自然が活きる、人が輝く、交流のまち“胎内”
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更新日:2016年10月15日
便宜上、見出しを付けています。
1 はじめに
2 健全な行財政運営に基づくまちづくり
3 安全に安心して快適に暮らせる地域づくり
4 活力を創出する環境づくり
日本経済は、デフレからの脱却がようやく見え始めてきてはいるものの、地方にとっては昨年の消費税引上げ以降の個人消費の弱さと政府が目指している経済の好循環が十分に進展していないこともあって、いま一歩の感はぬぐえません。
現政府には、昨年末に執行された衆議院選挙における圧倒的な支持からその期待感は相当なものがあると思います。先送りできない様々な政策課題が挙げられる中、まずは、経済再生を最優先として、中でも地方にとっては、景気回復を確固たるものとするためにも、成長戦略を強化すべきと思います。
先般、国の平成26年度補正予算が成立し、「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」が動き出しました。私たち地方の自治体も国の政策に呼応しながら、地方の活性化に向けて様々な事業に取り組んでまいりたいと思います。
さて、本年の行政執行におけるキーワードは「地方創生」であると思います。
昨年、日本創生会議から人口減少により地方消滅の危機が提言されたことは、ご記憶に新しいところだと思いますが、私たち地方自治体は、この提言を今の問題と十分に認識し、想定される人口減少社会を見据えたまちづくりについても、しっかりと考えなければなりません。
ただ、予想される人口減少社会を憂いてばかりではいけません。政府が策定した「まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、地方の果たすべき役割の重要性が取りあげられているように、むしろ、国を挙げての「地方創生」の取組は、地方の発展にとっては大きなチャンスであるともいえます。
いずれにしても、人口減少問題は、国と地方が足並みを揃えなければ解決できない難問でありますので、市として、市民や議会、企業等々の地域を構成する方々から英知をいただきながら、対応してまいりたいと思っております。
このほか、福祉、教育、産業等幅広い分野において様々な課題が山積しておりますが、引き続き、胎内市の更なる発展と市民の皆さまが安心して暮らせるよう市政を担ってまいりたいと思います。
人口減少問題を背景とした「地方創生」は、喫緊の課題であるとともに、国と地方が一体となって取り組まなければならないものと思います。そこで、胎内市として地方創生の実現を目指すべく、今後の5か年の目標や施策の基本的方向と具体的な施策をまとめた「地方版総合戦略」を平成27年度中に策定してまいりたいと思います。
②第2次胎内市総合計画の策定
現在の胎内市総合計画が平成28年度で終了しますので、本年は、平成29年度からの新たなまちづくりの指針となる「第2次胎内市総合計画」の策定に着手してまいります。その際、胎内市の特性や市民のニーズを十分に踏まえるとともに、今ほどの「地方版総合戦略」を考え合わせたうえで、地域の活性化に向けた実効ある取組を立案してまいりたいと思います。
③財政の健全化と行政改革の推進
現下の経済情勢と平成28年度からの普通交付税の段階的な縮減により、胎内市の財政状況は一段と厳しさを増してくることが予想されますが、一層の財政健全化の推進と不断の行政改革の取組により、行政サービスの充実と地域の活性化を図り、もって地方創生の実現を目指してまいりたいと思っております。
核家族化の進展や地域のつながりの希薄化などを背景に、子育て家庭や子どもの育ちをめぐる環境は大きく変化してきており、この環境の変化に対応し、より子どもを産み育てやすい環境の整備を図ることが急務となっております。
こうした中、この4月から「子ども・子育て支援新制度」が全国でスタートしてまいりますが、市では、本制度に対応すべく、これまで「子ども・子育て支援事業計画」の策定を進めてきたところでありまして、本計画では、今後の市における子ども・子育て支援に関する基本的な方向性、幼児期の教育・保育や地域の子ども・子育て支援などの提供体制の確保などを盛り込むこととしております。
今後は、本計画に基づき、親・子・地域が手をつなぎ、すべての人が安心して健やかに子どもを産み育てることができるよう、実効ある子育て支援施策に取り組んでまいりたいと考えております。
また、認定こども園につきましては、新制度に伴い、関係省庁が内閣府に一本化されることから、幼児期の学校教育・保育の一体的な提供がより強化されるものと思われます。
市といたしましても、保育が必要な方が保育園、認定こども園に入園できるよう、引き続き努めてまいります。
②少子化対策の推進
不安定な経済情勢や結婚に関する意識の変化と併せ、共働き世帯の増加などにより、生涯、夫婦が持つ子どもの数が少なくなっていると言われております。
このような状況に鑑み、市では根本的な少子化対策として、若者の出会いから結婚までをサポートするブライダルアドバイザー事業を平成26年度から開始したところ、アドバイザーの熱意と献身的な対応により結婚を希望する独身男女が交際を開始する事例や結婚に結びつく事例などの成果が現れてきているところであります。
新年度におきましても、こうした独身男女の縁結び支援や出会いの機会の創出の取組を通じて、若者の希望が叶えられるよう取り組んでまいりたいと考えております。
③子ども・子育てに係る経済的負担の軽減
平成26年9月から18歳まで拡充しました子どもの医療費助成や、不妊治療に対する助成などにつきましても引き続き実施し、子ども・子育てに係る経済的な負担の軽減にも努めてまいります。
④ひとり親家庭の自立支援の充実
就業に結びつくと考えられる国の指定する教育訓練講座の受講費に対する助成や、専門的資格取得のため2年以上養成機関で修業する場合に、修業期間の生活費を支給する事業を創設し、充実を図ってまいります。
(2)教育環境の向上に関する取組について
①学校教育に関する取組
特に次の3点に重点を置いて、地域の次代を担う人材の育成に力を注いでまいります。
1点目は、学力向上の取組であります。引き続き管理指導主事のほか各中学校区担当の指導主事3名を配置し、学力調査の分析に基づいて教員に対する授業改善の指導を行うなど、「学ぶ楽しさ」や「分かる喜び」を引き出す授業づくりに努めてまいります。また、学校と家庭が連携を図り、家庭学習の習慣化に結び付くよう支援を行ってまいります。
2点目は、ふるさとへの愛着と、自立心や豊かな人間性を育むためのふるさと教育、キャリア教育の更なる推進であります。地域の宝である子どもたちを地域でしっかりと育てるという機運の高まりは、地域住民の生きがいにも繋がりますし、また、キャリア教育の取組では複数の学校が文部科学大臣賞を受賞するなど、確実に定着してきていることから、引き続きその推進に努めてまいります。
3点目といたしましては、特別支援教育の充実であります。近年、増加傾向にある通常学級に在籍する比較的軽度の障がいを有する児童への対応といたしまして、中条小学校に通級指導教室が設置されることとなり、4月以降、支援の必要な児童を障がいの状態に応じたカリキュラムによって市内各小学校から受け入れることとしております。
今後とも、胎内市教育相談体系化連携事業の充実により、対象児童の把握と家庭と学校との連携に努め、一人ひとりに応じた教育の推進を図ってまいります。
②教育委員会制度改革への対応
昨年6月に公布されました「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律」が4月1日から施行されます。この度の改正は、地方教育行政における責任の明確化、迅速な危機管理体制の構築、首長との連携強化を図ることを目的としており、教育委員長と教育長の一本化、首長と教育委員会で構成される総合教育会議の設置、教育に関する「大綱」の策定がその主な内容となっております。
しかしながら、現教育長の在職期間中は、現行の教育委員会の体制が継続される経過措置がありますことから、まずは総合教育会議における協議・調整に基づき、教育施策の指針となる大綱を定めることとし、新体制への移行については、委員の皆さんとの共通認識を醸成した中で、教育の中立性、継続性・安定性を確保しながら、当市における新体制移行への道筋を考えてまいります。
③統合学校給食センターの供用開始
統合学校給食センターが、いよいよ今春から供用を開始いたします。
新しい給食センターでは、新たにアレルギー対応食専用の調理室のほか、食育の観点からも「生きた教材」として、様々な地場産物を使用できるようにした広い下処理スペースや、児童・生徒が調理の様子を見学できる通路や学習できる研修室を設けております。さらには、災害時における炊き出し施設としても機能できるよう、自家発電装置等を備えております。
供用開始に当たりましては、安全性や効率性など様々な技術を活かしながら、より一層安心でおいしい給食の提供に努めるとともに、食育推進の役割を担う施設運営を行ってまいりたいと考えております。
④生涯スポーツの推進
初めに、総合体育館の建設についてでありますが、「市民がいつでも、誰でも、一人でも気軽に健康づくりや仲間づくりに利用できる」ことをコンセプトに事業を推進しているところでありまして、平成28年度の供用開始に向けた建設工事の着実な推進と、このコンセプトにそって市民が生涯スポーツに関わることができるような環境づくりに努めてまいります。
また、スポーツ団体との連携を強化し、指導者の育成や確保に努め、スポーツ人口の拡大及び競技力の一層の向上を図ってまいります。
⑤生涯学習の推進
芸術・文化水準の向上に係る取組や子どもの社会性を育む取組、多様化する学習ニーズへの対応等を通じて、その推進を図ってまいりたいと考えております。
加えて、本年4月の供用開始を目指しております、乙地区交流施設につきましては、先般、広く市民等から愛称の募集を行い、「きのと交流館」と決定したところでありまして、乙総合福祉センターと同様の利用のみならず、多くの市民の交流と健康増進、文化教養等の学習の場として活用を図ってまいりたいと考えております。
(3)歴史・文化の保存・継承に関する取組について
①城の山古墳に関する取組
城の山古墳につきましては、一昨年の副葬品の出土以降、継続して調査を進めてきたところでありますが、平成26年度の調査において、前方後円墳を形作ると考えられる濠が確認されたことから、県内最大かつ日本海沿岸最北の前方後円墳である可能性が高まり、再び全国の注目を集めることとなりました。
新年度においては、この前方部の存在を確実なものとするための現地調査を実施し、その後、報告書刊行・国史跡指定の実現を目指してまいりたいと考えております。
なお、全国的にも貴重な出土品につきましては、主要なものを4月より奥山荘歴史館において展示公開する予定でありまして、この歴史財産をより多くの方々にご覧いただければと思っております。
(4)健康・福祉・医療に関する取組
①生活習慣病対策の推進
健康長寿の最大の阻害要因ともいわれる生活習慣病の予防対策についてでありますが、新年度は、発症予防と重症化防止に重点を置き、次の3点を中心としながら健康づくり事業に取り組んでまいります。
1点目として、生活習慣病の早期発見と早期対応を図るため、特定健診やがん検診の受診率向上に努めてまいります。その取組といたしまして、新年度から特定健診を市内の医療機関においても受診できるよう進めるほか、がん検診については、対象年齢の方への無料クーポンの配布を継続するなど、市民が受診しやすい環境づくりを進めてまいります。
2点目といたしましては、食事や運動、喫煙、飲酒などの生活習慣を市民が自ら改善できるよう特定保健指導や健康体操教室等を通して支援してまいります。
生活習慣を改善するに当たりましては、仲間とともに、楽しく取り組めるような工夫が必要と考え、食生活の改善において調理実習やバイキング形式による食事指導を取り入れることや、運動習慣の定着に向けて、ウォーキングイベントやウォーキング教室等も引き続き開催するなどの取組を行ってまいります。
3点目といたしましては、疾病の重症化予防として、糖尿病や高血圧等のハイリスク者に対し、危険因子を減らすための保健指導を行ってまいります。保健指導を行うに当たりましては、減塩、減量及び禁煙の3つを指導ポイントとして、来所相談や家庭訪問による指導など、対象者の状況に合わせながら取り組んでまいります。
②高齢福祉・介護施策の推進
日本の将来の高齢者人口は、10年後の平成37年には3人に1人が65歳以上という状況が見込まれておりますが、本市においては既に高齢化率が30パーセントを超え、一人暮らし高齢者の割合のみならず、認知症高齢者がかなり増加し、介護保険事業における要支援・要介護認定者数も急速に増加することが予想されます。
市では、このような背景の中で平成27年度から3年間の第6期高齢者福祉計画及び第6期介護保険事業計画を策定し、高齢者の生活における様々な場面を適切に支える仕組みをより強固なものとし、できる限り住み慣れた地域で、人生の最後まで尊厳を持って生活を送ることができるよう、地域包括ケアシステムの構築を中心に取り組んでまいりたいと考えております。
この地域包括ケアシステムの一翼を担う地域支援事業につきましては、平成29年度から介護予防・日常生活総合事業の実施を計画しており、平成27年度は市の実態に即した地域資源の活用に意を用いていかなければなりません。元気な高齢者が生活支援サービスの担い手として活躍できる場を創りだすなど、高齢者の生きがいや介護予防につながるよう、生活支援サービスの体制整備を図ってまいりたいと考えております。
また、介護サービス利用者の増加により、これを賄う第1号被保険者の介護保険料を上げざるを得ませんが、料金区分の多段階設定や納期の細分化により低所得者の負担の軽減を図ることに可能な限り配慮してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
③障がい福祉施策の推進
多様化する障がい福祉サービスを計画的かつ適切に提供することができるよう、平成24年度から利用者一人ひとりの「サービス等利用計画」の作成を進めてきたところでありますが、今年度ですべての利用者に対して作成される見込みとなったことから、一人ひとりのニーズによりきめ細かく対応した中で、相談支援に当たってまいりたいと考えております。
また、現在、障がい福祉サービスや提供体制の確保などに関する事項を示している「障がい福祉計画」の改定作業を進めているところでありまして、中でも、市内の障がい福祉施設の充実が必要と見込まれていることから、事業所等と施設整備に向けた協議を進めるなど、引き続き、障がいのある方が住み慣れた地域で、自立した日常生活、社会生活を営むことができるよう取り組んでまいりたいと考えております。
④生活困窮者自立支援に向けた取組
この4月から施行される生活困窮者自立支援法に基づき、生活保護に至る前の生活困窮者の自立促進を図るため、包括的・継続的な支援に取り組んでまいります。
生活困窮者の多くは、地域から孤立し自ら支援を求めることが困難な場合も多いことから、積極的に地域へ出向き早期把握、早期発見を行うことが大切であります。
生活に困窮している人が自立した生活に戻れるよう相談支援を行う「自立相談支援事業」や、離職等により住居を失った又はそのおそれがある人に「住宅確保給付金」を支給する事業などを社会福祉協議会や地域の関係機関と連携しながら実施してまいりたいと考えております。
⑤地域医療の充実に向けた取組
初めに、黒川診療所の医師確保についてでありますが、かねてから懸案事項として取り組んでまいりましたが、この4月から常勤医師による診療体制を確保できる運びとなりました。
また、中条中央病院のMRI装置の導入支援についてでありますが、市民が安心して生活を送れるよう、当該病院における最新機器の導入を支援してまいりたいと考えております。
また、機器の導入により、当該病院で脳ドックを受けられる体制が整い、住民サービスの向上にも繋がるものと考えております。
加えて、休日の一次救急医療の重要な役割を担っている中条地区休日診療所に、新たに薬剤師を配置し、安全で確実な医療の提供に努めてまいります。
⑥国民健康保険事業の推進
市町村国保は、高齢化の進展や医療技術の高度化等に伴い、医療費が年々増加する一方、被保険者には高齢者や低所得者を多く抱えているという構造的な問題から、その財政基盤は極めて脆弱であり、厳しい財政運営を余儀なくされております。
当市におきましても、平成26年度の被保険者一人当たりの保険給付費は、現時点で対前年度比約5.5パーセント増で推移し、医療費の増加に歯止めがかからない状況が続いており、国保財政の更なる悪化が懸念されるところであります。
市といたしましては、このような状況を受け、更なる特定健康診査の未受診者対策、レセプト点検の強化などの医療費適正化対策に重点的に取り組んでまいりたいと考えております。
一方、国におきましては、本年1月に「社会保障制度改革推進本部」が決定した「医療制度改革骨子」の中で、国保の財政基盤を強化した上で、平成30年度から都道府県が財政運営責任など国保運営の中心的な役割を担うことが明記され、今後、必要な法整備が進められることとなっております。
国保制度創設以来の抜本的な改革が行われようとしている中、市といたしましては、それらの動向を注視しながら、被保険者が従来どおりに安心して医療サービスを受けることができるよう、適切に対応してまいりたいと思っております。
(5)防災に関する取組
①地域の防災力の強化に向けた取組
昨年も全国各地で多くの災害が発生いたしましたが、災害には、自分の身は自分で守る「自助」とともに、お互いに助け合う「共助」が大切であると考えております。
このような意識を向上させるため、市が行う防災訓練はもちろんのこと、各自主防災組織や企業、学校等で行っている防災訓練におきましても地域住民や事業所、福祉団体、関係機関等が積極的に参加するよう働きかけるなど、一層の意識啓発や環境づくりに努めてまいります。
また、災害が予想される場合には、住民に対しまして、防災行政無線や防災メール、車両での広報、ホームページへの掲載等を通じ、状況に応じて避難準備情報、避難勧告、避難指示といった避難に関する情報をいち早く提供するなど、想定しうる災害に、迅速かつ的確な対応が取れる体制づくりに取り組んでまいります。
(6)社会資本整備に関する取組
①中条駅西口整備事業及び街路事業(駅西通り線)の推進
平成29年秋の供用開始に向けて、いよいよ新年度から鉄道施設やアクセス道路等の工事に着手いたします。事業推進に当たりましては、引き続き関係各位との連携を図りながら取組を進めてまいります。
また、中条駅西口完成後のまちづくりを見据え、将来にわたって安心かつ快適に暮らせる都市形成を目指し、居住機能や福祉・医療、商業、公共交通等市全体の都市構造を見渡したマスタープランとして立地適正化計画の策定に取り組んでまいります。
②市道整備事業の実施
総合体育館へのアクセス道路のゆりケ丘・高野橋線のほか14か所の工事を予定しており、市民生活の向上に資する生活路線の整備を行ってまいります。
③公共下水道事業・水道事業・簡易水道事業の実施
新年度においては、上城塚と羽黒地内の工事を進めてまいりますし、水道事業及び簡易水道事業では、羽黒ほか3地内の配水管取替工事を実施するほか、鼓岡取水場のポンプ設備の改良工事を実施し、より安全・安心な水道の安定供給に努めてまいりたいと考えております。
④スマートインターチェンジに関する取組
市では、中心市街地からの利便性向上と、中条中核工業団地における企業誘致促進のため、日本海東北自動車道と県道笹口浜中条線との交差地点にスマートインターチェンジの設置を計画し、交通量推計や費用便益比などの調査を行っているところであります。
新年度は調査結果を踏まえ、予備設計や実施計画書の作成を行いまして、連結許可申請に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
昨年は、経営所得安定対策の見直しと、米の過剰在庫による米価の下落により稲作農家にとって大変厳しい年となりました。
そのため国では、平成26年度補正予算において、農地中間管理機構による担い手への農地集積・集約化の着実な推進とあわせ、米価下落への対策として、平成27年産米において稲作農業者が取り組む生産コスト低減の取組を支援するなど、稲作農業の体質強化を図ることとしております。
加えて、主食用米の需給環境を改善し、米価を適正な水準にするには、生産調整の着実な実施が必要でありますことから、市といたしましても、主食用米偏重ではなく、麦、大豆、米粉用米や飼料用米などの需要のある戦略作物の生産を推進して農業者の所得確保に取り組むとともに、新たに農業振興支援事業を創設し、農業機械等を導入する農業者等に対し支援を行うなど、担い手の育成強化を図りながら力強い農業の実現に向けた取組を農業関係機関と連携し推進してまいりたいと考えております。
②砂丘地園芸の振興
葉たばこやチューリップ球根栽培につきましては、関係団体と連携を図りながら支援してまいりますし、にんじん・だいこんなどは大手企業との契約栽培による安定収入の確保に向けて引き続き農協と協調し支援してまいります。
また、平成23年から製薬会社や農協等との協定のもと推進してまいりました甘草につきましては、苗の培養施設の整備や、これまでの試験栽培の取組で、ある程度の栽培技術が確立されてまいりました。
新年度においては、農業者が安心して甘草栽培に取り組めるよう、甘草の商品開発や販路開拓を支援するとともに、甘草を含めた薬用作物の6次産業化に向けた取組を進め、砂丘地園芸の再生と新産業の創出を目指してまいりたいと考えております。
加えて、甘藷「紅はるか」につきましては、地元の菓子組合、飲食業組合や給食食材の加工事業者との連携を通して、販売促進に向けた支援を行ってまいります。
③農業基盤の整備
築地地区と柴橋地区のほ場整備事業につきましては、引き続き県及び土地改良区との連携を図りながら、早期完成を目指し整備工事を進めてまいります。
④農村環境の保全
新年度から法制化されます「日本型直接支払制度」の「多面的機能支払」や「中山間地域等直接支払」等を通じて、高齢化により困難となっている農村地域における地域活動を支え、もって農道・水路等の農業施設の維持を図るほか、農業の持つ水源の涵養、自然環境の保全等の多面的な機能が持続的に発揮されるよう、制度利用の推進に努めてまいります。
今後も、ほ場整備事業や日本型直接支払制度の推進により、ハード、ソフト両面から、農業の抱える高齢化、担い手不足等の課題の解消に向けた基盤づくりを進めてまいりたいと考えております。
⑤松くい虫被害対策
海岸松林の松くい虫被害は一部鎮静化しているものの、依然として海岸林を始め、内陸部の民有林等へも拡大傾向にあります。
市といたしましては、引き続き、松くい虫被害の終息化に向けて、予防としての樹幹注入や航空防除、対処事業としての伐倒駆除や破砕作業を計画的に実施してまいりますし、さらに、新年度から、個人宅の庭松等の予防及び対処事業を支援するなど、きめ細かな松くい虫被害対策を進めてまいります。
併せて、既に松枯れが治まっている地区におきましては、県・地元企業・ボランティア団体等と連携の上、計画的に松や常緑広葉樹の植栽を進めてまいります。
(2)商工振興に関する取組
①プレミアム商品券事業・住宅リフォーム事業の拡充
先般、政府は、地方経済を下支えするための政策を重点的に盛り込んだ補正予算を成立させました。市といたしましても、それに連動した中で市民の消費喚起策と中小企業の経営支援を展開してまいりたいと思います。
まず、消費喚起策でありますが、特に本年は、市制施行10周年という記念すべき年でもありますので、これまでも実施してまいりましたプレミアム商品券事業と住宅リフォーム事業について、従来よりもプレミアム率や補助率等を上乗せした形で実施したいと思っております。加えて、要援護世帯に対し市内で使用できる商品券を無償で交付したいと考えております。
②中小企業支援施策の推進
中小企業支援施策としては、市の制度の中小企業育成資金等の貸付制度や、各種融資に伴う信用保証料の全額補給を継続して行ってまいりますし、新たな取組として、市内中小企業者の市場開拓や販路拡大を支援するための助成金制度を設けることで、中小企業の経営安定と健全な発展に寄与してまいりたいと思っております。
新年度におきましても地域経済動向を注視しながら、商工会等と連携のもと、消費者そして市内中小企業へのきめ細かな支援に努めてまいります。
(3)企業誘致・雇用対策に関する取組
①企業誘致の推進
今年度における市内工業団地への立地状況といたしましては、ご承知のとおり、中条中核工業団地に株式会社ジャムコを誘致し、また、黒川南工業団地には株式会社中央シオノヤを誘致するなど、着実に分譲率が上昇しているところであります。
全国の企業立地動向としては、昨年12月調査の日銀短観によりますと、円安の進行により企業マインドに停滞感が見られるものの、製造業の一部に海外生産から国内生産に切り替えるといった動きが出てきております。
こうした状況を踏まえ、市といたしましては、地域経済の活性化と雇用の確保を図り定住促進に繋げるため、引き続き、県と連携の上、積極的な情報収集と迅速な対応を行いながら企業誘致活動に当たってまいりたいと考えております。
②雇用対策の推進
当市では、平成22年度から胎内市雇用促進協議会を設置し、労働力の確保と雇用の安定及び拡大に向けて、関係機関、団体、市内企業が情報を共有し連携しているところでありまして、今後も緊密な連携の中で、取組を進めてまいりたいと考えております。
(4)観光振興に関する取組
①地域資源を活かした観光振興
観光人口の誘客促進を図るためには、飯豊連峰に続く山地などの豊かな自然、奥山荘城館遺跡や乙宝寺などの歴史的・文化的資源、宿泊施設やスキー場、各種体験プログラムを揃えている施設が集積した胎内リゾートなどの多様な資源を有効活用し、観光産業の一層の活性化を図る必要があると考えております。
新年度においては、胎内市ならではの魅力的な地域資源を活かしたツアーの企画や観光ボランティアガイドの育成などに取り組み、市・観光協会・市内事業所が連携した中で、誘客促進に向けた取組を進めてまいります。
②胎内リゾート活性化に関する取組
胎内リゾートの活性化を推進していくためには、「無駄を削減する。」から「付加価値を創造、向上する。」段階へとステップアップさせなければなりません。そのためには、市内及び周辺地域との連携を深め、食や物販、体験プログラム、各種イベント等において更なる地域性を発揮させることが大切です。この様な観点のもと「第2次胎内リゾート活性化マスタープラン」及び「第2次胎内リゾート活性化アクションプラン」に基づき、各種事業に取り組んでまいります。
③樽ケ橋エリア活性化に関する取組
樽ケ橋エリア活性化検討委員会の議論を経て、新たなグランドデザインと今後の活性化方策に関する計画を策定いたしました。
この樽ケ橋エリアにつきましては、市の観光情報の発信拠点として、また、市民と観光客の憩いの場として親しんでいただけるよう、関係各位が連携をとって、この計画の実現に取り組んでまいりたいと考えております。
お問い合わせ
総務課法制係
新潟県胎内市新和町2番10号
電話番号:0254-43-6111
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