した将来推計人口により、人口減少社会の急速な進展が改めて浮き彫りとなるなど、取り組むべき行政課題が山積しております。
このような状況を踏まえ、新年度において、引き続き各種産業振興や雇用対策に力を入れるとともに、子どもを産み育てやすい環境づくりに重点を置いた予算編成を行っております。
いずれにいたしましても、将来を見据えつつ、直面している様々な行政課題に積極的に取り組んでまいりたいと思います。
さて、国政に目を転じますと、自民党から民主党への政権交代後は、ねじれ国会等の影響もあって政局が混沌とし、国民が求める政策が一向に実現されない状況があります。
このような中、政府は、消費税率を引き上げることを柱とする社会保障と税の一体改革の素案をまとめました。
引き上げ分は社会保障費に充当し、社会保障を持続可能で安心できるものにするとのことでありますが、このように、私たちが生活を営んでいく上で、その根幹を成す様々な制度を抜本的に改革する取組が推し進められようとしております。
いずれにいたしましても、市政運営においては、めまぐるしく変わる社会情勢や制度改革を注視し、柔軟な発想と時機を逸することのない決断力、そして自らの政治理念に対してぶれない姿勢が求められると思います。
これまで以上に、市民一人一人の声に耳を傾け、議会との連携を大切にして、胎内市発展のため全力を尽くしてまいります。
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2 「安全に安心して快適に暮らせる地域づくり」
(1)子育て支援に対する取組について
近年の経済不況の深まり、核家族化の進行、就労環境の変化などを背景として、育児に対する不安が高まるなど、子育てをめぐる環境には厳しいものがあります。
こうした中で、子育てをする家庭を社会全体で支えていく視点が非常に大切であると感じております。
そこで、平成24年度の取組について申し上げますが、まずは、子ども医療費助成制度の拡充を図ります。
現在、当市では「小学校卒業まで」の乳幼児及び児童の入院又は通院に要する費用の一部を助成しておりますが、この助成対象年齢を「中学校卒業まで」に拡げることで、保護者の経済的な負担の軽減を図ってまいりたいと考えております。
また、就労と子育ての両立を支援する目的で、昨年6月から本格的にサービスを開始いたしました「ファミリーサポート事業」につきましては、地域の方々の御協力により、利用される方が順調に増えております。
地域と家庭のパートナーシップで子育て等を行っていくという視点のもと、引き続き、より多くの方々に気軽に利用いただけるよう、積極的に推進してまいります。
(2)「中条地区保育園・幼稚園統合施設」の整備などについて
この事業は、若宮保育園、柴橋保育園及び本条幼稚園の3施設を幼保一体型施設として統合・整備するものでありまして、建設予定地は旧本条小学校の跡地とし、平成26年度の開園を目指してまいります。
初年度となります平成24年度は、基本設計、実施設計及び旧校舎の一部解体撤去工事を実施いたします。
なお、施設の形態や運営等の基本的な事項については、今後、詰めてまいりますが、国が平成25年度から段階的に導入を予定している新しい子育て施策「子ども・子育て新システム」にも合致した、良質な教育と保育をかね合わせたものにしたいと考えております。
また、民間施設である、社会福祉法人岡山福祉会の「きすげ乳児保育園」と学校法人聖心学園の「中条聖心幼稚園」を活用して、0歳児から2歳児までの低年齢児の受け入れを拡充いたします。
「きすげ乳児保育園」については、黒川保育園脇に移転し、入所定員を現行の20人から60人に増員して、本年6月から開園する予定でありますし、「中条聖心幼稚園」につきましては、従来の幼稚園に低年齢児を預かる保育園を新設し「幼保連携型認定こども園」として、本年4月から開園する予定であります。
先ほど述べました国の新しい子育て施策が施行されますと、低年齢児の入園希望者が増加することが予想されますことから、このように民間事業者の御協力のもと、将来を見据えた事業推進を図ってまいりたいと思います。
(3)教育環境の向上に対する取組として、その基本となる学校教育について
「生きる力」の育成を目指す新学習指導要領が、昨年度の小学校に引き続き、本年度は中学校において完全実施となります。
小学校同様、改訂の基本方針及び基本的な考え方を十分に踏まえた適切な教育課程を編成して実施に当たります。
中でも、基礎的・基本的な知識、技能の習得、思考力・判断力・表現力の育成、豊かな心の育成などの充実は、「生きる力」を育む上で大切な内容となります。
新学習指導要領の一層の理解と、その趣旨を踏まえた教育の実施を推進するとともに、特に学力向上のために、教師の指導力向上と授業の改善を目的とする研修会の開催や指導主事訪問の機会をつくるなど、各学校への指導を充実させてまいります。
また、当市の特徴的な施策となっております教育手法について申し上げます。
ふるさとの良さに気付き、社会性や豊かな人間性を育む小学校ふるさと体験学習や中学校職場体験学習、さらに達成目標の具体化と授業改善に結び付く学校評価システム、特別支援教育の充実を図る介助員の配置や教育相談体系化連携事業、心豊かで思いやりのある学校生活を築く「深めよう絆プロジェクト」等を力強く推進していくことで、学力向上を含めた「生きる力」の育成を図ってまいります。
今後とも、胎内市の恵まれた自然・人材環境や文化施設等の地域性を重視し、地域と連携した教育の推進に努力してまいります。
(4)黒川地区三小学校の統合について
平成25年4月、新生「黒川小学校」の開校に向け準備を進めてまいります。
現在、黒川地区の区長、保護者、後援会、学校関係者等の代表の方々を委員とする「黒川地区三小学校統合準備委員会」において、校歌・校章等の学校の基本構想、PTA及び学校後援会の組織運営、学校運営の大綱並びに校舎改修及び通学バスの運行等について、4つの部会を設け審議を頂いているところであり、引き続き望ましい教育環境の整備に向けて取り組んでまいります。
なお、設置校となります、黒川小学校の改修整備工事は、国の平成23年度第3次補正予算に計上された交付金を活用して、実施してまいります。
統合後においても、子どもたちが、いきいきと学校生活を送れるよう、より良い教育環境を整備してまいりたいと思います。
(5)生涯学習施策の取組について
学校・家庭・地域住民等がそれぞれの役割と責任を自覚しつつ、地域全体で教育に取り組む体制づくりを目指し、「学校支援地域本部事業」と「放課後子ども教室事業」を引き続き推進してまいります。
特に、地域が学校を支える仕組みをつくる「学校支援地域本部事業」につきましては、平成23年度から、きのと、黒川、鼓岡、大長谷の各小学校で、学校支援ボランティアの組織化を図っているところであり、平成24年度から正式に活動を開始したいと考えておりますし、新たに、胎内小学校と築地小学校においても事業実施のための準備を進め、既存の中条小学校のボランティアを含めまして、すべての小学校で本事業を実施してまいりたいと考えております。
(6)総合体育館整備事業について
市内の社会体育施設の多くが老朽化している状況にある中、新市建設計画に基づいた総合体育館の建設が切望されているところであります。
平成23年度は、総合体育館の建設に向けた準備委員会を組織し、想定される基本的事項の洗い出しを行ってまいりましたが、平成24年度におきましては、その個別事項を協議・検討する「総合体育館建設審議会」を正式に立ち上げ、具体的な建設計画を策定したいと考えております。
(7)教育関連施設における耐震補強について
学校施設につきまして、平成23年度は、中条小学校校舎及び黒川小学校校舎・屋内運動場、中条中学校校舎の耐震補強工事を実施し、昨年末に3校とも完了いたしました。
これにより、耐震化率は、84.2パーセントとなりました。
耐震化計画の最終年度となります平成24年度は、国の平成23年度第3次補正予算に計上された交付金を活用して、黒川中学校校舎と武道場の耐震補強工事を実施いたします。
これにより、黒川地区三小学校の統合の対象校である、鼓岡小学校及び大長谷小学校を除き耐震化が全て完了することとなります。
そのほか、平成24年度は、乙総合福祉センターの耐震補強工事に係る実施設計を行います。
(8)高齢者等に係る福祉施策について
高齢化の進展を背景に認知症への対応を重点課題の一つに位置付け、平成24年度は、国の認知症対策等総合支援事業に基づく「市町村認知症施策総合推進事業」に取り組みます。
この事業の主な内容は、認知症地域支援推進員を地域包括支援センターに配置し、医療や介護の連絡調整を行い、認知症の人や家族がその状態に応じた適切なサービスを受けられるようにするものであります。
このほか、認知症ケアの質の向上を図るため、介護サービス関係者の研修や認知症サポーターの養成と活用を図るなど地域における認知症支援体制の強化を併せて行ってまいります。
(9)地域支え合い事業について
平成23年度は、高齢者のみの約1,450世帯に対する救急医療情報キットの配布を始め、約3,000人を対象として、緊急時要支援者を把握するための調査を行ったほか、市内4自治会を支え合い活動のモデル地区に選定し、活動拠点の整備を進めてまいりました。
また、地域自らの取組では、8自治会において、活動拠点の整備と様々な交流活動が行われたところであります。
平成24年度におきましても、新たに高齢者世帯となる家庭を対象に「救急医療情報キット」を配布するとともに、県と補助事業に係る協議が整った段階で、地域における支え合い活動の役割を担う、新たなモデル地区を設けたいと考えております。
(10)介護保険事業について
平成24年度から平成26年度までの3か年を計画期間とする「第5期介護保険事業計画」に盛り込んだ内容を着実に実行し、施設サービス等の充実を図るなど、介護サービス不足の解消に取り組んでまいります。
同時に、介護予防の視点も大切であると考えておりますことから、高齢者自らが、要介護状態になることを未然に防ぐことができるよう、運動・栄養・口腔機能向上事業にも力を入れてまいりたいと思います。
(11)障がい者に係る福祉施策について
近年、障害者自立支援法等の障がい福祉に関わる様々な法令や制度の改正が行われていることから、福祉サービスについての情報提供や利用手続きについて、きめ細かな支援を行う「相談支援事業」の役割は、ますます重要になっております。
このことから、現在、改訂作業を行っている「胎内市障がい者計画」及び「胎内市障がい福祉計画」には、主要施策の一つとして、相談支援事業の充実を掲げているところであります。
いずれにしましても、障がいのある方が自立した日常生活、社会生活を営むことができるよう、支援をしてまいりたいと考えております。
(12)医療・予防施策について
国民健康保険事業における特定健康診査及び特定保健指導についてでありますが、平成24年度末で第1期計画の5年間が終了することから、平成25年度からの第2期計画の策定に向けて必要な見直しを行い、引き続きメタボリックシンドローム該当者の減少に向けた取組を進めてまいります。
妊婦健康診査につきましては、母体の健康保持と妊娠中の不安及び経済的負担の軽減を図るため、14回分の健診費用の助成を実施いたします。
子どもの予防接種につきましても、子宮頸がん予防ワクチンや髄膜炎を予防するヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの接種を実施し、子どもたちの健康管理を支援してまいりたいと思います。
(13)自殺予防対策について
電話相談窓口を継続して開設いたします。
新潟県の平成22年自殺率は全国ワースト4位であり、特に村上・新発田保健所管内の自殺率は県内でも高くなっております。
当市においても働き盛りの男性の自殺者が多い現状から、自殺予防対策は、重要かつ急務な課題となっているところであります。
このような状況を踏まえ、電話相談窓口の開設とあわせ、自殺予防に関する講演会の開催など、市民への啓発活動を実施することにより、うつ病予防等、心理面で苦悩状態にある方に対する支援を行ってまいりたいと思います。
(14)黒川地区における総合福祉センターの整備について
平成25年度からの供用開始に向け、施設本体の整備工事に着手いたします。
この施設は、保健福祉分野に限らず、公民館的活動など、様々な機能を持ちあわせた多目的コミュニティーセンターとして、市民の方々が主体的に活用されることを目指しております。
そのため、施設の整備工事と並行して、施設を利用される方が健康と元気を生み出す「元気づくり体験」ができるよう、健康イベントを始めとする健康づくり活動や人づくり等の人材育成にも力を入れて取り組んでまいりたいと考えております。
(15)防災に対する取組について
昨年発生した東日本大震災における原発事故を発端として、全国的に原子力災害対策に対する見直しの機運が高まり、新潟県においても、県内30市町村で構成する「原子力安全対策に関する研究会」において、東京電力柏崎刈羽原子力発電所での重大事故を想定した避難計画等を策定しているところであります。
当市といたしましても、今後、研究会で策定された避難計画を基に、防災の根幹を成す「胎内市地域防災計画」において原子力安全対策に関する項目を盛り込むなど必要な見直しを行い、様々な災害に対応でき得る体制を構築してまいりたいと思います。
また、市内全世帯に配布しております「胎内市ハザードマップ」につきましても、危険箇所や避難所の表示のみならず、市民の生命、財産を守るための情報を盛り込んだ「防災ガイドマップ」としての見直し行い、家庭や地域における防災力強化の一助となるよう鋭意取り組んでまいります。
(16)市役所本庁舎の耐震改修について
構造耐震性能を表す「IS値」が、公共建築物における目標値に達していないことに加え、災害発生時における指揮系統を司る重要な施設であることから、耐震補強工事を行う必要があるわけですが、常に多くの方が来庁される施設でありますので、平成23年度は、工事中であっても行政サービスが滞ることなく、さらには、財政負担を極力抑えることのできる工法等を検討してまいりました。
今後につきましては、検討の結果を踏まえた上で、平成24年中に耐震補強設計を終え、平成25年度内の工事完了を目指したいと考えております。
(17)一般住宅に対する耐震化助成制度及び住宅リフォーム助成制度について
市民の皆様個々における安全・安心で、かつ、生活環境の向上及び地域経済の活性化に資する取組として、引き続き、実施してまいります。
(18)環境施策に対する取組について
新エネルギーを推進すること、とりわけ太陽光や風力に代表される自然エネルギーの活用を図り、地球温暖化を抑制しつつ資源循環型社会を構築して行くことは、まさに疑う余地の無い、時代の要請となってきております。
当市におきましても、平成23年度に創設した「住宅用太陽光発電の助成制度」を、平成24年度は更に拡充いたします。
そのほか、これまでも議会で御報告しております風力発電に関しましても、諸条件が整い、順調に本格稼働されることを期待している次第でございます
これらの施策は、地域におけるエネルギー自給を図り、ひいては安全、安心なまちづくりに繋がる側面もあるものと認識し、将来に向けて多様な自然エネルギーを複合的に活用していく方向性の中で、鋭意、取り組んでまいりたいと思っております。
(19)JR中条駅の西口整備について
平成23年度は、市民のアンケート調査を行いながら、基本構想等の策定に着手したわけでありますが、平成24年度は、関係する行政機関や企業、市民等で構成する機関を立ち上げ、駅周辺の一体的発展を見据えた中での詳細な個別課題に係る協議・検討を重ねながら、今ほど申し上げた基本構想を踏まえた、より具体的な基本設計を完成させたいと考えております。
(20)水道事業について
公共下水道事業及び道路改良工事の計画にあわせて、城塚、船戸、中条及び新栄町地内の配水管の移設工事を実施いたします。
また、水道管整備の重点課題であります石綿管と老朽管の更新につきましては、計画的に整備を進めているところであり、引き続き東本町、住吉町、若松町、東牧及び坪穴地内の配水管の取替工事を実施いたします。
(21)公共下水道事業について
管渠(かんきょ)工事では、引き続き城塚、船戸、羽黒及び中条地内で実施してまいりますし、処理場の工事では、長寿命化工事として、最終沈殿池の電気設備及び汚泥掻寄機(おでいかきよせき)の更新の工事を行います。
(22)市道整備について
東本町・若松町線の道路改良工事のほか、13か所の工事を実施し、市民生活の向上を図るため生活路線の整備を進めてまいりたいと考えております。
3 「活力を創出する環境づくり」
(1)農業振興に対する取組について
政府は、昨年秋に「我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画」を定めましたが、この方針では、集落等を単位とした稲作中心の土地利用型経営体の規模拡大と新規就農者の確保に焦点を当てた農業構造改革を目標に掲げております。
当市といたしましては、この政府の方針に呼応して、地域農業の構造改革の設計図とも言われている集落ごとの「人・農地プラン」の策定を農協等関係団体と連携しながら進め、地域農業の再生に努めてまいります。
基幹作物である米づくりにつきましては、この「人・農地プラン」を踏まえて、効率的な生産のための担い手への農地集積や品質向上による有利販売、適切な需給調整を行うための米粉、麦、大豆等の戦略作物への農業者戸別所得補償などの助成制度を活用し、所得の確保を支援してまいります。
また、砂丘地を中心とした園芸振興につきましては、引き続き葉たばこ、チューリップ球根、にんじん等の根菜類の生産振興を図るほか、現在、新日本製薬株式会社と協定を締結し試験栽培している「甘草」を葉たばこの後継作物の中心に据え、関係団体との連携のもと、作付けを推進してまいります。
(2)グリーン・ツーリズムについて
他地域の子どもたちとの交流を通して、主として中山間地域の集落の活性化に繋がっていると考えておりますので、ふるさと体験学習の受入れと首都圏からの修学旅行等の誘致に引き続き、取り組んでまいります。
(3)「農地・水保全管理支払交付金事業」について
今後5年間の事業継続となることから、この制度がうまく活用され、集落が主体性を持って環境保全型農業を推進し、農道、用水路の保全に繋げていただくことを期待しております。
(4)黒川堆肥センターについて
平成23年度は、福島原子力発電所事故の影響で、堆肥が放射性セシウムに汚染され、例年の半分以下の生産にとどまりましたが、平成24年度につきましては、例年の生産量に戻し、水田、畑への堆肥散布を推奨することにより、地力増進、環境負荷の少ない農業を目指してまいります。
(5)農業基盤整備について
引き続き、ほ場整備事業及び湛水防除事業に取り組んでまいります。
(6)林業振興に対する取組について
昨年、爆発的に増加した飛砂防備保安林等の松くい虫被害への対応につきましては、被害木の伐採と燻蒸又は破砕を引き続き行うとともに、被害予防として、ヘリコプターを活用した空中からの薬剤散布と地上散布による防除を組合せ、実施いたします。
また、民間企業の協力も得て松苗木の植栽を進め、一日も早く白砂青松の地を復活させたいと考えております。
(7)水産業の振興に対する取組について
長年、新発田市とともに整備を進めてまいりました松塚漁港が本年秋に開港を迎えるわけですが、当市の漁業者の漁船も30隻弱収容することとなっており、今後の漁業振興に繋げていきたいと考えております。
(8)商工振興に対する取組について
欧州財政危機を受けた海外経済の減速や歴史的な円高ドル安などの影響もあり、中小企業を取り巻く社会経済情勢は依然として厳しい状況にあります。
このようなことも考慮し、中小企業への支援として、引き続き、地方産業育成資金貸付金及び中小企業育成資金貸付金の運用に係る、制度融資指定金融機関への預託を実施するとともに、各種融資に係る信用保証料の全額補給制度を実施いたします。
加えて、市内での消費拡大及び市内商店の活性化を図るために商工会が実施いたします「プレミアム商品券発行事業」に対して、平成23年度と同額の助成を行います。
(9)「米粉」を活用した地域振興について
米粉アンテナショップである「米粉かふぇ」を継続して営業していくとともに、市内の飲食店・菓子店、米粉関連団体及び市民が参画した「たいない『食』のわいわい会議」を中心として、関連情報の発信を始め、米粉料理・米粉お菓子のメニューや販売店の拡充を図ります。
加えて、昨年開催いたしました「米粉シンポジウム」や「米粉レストラン」には、市内外から大勢の方にお越しいただき、「米粉のまち胎内市」を全国にPRするイベントとして、たいへんな賑わいを見せましたので、平成24年度も、「米粉フェスタinたいない」を開催することで、米粉という新しい食文化を全国に発信し、地域振興、さらには観光振興にも繋げてまいりたいと考えております。
(10)観光振興に対する取組について
当市には、全国に誇ることができる多種多様で魅力的な観光スポットが多くあり、これらの地域資源を活用した観光振興は、まちづくりにおける重要な柱の一つとなっております。
平成24年度は、これまでの取組成果を踏まえ、観光協会や市内事業所との連携のもと、体験型観光の企画者やインストラクター、観光ボランティア等の育成を図るなど、中長期的な観光まちづくりを進めるとともに、「米粉」を活用した体験・着地型観光ツアーの充実を図り、市の貴重な地域資源をアピールして、誘客に繋げてまいりたいと考えております。
そのほか、観光者や来訪者の利便性や回遊性の向上を図るために、平成23年度末までに策定いたします「胎内市観光サインマスタープラン」に基づき、胎内市として統一感のある観光案内サインを財政状況を勘案しながら中長期的に整備してまいります。
(11)胎内リゾート施設について
株式会社胎内リゾートと連携しながら、さらなる収支改善に努めるなどの経営改革を順次進め、先般の全員協議会で提示しました胎内リゾート活性化マスタープランの見直し後の目標数値を達成していきたいと思います。
(12)雇用対策に対する取組について
市内における労働力の確保と雇用の安定及び拡大を図るためには、関係機関、関係団体、市内企業などが雇用に関する情報及び考え方などを共有し、適切な連携のもとで促進していくことが肝要であるとの認識から、「胎内市雇用促進協議会」を設置しているところであります。
平成24年度も引き続き、この協議会を開催し、官民一体となり、当市の雇用拡大を図るための方策を検討してまいりたいと考えております。
また、国におきましても、依然として厳しい雇用・就業情勢が続いていることや東日本大震災により被災された方々の雇用機会の創出の観点から、平成23年度で終了する予定でありました重点分野雇用創造事業と震災等緊急雇用対応事業を平成24年度も継続することとしておりますので、この事業を最大限活用するとともに、一般財源を追加して雇用の拡大及び地域経済の活性化を促進してまいります。
以上、述べましたように、雇用拡大に向け、可能な限り適切な方策を展開してまいります。
(13)国際交流の取組について
昨年は、議会の皆様や日中友好交流の会及び北京の中国国際友好連絡会の御協力もあり、中国・黒龍江省の綏化市(すいかし)と正式に、友好都市提携を締結することができました。
平成24年度は、さらに相互交流を深めるために、まずは、王綏化市長を当市にお迎えしたいと考えておりますし、当市からも適当な時期に訪問団を送りたいと考えております。
訪問団の構成や人数、期間などの詳細は、今のところ未定でありますが、議会を始め各界の皆様の御協力をお願いしたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。
また、姉妹都市提携を結んでおりますアメリカ・イリノイ州カーボンデール市との交流につきましては、子どもたちの国際感覚の醸成のために、中学生を対象とした海外体験学習事業を引き続き実施したいと考えております。
いずれにしましても、綏化市及びカーボンデール市と、教育、文化、観光など幅広い分野において交流を重ね、お互いの地域の発展に繋げてまいりたいと考えております。
(14)企業誘致の推進に対する取組について
国内外での工場の再編統合や海外への生産拠点の移設など、製造業系企業の誘致環境が厳しさを増している反面、国の「新成長戦略」における「環境・エネルギー分野」を始めとする成長産業分野の開拓など、企業誘致に大きな変化をもたらす動きも出てきております。
加えて、東日本大震災を契機として、電力の供給不安定による操業環境の悪化や地震に対するリスク分散の検討が加速化するなど、企業の立地は大幅な変革期に直面しているところであります。
このような状況の中、今後の成長が期待されている環境・エネルギー分野などの次世代産業関連企業や米粉関連企業など、雇用効果の高い企業を市内に誘致・集積していくことも肝要であると認識しております。
いずれにしましても、関係機関と連携し、情報発信を行うとともに、トップセールスの展開、誘致優遇制度の拡充検討、立地企業のフォローアップ活動の展開、外国企業の誘致に向けた情報収集活動の実施など、胎内市が一丸となって企業誘致に努めてまいります。
4 「健全な行財政運営に基づくまちづくり」
(1)行政改革について
市の行政改革は、社会経済情勢が大きく変化する中で、平成19年に策定した行政改革大綱に基づき、行政サービスの向上と効率的、効果的な行政運営の確立を目指して取り組んできたところであります。
この行政改革大綱とその実施計画である集中改革プランは、平成23年度までの計画期間となっておりますことから、現在、行政改革推進委員会の皆様の御協力のもと、「市民の視点に立った行政運営の推進」、「財政基盤の確立」、「効率的で質の高い執行体制の整備」の3つを柱とする「第2次胎内市行政改革大綱」の策定に取り組んでいるところであります。
平成24年度は、新しい行政改革大綱を具現化するべく、その具体的方策を定めた実施計画の策定に取り組みます。
いずれにしましても、これまでの行政改革大綱に掲げていた行政運営の効率化、市民協働といった基本方針を受け継ぎながら、新しい行政改革に取り組んでまいりたいと考えております。
(2)地域主権改革への対応について
第1次・第2次の地域主権一括法が成立し、「義務付け・枠付け」の見直しと条例制定権の拡大や基礎自治体であるわれわれ市町村への権限移譲が進むなど、平成24年度から本格的に分権型社会がスタートするわけでございます。
この度の改革により、本市におきましても様々な分野において、事務処理の基準が私どもに委ねられるなど、まちづくりを進める上で、自らの判断と責任ある対応が求められてまいります。
まずは、県からの事務引き継ぎをしっかりと行うとともに、当市の実情に照らし合わせながら、適切に対応してまいりたいと思います。