自然が活きる、人が輝く、交流のまち“胎内”
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更新日:2017年11月9日
初めに、私が大事にしたい、市政の根底に据える基本的な思いについて申し上げます。
一つ目は、「未来への投資」という視点であります。少子高齢化・人口減少が加速している中で、胎内市が、近い将来だけでなく、10年、50年、100年先も持続的に存続し繁栄していくために、未来への投資という観点から、「まちづくりは人づくり」という理念を大切にして、子育て支援と教育を充実させ、未来を支える人材を育成することに尽力してまいります。そして、まちの活力が失われていくことのないように対応していくことも肝要であることから、これからの胎内市を支える魅力的な人材、その人材を受け入れる雇用が存在し続けるまちとなるよう、まちの情報や魅力を発信し、地域内外の力をまちづくりに積極的に取り込んでいきたいと考えております。
二つ目は、重要な施策や事業は、市民の皆様に情報公開して、市民と共に考え、「市民との協働」によるまちづくりを推進するということであります。積極的に市政に関する情報を発信し、各施策の合意形成や計画策定から事業の実施に至る各段階で市民の皆様に参画いただける仕組みを構築し、市民の皆様が自らの地域の今後のあり方を考え、その実現に向けて持てる力を発揮できるようにしていきたいと考えております。
最後に、事業実施に係る財源についてでありますが、交付税等の歳入減少が明らかになっている一方で、社会保障に要する費用の増大が見込まれています。このような情勢においては、無いよりもあった方が良いという発想ではなく、真に必要で求められることを、まさに「選択と集中」を基軸にして取り組まなければなりませんし、併せて、税収増につながる企業誘致、企業版ふるさと納税やクラウドファンディングなどを活用した新たな財源確保にも取り組んでいかなければならないと考えております。
それでは、以上の方針に基づいて、私が展開する施策の一端について述べさせていただきます。
まず、「子育て支援について」申し上げます。
市民が、出産、育児に夢や希望を持ち、安心して子育てと仕事の両立を図ることができる環境づくりが大切であり、それを皆様と共に進めてまいりたいと思っております。
その一つとしまして、妊娠初期から子育て期までを継続的、そして、包括的に把握し、母子保健と子育てについて切れ目なく支援を行うため、総合的なコーディネートを行う人材を育成し、妊産婦や子育て世代の保護者が気軽に立ち寄ることができる総合相談窓口を設置し、安心して子育てができる環境づくりを行ってまいります。
また、子育て世代の親子と地域が協働し、地域ぐるみで子育てを行う環境づくりをするため、現在運営している子育て支援センター機能の更なる充足を図ってまいります。
併せて、地域の皆様と共に子育て世代の親子が気軽に安心して相談や仲間づくりができる居場所づくりに取り組むほか、子どもたちを地域で見守る体制づくりを構築していきたいと考えております。
次に、「教育の充実について」申し上げます。
価値観やライフスタイルが多様化する中で、地域社会における支え合いは希薄になり、セーフティネット機能が低下してきています。本市においても今後、「地域の子どもは地域で育てる」という考え方が少しずつ失われ、核家族化が進行する中で、家族内だけでの子育てが、ますます進むのではないかと予測しているところであります。
このような状況を踏まえ、家庭だけではなく地域社会が教育における大切な役割を担っていくことが肝要であると認識しております。
教育は学校だけで担いきれるものではありません。子どもたちの輝く未来の創造に向けて、学校と地域が良きパートナーとして連携・協働しながら取組を進めていくことが必要であり、学校と地域の住民等が「地域でどのような子どもたちを育てるのか」、そして、「何を実現していくのか」という目標やビジョンを共有することが重要であります。
このことを実現するために導入するのが、コミュニティ・スクールであり、平成30年度には、全小中学校で導入に着手し、学校運営に地域の声を積極的に取り入れ、地域と一体となって特色ある学校づくりを進めながら、次代を担う人材の育成に努めてまいります。
次に、「生涯スポーツと文化・芸術の振興について」申し上げます。
いずれにも共通することとしましては、生涯を通じていろいろな活動に触れたり、親しんだりする市民の裾野を広げることで、生きがいや多世代との交流を育み、市民の幸せにつながるような取組を大切にして、関係団体等とともに進めていきたいと思っております。
まず、生涯スポーツに関する取組についてですが、誰もが気軽にスポーツに親しむことのできるイベントを開催するなどして、地域の一体感の醸成を図るとともに、健康寿命の延伸にも寄与するような活発な活動が生まれる土壌を育んでまいります。
続いて、文化・芸術に関する取組としては、文化・芸術の祭典のような魅力的で感動を呼ぶようなイベントや市民講座を開催するなど、多世代が文化・芸術に触れる機会の提供のほか、団体間の交流の促進、情報提供等の支援を行い、生涯学習活動に取り組みやすい環境づくりと自主的な活動の促進を行ってまいります。
そして、生涯学習施設の整備については、公共施設等総合管理計画の基本的な方針に沿った中で、市民ニーズに合致し、かつ、整備後の利活用、そして、維持管理や運営に係る費用などを総合的に勘案し、望ましいかたちで行っていきたいと思っております。なお、整備に当たっては、今ほど申し上げました市民ニーズに合致することがとても大切になりますので、市民の各層から広くご意見を頂戴したいと考えております。
続いて、「健康づくりの推進について」申し上げます。
生涯にわたって、豊かで幸福な人生を送ることは、誰しもが願っていることです。そうした思いを現実のものとするためにも、健康という視点は欠かせず、しかも単に平均寿命を延ばすのではなく、健康上の問題で日常生活が制限されることのない、いわゆる健康寿命を延伸させることが大切であります。
今後、本市でも高齢化が更に進展していくわけですが、市民の皆様の健康寿命の延伸を現実のものとすべく、心身ともに健康で元気のある胎内市を創り上げてまいります。
そのために、まずは、健康の阻害要因である疾病を予防する取組を進めます。特に日本人の死因の多くを占めている三大生活習慣病対策は重要と認識しております。そこで、特定健診や各種がん検診の受診率を向上させるとともに、検診の結果、疾病リスクが高い人には、積極的に生活習慣の改善に向けた保健指導にあたるとともに、ケースによっては医療機関の受診を促すなど、疾病の早期発見、早期治療を推進してまいります。
また、健康づくりには、市民一人一人が健康の重要性を自覚し、自らの行動で健康をつくるという意識を持つことが大切であることから、市民の方々を交えた地域ぐるみの健康づくりに取り組んでまいります。
その一つの取組として、栄養や運動といった健康要素を適切に、楽しみながら取り入れていけるよう、例えば、胎内市の歴史を学びながら、ウォーキングを楽しむなどの、地域体験型健康づくり事業を市民の皆様の豊かな知識と経験を活かした、まさしく市民協働として実施してまいります。
このように、行政や各種市民団体、地域、家庭及び市民一人一人が互いに連携しながら、社会全体で健康を支え守る取組を進め、市民の皆様の健康寿命延伸を目指したいと考えております。
次に、「支え合いによる福祉の充実について」申し上げます。
少子高齢化・人口減少社会において、これまでの社会保障制度が限界に達しつつある中で、国は、地域共生社会という概念を打ち出しています。本市においては、互助の重要性が増しているにもかかわらず、住民同士や家族関係などの社会的なつながりが希薄化しているという現状があります。そして、支援を必要とする地域・市民が抱える問題は、高齢福祉、障がい福祉、生活困窮対策といった縦割りの制度で対応しきれない複雑なものとなっています。このような情勢の中、誰もが住み慣れた地域で、最後まで自分らしく暮らし続けていくには、横の連携を大切にした支援が必要であるとともに、「向こう三軒両隣」に象徴される地域での互助が必要になってきます。
そこで、要援護者の大多数を占める高齢者の皆様に対しては「地域包括ケアシステム」の充実・拡大をもって進めていく一方、地域に対しては「地域支え合い体制づくり事業」の更なる充実をもって、例えば「こども食堂」や介護予防のための「通いの場」など地域が主体性を持って支え合いの輪が広がっていくよう社会福祉協議会等の関係機関と連携を図り事業を進めていきたいと考えております。そして、可能な範囲で、障がいのある方や高齢者が地域の一員として役割を担い、社会参加しやすい地域づくりを進めることで、市民の一人一人がお互いを思いやり、価値を認めあい、差別や格差のない共生社会を市民の皆様とともに作っていきたいと考えております。
続いて、「産業振興と交流促進について」申し上げます。
まず、基幹産業の一つである農業の振興についてですが、胎内市が有する恵まれた自然環境を活かしながら、これからの農業は、農作物を作るというだけの発想ではなく、それが多くの人に求められる食材・食料となるよう、消費者ニーズも意識しながら、付加価値を高めていくことが必要だと考えております。
市の主要作物である米については、良質米の生産につながる土づくりを始め、ブランド化や付加価値向上につながる農薬や化学肥料の使用量の削減などへの支援と米粉の普及に向けての支援を図ってまいります。
また、農畜産物を活用した新たな加工品や特産品などの商品開発、新技術の導入支援、新たな作物栽培への挑戦や研究、生産品の販路拡大に向けた情報発信等の取組を進める地域の農業者・団体への支援と検討を深めながら、ニーズに合った支援を行ってまいりたいと思っております。
そして、農業の新しい展開も企図した新潟食料農業大学への支援についてでありますが、当該大学については、当初の計画どおり8月末に文部科学省から設置認可が下り、胎内キャンパスとなる平根台の校舎も改修工事が進み、来年4月の開学に向けた準備が整いつつあります。
私としましては、この大学が開学することで、農業と食料がリンクした6次産業化などの新たな魅力が生まれ、本市の農業振興と後継者育成にも良い影響を及ぼすことを期待しておりますことから、引き続き支援するとともに連携の方策を模索していきたいと考えております。
次に、商工業の振興についてですが、商店街の活性化や中小企業等の振興を図るため、様々な立場の関係者との話合いの中で、市としての方向性を改めて検討し、合意形成を経て、振興に係る基本計画の策定を進めることで望ましい方向付けを行ってまいります。
次に、交流の促進についてですが、本市は山・川・海と豊かな自然を有し、観光資源も豊富です。それらを有機的につなぎ、魅力あふれる周遊ルートの開拓などを市民の皆様と共に考えるなど、市全体でおもてなしの心をもって来訪者を迎えるなど、市内全域を多くの人が訪れてくれるような仕組みや仕掛けをつくり出し、交流人口の拡大を図っていきたいと考えております。
続いて、「再生可能エネルギーの導入について」申し上げます。
これまでも市では、水力や太陽光あるいは陸上の風力発電等、再生可能エネルギーの活用を図るべく、その普及に取り組んできたところでございますが、今後は、新たな企業創生や財源の確保にもつながる洋上風力発電やバイオマス事業など、関係機関と連携を取りながら検討を深めていきたいと考えております。
以上、私が市長に就任するに当たっての基本的な考えの一端を述べさせていただきましたが、これらを市民と一体となって進めるため、行政による一方的なまちづくりではなく、外に出て、市民の方々と理解し合い、協力し合いながら物事を進められるよう、全職員と協働の思いを共有し、取り組んでいきたいと思いますので、ご指導のほどよろしくお願いします。
4 介護予防・生活支援拠点施設 健伸館の利用状況について
5 胎内高原ワインについて
6 日本海沿岸東北自動車道と新潟中条中核工業団地を直結するスマートインターチェンジの設置計画について
7 空き家等対策の動向について
8 嘉平山の林地開発について
9 固定資産税の住宅用地軽減漏れに伴う補填金等の処理経過について
本制度は、妊産婦がいらっしゃるご家庭の経済的負担の軽減を図ること、また、母子の健康管理を促進することを目的に、妊産婦が医療機関等を受診する際の医療費の一部を助成するもので、関係機関との協議も整いましたことから、予定どおり、先月1日から制度の運用を開始しております。
当市においては、妊産婦への医療費助成は初めての取組でありますが、子どもの医療費助成制度など類似の仕組みが定着していることもあり、窓口となる医療機関や妊産婦の皆様に戸惑いはなく、順調に進められております。
今後も妊娠届や母子手帳の発行の際に、個々に制度のご案内をするなど周知を徹底してまいります。本制度が対象となる妊産婦の皆様に広く理解され、活用いただくことで、妊娠や出産に対する不安の解消にもつながることを期待しております。
耐力度調査は、文部科学省が定める公立学校建物の耐力度調査実施要領に基づく建物の老朽状況の調査であり、昨年9月から12月にかけて、平成22年度に建築された屋内運動場と児童昇降口棟を除く各建物について、予備調査を実施し、所要の耐力度が認められなかった南校舎について、本年2月から3月の間に本調査を実施しております。
その後、県教育委員会において、当該調査結果の審査が行われ、7月に、「南校舎のうち、昭和35年度及び36年度に建築した棟については、構造耐力に問題はないが、経年による老朽化が進んでいる」との所見が示されています。
この結果を踏まえまして、今後、中条小学校の改築を含めた老朽化対策の検討を進めることとしております。
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現在、当診療所では、県立坂町病院から医師を派遣いただき、週に3日、午前中のみ診療を行っているところであります。
この診療支援は、本年12月末までの限定的なものであることから、市では、今後の診療所の運営の在り方を検討するに当たり、先月に旧鼓岡小学校区及び旧大長谷小学校区にお住いの全世帯に対し、黒川診療所・医科に関するアンケート調査を実施しました。
その結果を見ますと、平時から安心して生活をしていくために継続してもらいたいとの声が多くありました。
また、この地域は、人口減少とともに高齢化がますます進展していくことが予想され、地域包括ケアシステムの実現が望まれていることからも、近隣の医療機関との連携を図りながら、行政だけではなく地域全体で、この地域の医療を支えるという姿勢を持つことが大切であろうと認識しております。
当診療所は老朽化が懸念されていることから、このままの状態で運営をしていくには限りがあり、施設自体をどうするかという課題はありますが、地域の方々の思いを大切にし、少なくともこれからの一定の間は継続をしていきたいと考えています。
現在、近隣の医療機関と診療支援について協議を進めており、下越医療圏域では医師が絶対的に不足していることから非常に厳しい中ではありますが、鋭意努力してまいります。
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今後は、現在の活動に加えて、新たに音楽療法士による健康づくり講座等を開催するほか、地域住民により結成された「健伸びサポート隊」による料理実習体験や食材の配達等の生活サポート、地域と協働した植樹などの施設周辺の整備等を行いながら、より多くの皆様に親しんでいただける介護予防と健康づくりの拠点となるよう取り組んでまいります。
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本年7月に、山梨県で開催されました日本ワインコンクール2017において、胎内高原ワインが、欧州系赤ワインの部で銀賞1点、銅賞1点、また、欧州系白ワインの部で銅賞1点を受賞いたしました。
赤白両部門において受賞できたことは大変喜ばしいことであり、胎内産ぶどうの品質の高さと、その良さを引き出す醸造技術が評価を得たのではないかと思っております。
なお、受賞したそれぞれのワインにつきましては、先月から店頭販売等を開始したところであります。
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適正管理がなされない空き家等は、防災、衛生、景観等の面で地域住民の生活環境に重大な影響を与えるおそれがあります。そこで、市では、そうした空き家等に関する抜本的な対策を講じるため、「空き家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、区長会、司法書士会、弁護士、土地家屋調査士会、建設業協会、宅地建物取引業協会、社会福祉協議会等の関係者を委員とする空き家等対策に関する法定協議会を組織し、第1回協議会を先月13日に開催したところであります。
この土地につきましては、民間事業者による開発が平成14年に頓挫してから、長年手が付けられないままとなっており、当該林地開発の許可権者である県との協議や現場での検証を重ねてきておりましたが、ようやく先月上旬に、県から現況のままで開発を完了することを認める旨の通知を受けたところであります。
当初は史跡公園として整備する予定ではありましたが、このほか様々な用途が考えられますので、最も有益な活用方法について、今年中にプロジェクトチームを設置するなどして、多角的な検討を始めたいと思っております。
本年6月1日に議員の皆様に説明がなされた本件につきましては、6月末に「固定資産税過誤納補填金支払要綱」を制定し、8月中に関係者63人分の補填金等約3,800万円の支払を終えております。
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