更新日:2014年3月3日
平成24年第3回胎内市議会定例会
<市政報告要旨>
平成24年第3回胎内市議会定例会(平成24年9月11日(火曜日)~10月1日(月曜日))
1大塚地内の「城の山古墳」の発掘調査の現在までの状況について
2中国黒龍江省綏化市との交流について
3乙総合福祉センターの耐震診断結果と今後の方向性について
4民間企業によるメガソーラーの設置・運営について
5中条地区幼保一体施設の整備について
6東日本大震災で発生した災害廃棄物の広域処理について
7事務事業等の外部委託の推進について
8上水道の放射性物質の検査結果について
1 大塚地内の「城の山古墳」の発掘調査の現在までの状況について
テレビや新聞等で報道のありましたように、教育委員会では、新潟大学橋本教授ほか3名で構成する発掘指導委員会のご指導をいただきながら、城の山古墳の6次調査を実施しているところであります。
このたび、城の山古墳から大和政権との関係を窺うことができる翡翠製(ひすいせい)勾玉(まがたま)や鉄斧(てっぷ)、小刀等の工具類のほか、国内での出土例が少なく、これまで滋賀県南方の雪野山古墳が東限でありました皮製の「靫(ゆき)」と呼ばれる矢の入れ物など約130点の副葬品がセットで出土したところであります。
これら副葬品のセットは、畿内の古墳と共通する大変歴史的価値の高い貴重なものでありますことから、奈良文化財研究所のご協力をいただきながら、副葬品を保存する作業を現在進めております。
また、現在のところ城の山古墳は、4世紀前半の古墳時代前期の円墳と考えられておりますが、このたびの副葬品などから、より高位の人が葬られる前方後円墳の可能性も考えられるため、教育委員会では来年度以降レーダー探査による調査等を行う予定で準備を進めているところであります。
城の山古墳は、大和政権の影響を強く受けた日本海側北限の貴重な古墳となりますことから、国の史跡指定を受けるための作業を進めてまいるとともに、市民の皆様への公開の準備や今後の計画の策定などを行ってまいりたいと考えております。
なお、この8日・9日に行われました現地説明会には、市内外からおよそ2千人の方々においでいただき、この史跡の関心の高さを目の当たりにすることができました。
2 中国黒龍江省綏化市との交流について
ご承知のとおり、昨年7月4日に綏化市との友好都市提携を締結し、今年度は更なる国際相互理解を深めるべく交流を進めてきているところであります。
今年度の主だった動きとしては、去る7月に、胎内市の民間訪問団が綏化市役所を訪問し、農業分野で意見を交換されたとのことでありますし、8月には、新潟県が主催する青少年交流事業により、綏化市の中学校教師と生徒を含む黒龍江省からの小中学生訪問団13人が、市内に2日間滞在する機会があり、市営施設の見学・体験や市内中学生とのスポーツ交流を通じて親睦を深めたところであります。
市からの訪問団といたしましては、10月に、小野教育長を団長として、議会、執行部、「日中友好交流の会」で構成する交流訪問団の派遣を予定しております。
今後といたしましても、様々なレベルでの人的交流の推進を図りながら、教育・文化、スポーツ、産業、観光など幅広い分野での相互理解に取り組んでまいりたいと考えております。
3 乙総合福祉センターの耐震診断結果と今後の方向性について
平成23年度に実施いたしました同施設の耐震診断調査の結果、建築基準法に定める基準を満たしていないことから、耐震補強工事が必要であるとの判定でありました。
この結果を受けて、同施設の今後の方向性につきまして、様々な面から検討してきたわけですが、耐震補強に加え、経年劣化に伴う改修や、要望がありますエレベータ設置等に大規模な工事が必要となることや、耐用年数が残り約10年であることなどを総合的に勘案し、新たに建て直す方向で進めることといたしました。
今後は、地域コミュニティを担う拠点施設となるよう、規模や機能、建設時期などについて、地域の皆様のご意見をお聞きしながら検討してまいりたいと考えております。
4 民間企業によるメガソーラーの設置・運営について
本年7月1日から「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」が始まり、全国各地で再生可能エネルギー導入の動きが加速している中、当市におきましても、船戸地内の市有地に、民設民営によるメガソーラーの建設が進められております。
同発電所は、「新潟胎内MS発電所」と称し、10月上旬から稼動する予定であり、竣工後は一般家庭約600軒分に相当する電力量を生み出し、二酸化炭素削減量は年間で約480トンを見込むものであり、現時点では県内最大級のメガソーラーとなる予定です。
今後におきましても、そうした事業者の需要を踏まえながら、市有地の状況を十分考慮したうえで利活用を検討し、事業者に対し情報提供を行ってまいりたいと考えております。
5 中条地区幼保一体施設の整備について
先の定例会における一般質問でもお答えしてまいりましたように、去る8月3日に、当該施設の設計について、プロポーザル方式によるプレゼンテーションを各社から受け、審査の結果、株式会社長大北陸事務所を最優秀者として選定した後、8月15日に基本・実施設計業務の委託契約を締結いたしました。
この契約締結の前段では、市内の保育園、幼稚園関係者のみならず、次世代育成支援行動計画対策地域協議会の委員の皆様からもご意見を頂戴して、施設整備に関する理解を得ながら推進しておりますが、今後もソフト・ハードの両面にわたって幅広く意見集約を図ってまいりたいと考えております。
なお、建設予定地となる旧本条小学校につきましては、今年11月を目処に校舎の一部の撤去工事を実施する予定としております。
6 東日本大震災で発生した災害廃棄物の広域処理について
本件につきましては、先の定例会でも様々な議論が交わされたところですが、このたび、新発田市から災害廃棄物処理に関する覚書を交わしたい旨の提案がありました。
その内容でありますが、「処理施設は、新発田広域クリーンセンター及び新発田広域エコパークとし、費用は、新発田市が全額を負担する。」「処理期間は、受け入れた災害廃棄物を焼却するに必要な期間とする。」「放射性物質の測定データを随時通知する。」旨が謳われております。
また、あわせて、今後の新発田市の対応スケジュールも示されまして、10月に災害廃棄物の広域処理に関する具体的な手順等の説明会が開催され、地域の理解を得た上で、12月に住民立会のもと試験焼却が行われます。
来年1月からは、試験焼却の結果報告と本格受け入れに向けた説明会と準備が開始され、平成25年4月から8月までの間を目処として災害廃棄物を受け入れる予定であるとのことであります。
当市として、まずは、覚書の内容を十分精査するとともに、広域事務組合の構成自治体である聖籠町と歩調を合わせながら対応してまいりたいと考えております。
7 事務事業等の外部委託の推進について
市では、本年2月に策定した「第2次行政改革大綱」を基に、地方自治の基本原則である「最小の経費で最大の効果」を発揮できるよう行政改革に取り組んでいるところであります。
その大綱に、具体的な取組項目の一つとして、指定管理者制度の推進や民間委託の導入を掲げているわけですが、これは健全な財政運営や定員の適正化に直結するものであることから、庁内に関係課長等の職員で構成する事務・事業委託等検討委員会を組織し、窓口業務等の民間委託や市立図書館の指定管理者制度の導入について先進地の視察を行うなど、これまで市が直接担うことが適切であると考えていた公共サービスについても外部委託の可能性を検討しているところであります。
いずれにいたしましても、行政の役割や責任を見極めたうえで、効率的で質の向上が図られる事務事業の外部委託について検討を重ねてまいりたいと考えております。
8 上水道の放射性物質の検査結果について
並槻浄水場の水道水につきましては平成23年3月24日から、村上市長政地内にあります原水調整池に貯水される前に荒川から取水される原水につきましては平成24年3月に国から取水地点の水道原水についても検査するよう通知があったため平成24年4月16日から、定期的に放射性物質の検査を実施しておりますが、現在まで水道水及び原水とも放射性物質は検出されたことはありません。
このたび法に基づく調査義務はありませんが、市が任意で平成24年8月16日に原水調整池に堆積している堆積物を汲み上げ、放射性物質の調査を実施したところ、最初に貯水する1号池においてキログラム当たり12ベクレルの放射性セシウム137が検出されましたが、並槻浄水場へ原水を送水する3号池の堆積物からは、放射性物質は検出されませんでした。
また、1号池と3号池の間にあります2号池につきましても平成24年8月31日に原水調整池に堆積している堆積物を汲み上げ、放射性物質の調査を実施しましたが、放射性物質は検出されませんでした。
市では、1号池の堆積物における放射性物質の値が、国が定める廃棄物のうち放射性物質として扱う必要のない基準でありますキログラム当たり100ベクレル以下ではありますが、今後の対応につきまして、県等と協議を進めるとともに、引き続き放射性物質の定期的な検査を実施してまいりたいと考えております。
しかし、市民の皆様へ供給しております水道水につきましては、これまでの間、放射性物質が検出されたことはないことから、市では安全上の問題はないと考えておりますので、引き続き万全の体制で監視を行い、結果等について速やかにホームページ等を通じて市民の皆様へお知らせをし、安全で安心な水道水の供給に努めてまいります。