自然が活きる、人が輝く、交流のまち“胎内”
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更新日:2023年3月23日
便宜上、見出しを付けています。
1 はじめに
2 子育てと教育
3 2025年問題への対応
4 地球温暖化に関する環境問題
5 防災・減災
6 文化・芸術の振興
7 産業・観光の振興
8 市民協働
9 アフターコロナに向けた取組、物価高騰等に伴う支援
10 デジタル化の推進
令和元年度から続く新型コロナウイルス感染症は、国が「5類」への引下げの方針を固め、感染対策に関しましては、いわば転換期にございますが、未だ収束の兆しが見えず、今後も新たな変異株による感染の拡大が懸念されるところでございます。
また、世界的なエネルギー価格の高騰やロシアのウクライナ侵攻を起因とする物価高は市民の生活や事業者経営に多大な影響を与えております。
令和5年度は、こうした長期化するコロナ禍への適切な対応と物価高騰の影響を受けている方々への必要な支援を行い、変化する社会情勢や当市の抱える課題に適宜対処しながら、人口減少社会の中であっても、未来への投資を進め、持続可能なまちづくりの実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
ただいまからその大要を9つの項目にわたって説明申し上げます。
(1)子育てに関する取組
少子化の傾向が顕著になってきている時代背景の中、保護者が安心して子どもを保育園等に預けられ、子どもたちが楽しく元気に保育園等での生活が送られるよう、保育環境をしっかりと整えていかなければならないと思っております。かような認識の下、これまでも保育園の再編などを行ってまいりましたが、私立のこども園及び保育園の皆様とも現状と課題等についての共通認識を持ちながら、引き続き、健やかな子どもの成長のための望ましい保育を提供できるよう取り組んでまいりたいと思っております。
また、全ての妊婦と子育て世帯が安心して出産・子育てができる環境を整備するため、妊娠期から出産・子育てまでの相談に応じながら、様々なニーズに即した支援につなげる伴走型相談支援と、出産・子育て費用の負担軽減を図る経済的支援を一体的に行う「出産・子育て応援事業」に取り組んでまいります。
(2)教育に関する取組
「胎内市立小中学校の適正規模及び適正配置に関する基本方針」につきましては、昨年4月の答申を踏まえると、中学校の適正規模としては、クラス替えが可能な1学年2学級以上を目安とし、それが実現できない場合でも1学級20人以上となることが望ましいとの考えが示されておりますが、令和14年度以降、複数の中学校で、1学級20人を大きく下回る状況が予測されております。
そのことを踏まえつつ、今後の生徒数の動向を注視し、中長期的な展望として10年程度の将来を見据えて、市内4中学校の統合に向けた検討を進めていかなければならないと考えております。
今後、全中学校区の保護者や地域住民の代表者、学校の代表者の方々などで構成する市内中学校の統合に関する検討委員会を発足させ、具体的な協議を重ねていただいて、中学校の適正配置について一定の方向付けを行ってまいりたいと思います。
なお、小学校の適正規模の検討につきましても、中学校に続く検討課題として、議論を重ね、望ましい在り様を定めていく方針といたしております。
また、中条小学校の改築事業につきましては、昨年12月にPTAや地域住民の方々に対する工事概要等の説明会を開催しており、今月中には実施設計が完了する予定となっておりますが、令和5年度の予定といたしましては、議員の皆様にもお示ししましたとおり、仮設校舎の完成後に南校舎等を解体し、新校舎の建設に着手する予定でございます。
改築工事中は仮設校舎とともに現在の北校舎を併せて使用することとしておりまして、子どもたちの学習の妨げにならないよう配慮しながら、令和7年度中の新校舎の供用開始を目指して整備を進めてまいります。
2025年、令和7年は「団塊の世代」が全員後期高齢者になる年であり、介護費や医療費を始めとする社会保障費の急増が全国的な問題として懸念されています。
当市においては、後期高齢者人口の増加がピークを迎える令和7年度に向けて、高齢者の誰もが住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられるよう、介護予防の推進とともに、医療・介護・生活支援等のケアが一体的かつ継続的に提供される「地域包括ケアシステム」の確立を目指し、支援機関や各事業間の連携強化の取組を進めております。
令和5年度からは、新たに県の「地域マネジメント力強化支援事業」を活用して、県から派遣されるアドバイザー等からの支援を受けながら、通いによる短期集中型介護予防教室を軸として、地域の様々な社会資源や市民の皆様によるサポートも活用しつつ、取り組んでまいります。また、併せて高齢者を支える支援者の地域の課題解決に向けたマネジメント力を強化するための事業を拡充してまいりたいと思っております。
近年の地球温暖化の進行は深刻で、地球規模の気温の上昇やそれに起因すると思われる自然災害が頻繁に引き起こされており、当市においても昨年の夏には甚大な豪雨災害に見舞われました。
このような背景の中で、当市は、環境の世紀と称される21世紀にごく小さな地域ながらも地球温暖化という喫緊の大きなテーマに取り組むべく、洋上風力発電の導入促進を積極的に進めてまいりました。
その結果、再エネ海域利用法に基づく促進区域の指定を経て、令和5年度中には国による事業者選定の結果が出ることが見込まれる近況となっておりますことから、正に来年度は、事業化がスタートする年度になると捉えております。
洋上風力発電の立地により、一定の税収確保はもちろん、観光振興や雇用促進、新産業の創出など様々な効果が期待できますが、サプライチェーンの構築には大きな期待を寄せておりまして、市内における仕事の受け皿として設立された「胎内市洋上風力関連事業推進協議会」とも連携して情報共有を図りながら、そのメリットを最大限活かせるように取り組んでまいりたいと考えております。
併せて、当市が洋上風力発電の誘致促進を積極的に進めてきた意義やそれによりもたらされる地域活性化の可能性について、市民への理解の更なる浸透を図るとともに、洋上風力発電事業の本格的な稼働が胎内市に住んでいる人、胎内市に生まれ育っていく人にとって、極めて大切な誇り、「シビックプライド」を育むことにつながるよう取り組んでまいりたいと思います。
また、この機を捉えて海外において洋上風力発電が行われている様を目の当たりにして、来るべき運転開始を見据え、まちづくりといかに共生しているのかを見聞し、その後約30年間に及ぶ事業者との関係性の構築に資するよう知見を深めてまいりたいと考えております。
(1)豪雨災害からの復旧
市道及び河川につきましては、110ある被害箇所のうち、工事が完了した箇所は約70か所、工事中の箇所が約30か所でございます。
なお、大規模で時間を要する工事や降雪の影響等で令和5年度へ工事を繰り越す必要のある箇所は、約10か所見込んでおります。
また、被害を受けた農地及び農業用施設等につきましては、速やかな復旧工事に取り組んでいるところでございますが、全819か所のうち2割程度は、今年度中に復旧がかなわず、次年度まで復旧に時間を要する見込みとなっております。そのような被害箇所に対しましては、仮畦畔や仮水路等を設置し、できる限り作付けに影響が出ないよう努めてまいりたいと考え、その対応に当たっているところでございます。
(2)防災行政無線の更新
現在、昨年12月に実施した区長へのアンケート調査の結果や、他自治体の整備状況、費用対効果などを踏まえ、整備内容の検証を行いながら設計業者とも協議を重ね、実施設計を進めておりますが、何分多額の経費が見込まれる案件でございますので、しっかりと精査を尽くし、様々な変更等が必要であるなら、そういうところを盛り込みながら、具体の整備を進めてまいりたいと思っております。
市民の命を守るため、市内全域へ、より迅速で確実な情報伝達ができることを主眼に置いて、鋭意、取組を進めてまいります。
「生涯学習施設の整備に関する整備基本構想」につきましては、これまで市民の代表の方々を始めとした検討委員会で協議いただいた内容に、民間事業者等からの意見を加え、現在、庁内プロジェクトチームにおいて最終確認を行っている段階にあり、3月末までに構想が整えられる予定でございます。
なお、事業化に向けた整備方針につきましては、整備手法の選択肢を絞り込むとともに、中長期的な財政状況を踏まえながら、今暫し時間をかけて検討を深めてまいりたいと考えているところでございます。
(1)農業振興に関する取組
農業を取り巻く環境は、長引くコロナ禍やロシアのウクライナ侵攻、円安などの影響を受けた燃料や資材、肥料などの価格高騰により大変厳しい状況となっております。こうした厳しい状況の中でも農業者が意欲を失わず営農を継続していくことができるよう、農業者自身の創意工夫の取組に対し支援を行うなど、引き続き持続可能な農業のための関係機関との連携を深めながら取り組んでいかなければならないと思っております。
農業経営基盤強化策としましては「人・農地プラン」が市町村の策定すべき地域計画として法定化されたことから、農業委員会や農地バンク、JA胎内市と連携し、地域の将来の農業の在り方や農地の効率的、総合的な利用、担い手となる農業者の目標等を盛り込んだ新たな地域計画の策定を進めてまいります。
米政策につきましては、米の需要減少が続く中、需要に応じた米づくりを進めるとともに非主食用米や高収益作物への転換を進めるほか、胎内産米の新たな販路開拓についても関係機関とともにその取組を進め、農業者の収益力強化を図り、園芸振興策につきましても、引き続き新潟食料農業大学や生産者、JA胎内市と連携してイタリア野菜などの新規作物の実証栽培を行い、新たな特産作物の開拓に取り組んでまいります。
また、中山間地域につきましては、中山間地域等直接支払制度による支援のほか、鳥獣被害対策につきましても引き続き被害減少に努めるとともに中山間地域の住民が主体となって行う営農や集落機能の維持・発展を目指して取り組む「ビレッジプラン」の実践に向け、県やJA胎内市と連携を図ってまいります。
(2)スマートインターの供用開始に伴う商工業・観光振興に関する取組
商工業の振興につきましては、いよいよ3月26日に胎内スマートインターチェンジの供用が開始されることを契機として、隣接する新潟中条中核工業団地とその周辺を含む企業の集積地域で、既存企業における輸送コストの削減による収益力の向上を通じた事業拡大意欲の高まりや、新たな企業立地のインセンティブとなることなど様々な効果をもたらす、いわゆるストック効果による地域経済の活性化に大いに期待しているところでございます。
観光振興につきましては、交通利便性の向上による誘客促進に期待を寄せておりまして、今後は、樽ケ橋エリアや胎内リゾートエリアを始めとする市内各所へのアクセスの良さをPRすることに加え、地域の魅力を一層高めるべく、関係者と連携し、観光スポットや体験プログラムの発掘、磨き上げることに注力してまいりたいと考えております。
これまで様々な分野において、市民と行政の力が合わさった市民協働の取組が展開され、協働に対する意識が徐々に醸成されてきていると感じております。
そうした状況を踏まえ、更に市民団体やNPO法人等との連携を深めながら、新たな協働の機会の創出や環境づくりに取り組むとともに、多様な主体間での闊達な話合いを通じて、活力ある地域づくりにつなげていかなければならないと考えております。
とりわけ、コミュニティの維持と機能強化、子どもたちの健やかな成長のためのフォローアップなど、様々な課題に取り組みつつ、協働の実践例を増やしていけるよう取り組んでまいりたいと思っております。
(1)新型コロナウイルスワクチン接種
昨年10月に開始したオミクロン株対応ワクチンの接種率は約7割と、全国平均を上回る接種率となっており、感染者数につきましては、12月上旬をピークに徐々に減少傾向となっておりますが、引き続き市民に対しても感染予防行動の呼び掛けを行うとともに、ワクチン接種を希望する方が速やかに接種できる体制を確保し、社会機能の維持や重症化リスクが高い高齢者等への感染防止を防ぐことができるよう努めてまいりたいと思っております。
現時点において新型コロナワクチンの特例臨時接種期間は3月31日までとすることが国から示されて、明確なところに至っているわけではござませんが、新たな方針が示された際には迅速かつ円滑な対応ができるよう、医療機関との連携を密にしながら接種体制の整備を進めてまいりたいと考えております。
(2)生活者・事業者支援
急速に進む物価の上昇により、生活困窮の相談に来られるケースが増えてきている状況を踏まえ、令和5年度においても、福祉まるごと相談を始め、生活に困窮している方々に対する相談体制を整え、関係機関とも連携して、個々の状況に応じたきめ細かな支援が行き届くよう取り組んでまいります。
また、物価高騰に対する支援につきましては、今後も国の施策の動向を注視しながら、市として必要な支援策があれば、迅速に対応してまいりたいと考える次第でございます。
次に、「事業者への支援」につきましても、未だコロナ禍が完全に収束に至っていない中での物価高騰が事業者の経営に多大な影響を及ぼしておりますので、今後も国や県の支援制度等も活用しながら、状況に応じた各種支援により、事業者の経営維持とその先の地域経済の底上げを図ってまいりたいと考えております。
(3)アフターコロナに向けたその他の取組
現在、国において新型コロナウイルスの感染症法上の位置付け見直しにより「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ「5類」への移行に伴い、屋内でのマスク着用の緩和、ワクチン接種の公費負担の在り方など、具体の検討が進められておりますので、今後は、長らく中止を余儀なくされてきた、行事やイベント等について開催方法等を柔軟に考えるなどしながら、少しずつ日常を取り戻す取組を進めてまいりたいと思うところでございます。
これまで、当市においても、国の政策に呼応しながら市民サービスの向上を実現すべくデジタル化を進めてきており、マイナンバーカードを利用したサービスの情報を当市の子育て、介護、防災、転入・転出関係のシステムに直接取り込むことができるようオンライン化を図るほか、行政事務の電子決裁及びテレワークの導入により事務の効率化を図ってまいりましたが、令和5年度は、これまで以上にマイナンバーカードの利便性を実感できるよう、オンライン上で住民票や税関係の証明書申請手続及び手数料の支払ができるシステムを導入するほか、市役所本庁舎の一部の窓口における証明書等の手数料や樽ケ橋遊園等の施設において利用者から多くの希望が寄せられていた入園料などをキャッシュレス決済アプリで支払うことができる準備を進めております。
また、除雪車にGPS端末を搭載し、位置情報や稼働時間等の把握が可能となる除雪管理システムの導入により、効率的な除雪体制を整備するとともに、迅速かつ的確な除雪対応を図っていくことなども既に予定いたしております。
このほか、地方税の新たな納付方法として、地方税統一QRコードの運用が開始されることに併せて、市役所や金融機関、コンビニエンスストアに出向かなくても、自宅のパソコンやスマートフォン等から、クレジットカードやキャッシュレス決済アプリ等による納付ができるよう市民の皆様の利便性を高めてまいります。
今後も社会環境の変化に的確に対応するため、デジタル化及び電子申請メニューの拡充に向けた取組を進め、市民のニーズに合った効率的な行政サービスの提供を推進してまいります。
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