自然が活きる、人が輝く、交流のまち“胎内”
文字サイズ
ここから本文です。
更新日:2022年5月30日
年々増加するサルの被害は、柿やクリなどにとどまらず、集落内の畑や田んぼにまで及び、被害を受けた農家の中には、生産意欲を無くし耕作を放棄する例もあり、野生動物が隠れ、生息できる場所が増えるという悪循環が起こっています。
ニホンザル被害対策の手段の一つとして、本格的に犬を最初に導入したのは、 長野県大町市です。
導入した地域では、常時40~50頭の群れで出没していたサルが、導入2か月後には激減し、追い払いを繰り返すことで、農作物被害がほとんどなくなったとのことです。
もちろん、モンキードッグだけでなく、電気柵や簡易柵、地区での追払い、里山整備等平行して被害対策を実施することが効果をあげる要因となります。そして、なにより人間が餌になるものを放置しないことが重要です。たわわに実った柿や、畑で収穫し忘れた農作物、捨てた野菜くずは、サルだけでなく、クマを人里へ誘引することにつながってしまいます。
胎内市の山間部にある坂井集落では、サルを追い払う「モンキードッグ」の愛犬「サブ」が活躍しています。
「サブ」の飼い主である中村さんは、鳥獣被害対策勉強会でモンキードッグを知り、「畑で農作業しているおばあちゃんのすぐ後ろで、サルが野菜を引き抜いていたこともある。地域の役に立ちたい。」と考え、2018年(平成30年)に「サブ」を訓練所にあずけ、自身も一緒に訓練され、胎内市第1号のモンキードッグとして、胎内市から2019年(令和元年)に認定されました。
中村さんと「サブ」
胎内市のモンキードッグ「サブ」の訓練の様子が動画で紹介されています。
訓練は2018(平成30)年6月から11月の間に、安曇野ドッグスクールで行われました。
活動は毎日朝夕2回の集落内パトロール。
サルの出現が知らされると、「サブ」のリードが外され、山奥までサルを追い払いに行きます。住民からは「サブ」がパトロールをするようになってから、サルの出現数が減った」との声があり、今後の期待値の高さが伺えます。
しかし、1頭のモンキードッグがサルの被害を防ぐ範囲には限界があります。
中村さんは「サルが出没しなくなっても、別の地域に活動拠点を移しただけでは意味がない。パトロールの範囲やサルの群れを追いやる場所について、集落の目標を明確にし、地域全体が連携する必要がある。」と話します。
地域の畑を荒らすサルを追い払ってくれるモンキードッグ。
自分のペットをモンキードッグにするには、どうしたらよいのでしょうか。
どんな家庭犬であっても訓練次第でモンキードッグになることができますが、小型犬よりは中・大型犬、老犬よりは若い犬、野山を駆けることを考えると足の短い犬種よりは、運動好きで足の長い犬種が向くといわれています。
訓練期間は基本5カ月間。
犬は訓練所(安曇野ドッグスクール)に預け、家族は週1回程度一緒に訓練に参加することが条件になります。(要相談)
訓練費用は27万円~ですが、市における被害防止対策として位置づけることで補助金を活用することができます。
お問い合わせ
農林水産課農産振興係
新潟県胎内市新和町2番10号
電話番号:0254-43-6111
noushin@city.tainai.lg.jp